2020年7月26日日曜日

フランスの、お葬儀


先日は、
近所のおじいさんの、お葬儀でした。
とても大きな教会で、ということです。

とても大事な役割をなさってた方ですから、
きっと、人もたくさん集まるだろうと思っていました。
でも、
お友だちは、みなさん、お年寄りですから、
どのくらい、いらっしゃるのか。

だって、ある日、
そのおじいさん夫婦とおしゃべりをしていましたら、

「あぁ、いやんなっちゃうわね、
最近は、お葬儀ばっかり。
みんな、行っちゃうのよ」

って、言ってましたから、
私は、どういうことになるか、と思っていました。

それから、
ウイルスの心配は、するのか。
みなさん、なさるのか。
私は、どうしよう!?

そんなことばかり、考えていましたが、
やっぱり、
私は、おじいさんに「さよなら」を言いに行きました。


大きな教会ですし、
風通しもよさそうですから、
私は、うしろの、はしの方にいて、
見届けさせてもらおう、と思いました。

教会に、おそめに、歩いていきました。
そばに着いた時、
鐘が、鳴りはじめました。
しみじみ、します。
あぁ、こうやって、
みなさんに知らせているな、と思いました。
おじいさん、
あなたの番になりましたね、と
思い、足がはやまります。

遅れていこうと思ったのですが、
やっぱり、
ちゃんと、着こう、と思います。


みなさん、ちゃんと、マスクをしていました。
ずいぶん、たくさんの方が、ありました。
はなればなれに、すわっていました。
私は、とても、はなれて、すわりました。
お元気そうな、お年寄りが、たくさん。
おじいさんと、同じような、元気な方々。

神父さんのおはなし、
息子さんのおはなし、
どれもこれも、さっぱりとしていて、
あんまり、悲しいというふうではありません。
孫の方は、ひ孫ちゃんを乳母車にのせて、
教会の中を、いったりきたり、しています。
ゆったり、ゆったり、なんども。

私も、
このごろは、
よく、お葬儀に、行きます。
とても悲しいお葬儀があります。
帰ってくるとき、ぐったりしてしまうような。
でも、
このおじいさんの、は、
そうでもありません。
奥さんも、しっかりしています。

おじいさんとの会話を思い出します。

スキーのはなし。
「今年の雪は、ひどかったねぇ」
もう、かなりのお年なのに、スキーをしていらっしゃった。
水上スキーもしていらした。
ピアノ、ききに来てください、と言えば、
プログラムを、辛抱してきいてくださる。
でも、本音は、花より団子だったのです。
そのあとの、アペリティフをものすごく、
楽しみにしていらしたのが、よくわかります。


私は、
日本のお葬儀を、ほとんどパスしてしまっています。
外国にいるせいです。
しがらみがない、というのは、
いいな、と思う方もあるかもしれません。

私は、
仕事を夢中でしていたころは、
そんなことを考えるひまも、ありませんでした。
けれど、今、考えてみますと、
おじいちゃん、
おばあちゃんのお葬儀に、出られませんでした。
その他、親せきの人々、恩師。
まだ、
元気一杯の人が多いですが、
友人の、だって、
行けませんでした。

前は、電報を打ったりしました。
それだけだって、かなりの思いをして、
打ちました。
今では、そんな風習もなくなりました。

気持ちは、じゅうぶんみなさんと一緒ですから、
行けなくても、いい、と、
頭で説明していますが、
ほんとうは、行きたいです。

ですから、
私は、ここフランスでは、
あまり近い人でなくても、
行かれるお葬儀には、行きます。

そして、今まで行かれなかった分、
「ばんかい」します。
まとめて、
その人たちに、またさよならを言ったりします。


しばらくしたら、
友人が、おくれてやってきました。
私を見つけて、となりに、すわりました。

「サヴァ?」(どう?)
ときけば、
「いやな思い出が、よみがえってくる」ということでした。
去年、奥さんをなくした、ことを言ってるのです。
あぁ、そうだね、ほんとだね。

私も、
いろんな人のことを、思い出していましたが、
彼も、なのだなぁと、
思いました。
もしかすると、
この教会にすわってるみなさん、
それぞれ、心の中で、どなたかを思い出してるかもしれない、と
思ったりしました。

きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。



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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

Chiyoさん、こんばんは。

悲しい事でしたね。
亡くなられたのは、ブログに書いていらしたご老人の方なのでしょうか?

亡くなられたのは残念でしたが、その方はご自分の人生を生き切った、立派な生き方を
されたように思えます。中々出来る事ではないので素晴らしい、と感じました。
お別れが言えてよかったですね。


バリバリの現役時代は、そうですよね、お葬式でお別れが言えないこともあられた
でしょう。
まして、遠く海外にお住まいでは。
私なんかの想像を超えた、いろいろな葛藤もあられるはず。

でも、きっとChiyoさんの気持ちは伝わっているはず!
大丈夫ですよ。


わたしも、葬儀にでる機会が多くなりました。
数年前亡くなった父に、○○さんを宜しく、とお願いしています。
それと、残されたご家族を守ってください、と。

さて、今日はシャム猫ちゃんがお出ましですね。
カワイイ。

川沿い?の写真でしょうか?水が流れてるようには見えませんが、透き通ってるの
かも。

みどり色のイチジク、夏ですね~。
数年前、初めて見たときには、未だ熟れていないのかな?
なんて思ってしまいましたが、美味しかったです。
あまり見かけないので、貴重なのかもですね。

今日もありがとうございました。
たま

Chiyo さんのコメント...

たまさん、こんにちは。

はい、ブログに書いたご老人の、です。
海外にいると、お別れが言えたり、
言えなかったり、
いろいろです。

亡くなったお父様に、お願いする方法。
ああ、なるほど!
そうですねぇ、
日本には、亡くなった方に守ってもらうという
考え方がありましたね。
忘れていました。

シャム猫ちゃんは、
そのご老人のうちのとなりの、
新しい住人の、です。

ロワール川は、水かさが低くなって、
魚が見えます。底も見えます。
イチジクも(白イチジクです)とれました。
いよいよ、
暑くなってきました。

きょうも、ありがとうございました。