ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022年12月6日火曜日

時計クレージー


先日、うれしいことがありました。
小さかったころに読んだお話を、
もう一度読むことができたのです。

などと書いても、
大したことない、と思われる方も多いかもしれません。

どういうことかと言いますと、
そのお話というのは、
私のルーツのような、
私の変なクセまで説明できるような、
そんな、印象ふかいお話だったのです。

坪田譲治という作家の童話です。
ですが、
題名は忘れてしまいましたし、
なにしろ、たくさんの童話を書いた人ですから、
さがすのが、大変。
今まで、あきらめていたのです。

その変なクセというのは、
そのお話のせいでか、
時計というものが、
とても、好きになってしまった、ということです。

置き時計。
目覚まし時計。
柱時計。

好き、というより、
ちょっとこわい気持ちがします。
そのくせ、ひきつけられてしまうのです。

















こわいけれども、
見たい。
ローマ数字の時計なんて、
今では大丈夫ですが、
小さかったころは、こわすぎたのです。
それでも、
こわいもの見たさで、見ていたのです。

少し大きくなってから、
はじめて、
お年玉で買ったのは、
金色の、小さな目覚まし時計でした。
選んだのは、
ローマ数字でした。

それだって、
例のお話のせいだと思うのです。
それにしても、
いったい、どういう筋の童話だったか。

柱時計が、お化けのように、
歩き出したりする話のように覚えています。
それが、もう、ほんとうによく書かれていて、
その場にいるようになるのです。

それ以来、
時計が気になってしかたない。
その原因となったお話を、
もう一度読みたいと思っていました。

そして、
大人になった今の私が読んだら、
どう思うのか。
















そして、ダメでもともと、と思いながら、
念のために、
「柱時計」「坪田譲治」というキーワードで、
さがします。
まったく、
インターネットというのは、すごいものです。
見つかったのです。

その、びっくりうれしさと言ったら!

おまけに、
その昔の本を、1ページずつ、
写真に撮ってくれた人があるのです。
国会図書館が、です。
おかげで、この私は、1枚1枚、ページをめくって、
パソコンで、
そのお話を読むことができたのです。

いったいどういう目的で、
国会図書館が、
坪田譲治の小学3年生向けの本を、いちいち
ページをめくって、
こんな作業をしてくれたのでしょう。
なんとも、うれしいことをしてくださる方が、
あるものです!

自分の、思い出の奥に、ボヤーっと、
残っていて、
ほんとうに読んだ話なのか、
私が勝手に作り変えてしまったのか、
わからなかった、
その現物を読むことができました。

もう、
「ようこそ!」
と、
「おかえり!」が混ざったような気持ちでした。

筋は、私が覚えていたとおりでした。
いっきょに、また、
魔法にかけられたように、
そのお話の中に入ってしまいました。


















その時から、私は、
ずっと、この魔法にかけられ続けているのかもしれません。
今でも、時計というものを、
ちょっと、おそれ多い気持ちをもって、
見ています。

私の家には、あちこちに、
カシオの小さな目覚まし時計が、置いてあります。
洗面所にも、あります。

それについては、
どうやら、娘の一人にも、うつってしまったらしい。
先日、
「洗面所に、時計を置くのは、ごく当然なことである」と
まるで、
定理のように、言い切っていたのです。
それを聞いて、
これは、まずい、
言ってることが、私とそっくり、と、
あわててしまいます。

そして、その理由は、
朝、出がけに、洗面所を使っている時、
「あら、何時かしら」と、
別な部屋に、時計を見に行かなければならないとすると、
戻ってくるまでに、時間がかかる、
と言います。
朝の10秒、20秒は、ものすごく貴重なのだと言います。

私は、
心の中で、やっぱり、そのとおりだなぁ、と思います。
















というような、
合理的な理由もあるのですが、
もう一つ、時計は、
生きている証拠、のように思うこともあります。

チクタク、いつも動いています。
生き物のように。
だから、ひかれるのかもしれません。
それに、
ちょっと、神様のような、
絶対権力(?)を持っているような感じもあります。

その指示に従わないと、
チコクする、とか、
電車に乗り遅れる、とか、
おなべがコゲつく、とか、
いろいろ困ったことが起こる。
そんな風に、きびしいところがあります。

でも、コチコチ、心地よくもあります。
聞いていると、眠くなったりします。
夜、床に就くときには、
目覚ましをセットする。

ですので、私は、
コチコチいう時計がいいのです。
たまに、ぼんぼん時計も聞きたくなりますが、
実は、うるさくて、
あまり使えません。

それから、腕時計も、あまり、
使いません。
ピアノを弾くとき、
用事をするときは、
はずしてばかりいるからかもしれません。
















と、
時計の話になると、
止まらなくなります。

このへんで、やめときます。

あとひとつ、
このごろでは、コチコチいう時計より、
じーっという音の時計が多くなっています。
それに、
単に、
時計は、あまり必要なくなってきたようにも見えます。
みなさん、スマートフォンで、
時刻を見てらっしゃいます。

コチコチ言わない時計といえば、
私のお腹。
ぴったり12時半にお腹がすきます。
この正確さは、
ワンちゃんだって、同じです。
ある一定の時刻が来ると、
そわそわして、ご飯を催促してきます。
毎回、ぴったりの時刻に、です。

これは、なかなかおもしろいとおもいます。
















ところで、話は飛びます。

先日、パリに用事がありました。
ついでに、ユニクロに寄りましたところ、
それはそれは、すごい人で、
てんやわんやでした。

あったかい下着をたくさん売っているそうです。
それが大人気。
今年は、暖房の温度設定を低くします、という
おふれですので、
みなさん、あったかいものを探しているのです。
ユニクロ製品は、
もう、引っ張りだこ、という雰囲気になっています。

私も、今年は、仕事場でも、
いつもより、
ほんの少し、厚着にしています。

まぁ、暑いのが苦手な私は、
そのぶん、寒さは、あまり気にならないのです。

それにしても、
ロワール地方も、パリも、
まだ木の葉が落ちきっていません。
12月になっても、葉っぱがついているのは、
初めて見たような気がします。
来年の夏は、どうなるか、暑くなるのだろうかと
今から少し、気になります。
















さきほど、
ある店を出るときに、
「それでは、いいクリスマスシーズンをすごしてくださいね」と
言われました。
あぁ、そうだな、
そういう季節になったな、と思いました。

毎年、暮れになると日本に送る、
甘くて、おいしいものも、
たくさん買い込みました。

















それにしても、思うことがあります。

遠い昔、昭和のころ、
坪田譲治の童話を読まれた方は、
たくさんあったでしょう。

はたして、
今でも、この童話は読まれているのでしょうか。
それから、昔、読まれた方、
今でも覚えておられるのかしら、と、
ちょっと、興味深く思いました。


きょうも、ご訪問、ありがとうございました。








 


にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村



もうひとつのブログ
オンライン「ふだん塾」。
ピアノ教師として、上達の
ヒントを、書いています。

こちら↓












2021年8月28日土曜日

いい旅をした気分になる


 今週は、家に職人さんが入っていました。
とてもやさしい、ペンキ職人です。
ですので、気分はいいですが、
家の中に、どなたかがいる、というのは、
なんとなく、疲れます。

がんばって、仕上げてくれましたので、
終わりました。
すっかりきれいになって、
家の中が、静かになりました。

おまけに、
週のあたまには、ハチの巣のモンダイ。
これまた、
職人さんに、来てもらわなくてはなりませんでした。

「アジアハチ」と言われているスズメバチです。
アジア人の私は、その名を聞くたびに、
なんとなく肩をすぼめてしまいます。
はちみつのハチをダメにしてしまうので、
モンダイあり、です。

そんなハチが、
うちに大きな巣を、せっせと作り始めましたので、
すぐに、
退治してもらいました。
















その働きぶりは、
熱心でした。
働きバチ、と言いますが、
本当に、せっせと、よく働いて、
ものすごく短い時間に、
ものすごい巣を作ってしまいました。

連絡をすると、専門家が、
すっ飛んで、来てくれました。
これを退治すると、ごほうびに、
お金をくれる、という市もあるくらいです。
なかなか、深刻なモンダイです。

フランスでは、どこでも、
はちみつを作る人が多いです。
その方々の困りようは、前から聞いていました。
なるほど、
アジアハチの働きぶりは、すごいです。


















さて、そんなことも、
一件落着〜しましたので、
ずっと、書こうと思っていたことを、
書きます。

今年は、
船に乗っての旅に、出られませんでした。
ですが、
まるで、航海に出たような気持ちになった本があります。
それは、
「無人島に生きる16人」*という本です。

これは、実際にあった漂流記です。
私の考えでは、
ジュールベルヌの「15少年漂流記」よりも、
おもしろかったです。
感動ものです。
なんともおおらかで、
賢くて、
強くて、
思いやりたくさんで、
素晴らしい体験です。

読んでいると、すっかり元気が出ます。

だまされたと思って、読んでくだされば、
わかります。
おまけに、
タダです。
素晴らしい旅行をした気分になります。

























今では、水道からは、飲み水が出てきて、
「湯水のごとく使う」と言ったりします。
ですが、その「湯水」さえもなければ、
どうするか。

そんな苦労を、知ったあとでは、
コップ一杯のお水が、ものすごくおいしくなってしまいます。
それが飲めるだけで、
ものすごくうれしくなってしまいます。

それから、
船長さんの、易しさ、強さ、が、
かっこいいです。
こんなリーダーがいてくれたら、と思います。
島に着いたら、すぐに、
こんなルールを決めました。


・島で手に入るもので暮らす
・出来ない相談は言わない
・規律正しい生活をする
・愉快な生活を心がける


愉快な生活を心がける、というルールも、
これまた、素晴らしいです。

心に残ったのは、
夜の見張り番に、月夜の晩は、
若い者は、当番にあてがわない、というルールでした。
理由は、
若者は、まだ心が強くないから、
一人で月をながめていたりすると、
気が沈んでしまったり、
故郷が恋しくなる心が出たりするから、というようなことでした。

それを、
老年の、強い海の男が、
気づかってやっていたことです。

なるほど、月夜の晩には、
詩人が、たくさんのうたを歌っています。
月夜の晩には、そういう気持ちになるのです。

そういうことがわかる海の男は、
かっこいいと思います。
















それが、うまく成功して、
無事、日本へ帰ってこられた時は、
私も、もう、涙がポロポロこぼれます。

さて、
それが、タダで読めるというのも、
おかしなことです。
おかしいですが、
事実です。

私も、船に乗る前は、
電子リーダーに、わんさこら本を積み込みます。
その時に、
著作権が切れてしまった本は、
タダになっていることに気がつきます。
すると、
日本の古典や、
現代のものでも、夏目漱石、志賀直哉、と、
名作が、タダになっています。

スーパーで、
たまに、
巨匠ピアニスト、リヒテル大先生のCDが、
ワゴンセールで、
2ユーロくらいで売られていたりすると、
そこまで極められた、ピアニストとしてのご苦労や、
その才能を考えて、びっくりします。
胸が、痛くなったりもします。

それと同じで、
文学の名作が、これほどタダになっていて、
好きなだけ読めるというのは、
ありがたいですし、
ちょっと、わびしく感じます。

そして、
それならばもう、ぜひ、どんどん、
読ませていただいて、
あなたのご苦労は、むげにいたしません
という気持ちになります!


















おとなりのへいの上から、
オレンジの花が見えてきました。
つる科の植物です。
うちまで登ってきてくれます。

おとなりのマルチーヌさんが、天国へ行ってしまって、
2年目になります。
そのオレンジの色は、
マルチーヌさんが、好きで、
口紅にも、そんな色を、よく選んでいました。
花の色を見て、
また彼女のことを、思い出します。

日本は、
まだまだ暑いようです。
日本の方も、そうでない方も、
どうぞ、お大事におすごしください。

きょうも、ありがとうございました。
 


*「無人島に生きる16人」
日露戦争、第一次世界大戦に従軍し、商船学校教授・東京商船学校校長を歴任した須川邦彦による冒険実話。「少年倶楽部」に1941(昭和16)年から翌年にかけて連載。明治32年、帆船・龍睡丸は太平洋上で座礁し乗員16名は無人島に上陸。飲み水を確保し、火を起こし、海亀の牧場を作り食料を確保するなど様々な知恵を出し助け合いながら生き延びる。そしてその年の12月末、救出され無事祖国の土を踏むのだった。1999(平成11)年に「本の雑誌」で「漂流記ベスト20」の1位に選出された。

(レビューより引用)↓

「4.愉快な生活を心がけること。

特に4番が大切で、多くの人は困難に直面すると楽しさや豊かさを探し出すことは大変難しく、
むしろ嫉妬や悲しさに押しつぶされそうになりますが、明治の海の男達は違います。
それぞれが、心を磨き立派にほがらかに、お互いの生活が少しでも進歩し、良くなるように知恵を出し合い、
ただの一日もいやな思いをしないで過ごします。
生還する最後の中川倉吉船長の言葉と小笠原老人の言葉は感動で、
人間の知恵、技術と文化は強い心にあるものだと感動させられます」


にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村



もうひとつのブログ
オンライン「ふだん塾」。
ピアノ教師として、上達の
ヒントを、書いています。

こちら↓










2021年2月17日水曜日

また「怪盗ルパン」が、はやる



突然、やってきた大寒波は、
突然、行ってしまいました。

先日の日曜日は、
朝、マイナス6度くらいだったのが、
午後には、8度くらいになりました。
一気に、13度ものぼったことになります。

心配していた、草木のことですが、
無事、この寒さを超えられたようです。
ランプをつけたり、
シートをかぶせたり、と、
準備しました。

おかげで、梅の花は、大丈夫でした。
シートをはずすごとに、あのいい香りがしてきます。
花も、ちっともだめになっていません。
ああ、よかった。


















一方、シートをかけなかった椿の方は、
咲いていた花が、霜にやられていました。
まだ、
たくさんのつぼみがあるのに、
これもダメかもしれない、と思っていたのですが。

それが、
ちゃんと、咲きました。
すごい、強さです。
開いていた花は、ダメでも、
そのそばで、つぼみは、がんばっていたのかもしれません。
暖かくなった今、
また、しっかりと、咲いています。

拍手!



 




それにしても、
暖かくなって、ちょっとがっかりしたことは、あります。

ロックダウンにはならなかったので、
雪山を歩いてこよう、と思っていたのです。
今年は、リフトは禁止されていますが、
ただ、お散歩なら、できるのです。

それが、
アルプスまで足をのばさないと、ダメそうです。
近場の、中央台地では、
雪は、全部とけてしまいました。

と、がっかりしていると、
スイスに住む友から、写真が送られてきます。
日帰りスキーを楽しんでいる、ということです。
むむむむ、と、
その素晴らしい景色が、恨めしく思えます。

スイスは、リフトはオッケーですし、
標高2000メートルを超えて、
ステキな雪が、ふんだんにあるということです。



同時に、
ウイルス状況は、いい方へ向かっているようです。
ふつうの生活ができるようになるのも、
時間の問題かもしれません。

今のように、
夜6時に、街に、人っ子一人いなくなる、というのは、
ずいぶん、さびしいことです。
もう、ヤンなっちゃった、という人が、多いです。

もう少しの、しんぼうだと思います。
あと一息!


日曜日の午後は、
友人に勧められた、テレビドラマを見ました。
「ルパン」というフランスのドラマ*です。

アルセーヌ・ルパンが大好きな私に、と
勧めてくれたのです。
今のパリで起こる、いろいろなコトです。
とても素晴らしい演技、ストーリーでした。
久しぶりに見る、ドラマ。
すばらしくて、感激でした。

このドラマのせいで(おかげで)、フランスでは
今、「怪盗ルパン」の本が大人気になっているそうです。

私も、また、
ルパンの本を出してきて、
さて、何を読もうか、などと迷ったりしました。
フランス、なかなかやるね!と、
うれしくなりました。

きょうも、読んでくださり、ありがとうございました。


* 「最強のふたり」という映画の主演を演じた、
オマール・シーという俳優が、ヒーローを演じています。
素晴らしいです。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村



もうひとつのブログ
オンライン「ふだん塾」。
ピアノ教師として、上達の
ヒントを、書いています。

こちら↓










2017年6月23日金曜日

フランスの若い人、ステキな才能



私の住むロワール地方は、
この数日間、すごい酷暑でした。
南フランスに住む娘のところより暑く、
ひどいときは、39度。

こうなると、「暑さ」から逃げようとしても、
かぎりがあります。
「暑さ」と、一緒にやっていくしかありません。
早く、静まってほしい、と祈りながら、
たえました。

きょう、やっと、ふつう並みの温度になりました。
いつも、夏や暑さが大好き、というフランス人も、
ふーふー言っていた、ご様子です。

そんな中、
ある新聞をながめていて、
ステキな記事に出会いました。


宇宙ステーションに行っていた、フランス飛行士
トマ ペスケという方の話です。
今年の春、若い人対象に、文学コンテストをひらいたそうです。
その、たくさんの応募の中から、
彼が、ステキ!と思った作品のはなしでした。

私も、ステキそう!という予感がしたので、
さっそく、ネットで調べて、
ネット上で、ただで、読ませてもらいました。

短い文章です。
1ページ半くらいです。
「星の王子さま」に出てくる、7つの星のつづきを書く、という
課題です。
8つ目の星を、書きましょう、というのです。

それが!

ほんとうに、すばらしいです。
読んだとたんに、
やられちゃいました。

何度読んでも、
心のツボを、おさえられたみたいに、
涙が出ますし、
そのあとは、
なんだか、すっきりするような感じがします。

それにしても、
24才の女性が書いたとは。
こんな若い方が、なんで、
こんなことがわかるのだろう、と思います。
べつに、若い人を見下しているのではないです。
若いのに、いったい、どんな、
いろんな苦労をしてきたのかな、と、
思ってしまうのです。

その8つ目の星は、
larmoyeur (= 涙の人?)の住む星で、
世界中の悲しみをケアするのが、仕事なんだそうです。
だって、だれかがケアしなくっちゃ、と、
せっせと、働いてるんです。

そして、いろいろ説明してくれるんですが、
それはそれは、すばらしいです。
シャポー!と言いたくなります。

こんど、
日本語に訳して、ご紹介したいと思っています。
その日まで、
もしかすると、
フランス語のできる方もあるかもしれませんから、
フランス語の方を、この記事の下に、のせておきます。



話はとんで。

この写真に見える、ちっちゃな「手」のあと。
これは、悪魔の手です。
(と、私は呼んでいます)

でも、こうして、見ると、かわいらしくも見えます。
うちの門に、汗をかいた手のあとが、
ついていたのです。

実は、
「ちっちゃな悪魔」と、私が、呼んでいるのは、
5才の、お嬢ちゃんです。
ピアノを習いに、一週間にいっぺん、来てくれるのです。
そのお嬢ちゃんが帰ったあと、手のあとを、見つけたのです。
そういえば、入ってくるとき、
ここに手をついていました。

でも、
とても手がかかる、お嬢ちゃんです。

ズケズケものを言うし、
ちっとも練習しないし、
お母さんからは、「きびしくやってください」と
頼まれるし、
私は、5才の子どもに、きびしくやっても、
うまくいかないと思うし。

でも、
こうして見ると、
毎週、ピアノに通わされて、
かわいそうに、と思ったりします。
この子なりに、苦労があるかもしれないな、と、
「ちっちゃな悪魔」に、ちょっぴり同情が、おこりました。


きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

p.s. ↓ 宇宙飛行士、トマ ペスケの気に入った、応募作品。
星の王子さまの、つづきを想像して書いた、8つ目の星のはなし。
作者 マノン テンディル 24才 (フランス)
Manon Tendil, 24 ans, France

Cette planète était recouverte d'eau, des bassins et lacs à perte de vue et le petit prince fit la rencontre de son habitant, le larmoyeur, qui lui expliqua qu'il s'agissait de larmes et non d'eau.

"Tu as beaucoup de larmes, observa le petit prince. Ce sont les tiennes?

- Non, ce ne sont pas les miennes. Je suis larmoyeur : ces larmes c'est mon travail. Je m'occupe des chagrins du monde. Il faut bien quelqu'un pour prendre soin des larmes des gens.

- Alors tu gardes des larmes?

- Je ne garde rien pour toujours. Nos chagrins nous appartiennent. Je les garde jusqu'à ce que leurs propriétaires soient capables de vivre avec eux. Tu vois ici, c'est le bassin des genoux écorchés. Quand les enfants apprennent à marcher, souvent, ils tombent, et alors ils pleurent. Pas parce qu'ils ont mal au corps mais parce qu'ils ont mal au cœur. Ce sont les premières hontes de ne pas réussir à faire comme les grands. Les larmes de ces enfants vont dans ce bassin. Vois comme l'eau est claire. Là-bas, c'est le lac des disparus : il est rempli des larmes versées par les gens qui ont aimé et qui ont perdu ceux qu'ils aimaient, des larmes très brillantes. Et regarde la cascade qui s'écoule ici. Tu remarques la force des larmes jaillissant violemment comme un torrent? Ce sont les larmes de colère et d'injustice. Elles sont très floues."

Le petit prince écoutait le larmoyeur et scrutait la multitude de bassins quand lui vint une question :

"Comment rends-tu aux gens leurs chagrins?

- Ça dépend des larmes versées, répondit le larmoyeur. Vois-tu, les larmes de jalousie et d'envie ne servent à personne. Je les renvoie dans les océans. Les larmes de colère, je les rends pendant l'été, cachées dans un orage. Les larmes des enfants, je les tisse finement et je les dépose au matin sur les fleurs en rosée. Quant aux larmes des disparus, j'en fabrique de petits cristaux que j'amasse et que je dépose tout en haut des plus hautes montagnes. Les Hommes appellent ça les neiges éternelles.

- Alors on finit toujours par retrouver son chagrin? demanda le petit prince.

- Oui, répondit le larmoyeur. Mais il est plus léger qu'avant. Les Hommes veulent toujours vivre plus vite, mais un chagrin, on doit prendre le temps de le comprendre et de ne pas en avoir peur. Alors il prend une petite place dans notre cœur, on vit avec lui tous les jours et il devient comme un vieil ami."

En partant, le petit prince fût rassuré en pensant que si un jour il avait du chagrin, celui-ci serait entre de bonnes mains.

(fin)

2016年8月25日木曜日

人類中心説的わがまま病、と、批評される



恥ずかしながら、私はまだ「我が輩は猫である」を
読んだことがありません。

が、きのう、
そのパロディの一節に、あたりました。

「米窪太刀雄」という著者の、です。
おもしろくてたまらない、本です。
当時、夏目漱石先生が、絶賛したそうですが、
私は、むしろ、パロディを読んで、
苦笑なさったのではないか、と、想像しています。

それは、さておき、

その中で、
亀が、人間を批評しています。
カメレオンも、鹿も、人間を批評しています。

つまり、動物から見ると、
人間というのは、自己中心、人類中心主義で、
わがまま勝手に生きている、ということです。

そう言われてみれば。
ほんとうに、私なんて、わがまま勝手なもんです。
なんだかんだと、ブーブー不平をいって、
実は、健康そのもので、
毎日、おいしいものをいただいて、
金魚を勝手に家につれてきて、ながめて、
まだ、
気分がよろしくない、と言っている。

同時に、
動物の世界を見ているとそうですが、
生き抜くためには、
やはり、強い者が弱い者を食べていかなくてはならない。

それは、
ほんとうに、悲しい、申し訳ないことだと思います。

昔から、
このへんの、折り合いが、
自分の中で、つかないでいます。

でも、やっぱり、
これ、という答えはなく、
お昼には、
お魚や、お肉を、いただかなくてはならない。

あんまり考えすぎると、
これまた、気分が、よろしくなくなりそうです。

やはり、自分は、動物なのだと、
原点にかえって、
その生き方をみとめて、
すると、少し心が軽くなって、
元気がでてくるけれど、

でも、やはり、
人間なのだから、
もっと、まわりと調和的に生きたい、
やさしい気持ちで、いたい、
けれど、

そこを、どうするか、は、
これは、
芸術の領域?というか、
まさに、
そこの折り合いが、むずかしいです。

でも、
考えても、しかたありません。

ほんとうに、
考えすぎは、よくないです。




話は、かわります。

どういうわけか、
フランス中央部は、今、ものすごく暑いです。
サハラ砂漠の熱が、はるばる、やって来たんだそうです。
ここ中央部に、その熱がたまってしまったのだそうです。

きのうの温度は、37度でした。
夫の乗った電車は、クーラーが故障していて、
降りた時、その37度が、
涼しく感じられたのだそうです。
あぶない、あぶない。


とはいうものの、
来週は、ふつうの温度にもどるそうです。

ススキは、秋を準備中。



きのうは、バカンスからもどってきた友人と、だべりました。
楽しかったです。
そして、きょうから、ジムがはじまります。
あしたは、
古い友だちが、お泊まりに来てくれます。
やはり、一人で家にいるのは、よくないです。

おかげさまで、
元気がでてきました。
こうして読んでくださる、みなさまにも
感謝、感謝、です。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。
↓ クリック応援していただけたら、うれしいです。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

2016年5月6日金曜日

疲れたら、よむ本



きのうは、どうも調子がでませんでした。

おとといは、教室が、けっこう涼しかったです。
それで体が冷えたのでしょうか。
帰ってくるころには、もう、休みたい、という気持ちでした。

外は、だいぶ暖かくなってきています。
若い生徒さんたちは、
かっこいいTシャツとか、
そでなしの、すてきなワンピースを着ていたりして、
すっかり初夏の気分です。
華やかです。

でも、涼しい教室にずっといましたので、
私は、寒くてたまりません。
家へ帰っても、いっこうにからだが温まりません。
あたたかいスープをのんで、早めに休みました。

次の日も、同じで、
残念ながら、スポーツにも行く気がしませんでした。
大好きなボディジャムを休むなんて、
まことに残念なのですが、しかたありません。

というわけで、
久しぶりに、ねころがって、うとうとしたり、
本を読んだり、
ツイッターで、たくさんの懐かしい写真をながめたり。

読んだ本は、
浅田次郎さんの、短編集。
何度読んでも、涙がでます。
「角筈にて」など。

浅田さんの文章は、JAL飛行機のマガジンで、
はじめて読みました。
とても、おもしろおかしい!と、
すぐに、すっかり気に入ってしまいました。

しばらくして、友だちに勧められたのが、
短編集でした。

ところがこれは、ぜんぜん、おもしろおかしくありません。
とても同じ人が書いたとは、思えませんでした。
切ない、心をゆさぶるお話ばかりです。

かなり、切ない話ばかりですが、
読んで、涙を流したあとは、
心が、やわらかくなったような感じに、なります。

そのあとは、
すっかり逆の、
とても、おもしろおかしい、
奥田英朗さんの、短編集。
「空中ブランコ」。

さわやかで、やさしくて、痛快!
何回読んでも、おもしろいです。
これまた、読んだ後は、
心も頭も、すっかり、スポーツをしたような感じになります。

というわけで、
きのうは、本と一緒に、ごろごろしました。

けさは、すっかりリセットされて、
生まれたてのような気持ち(?)になりました。

日本では、ゴールデンウィークが終わったようですね。
こちら、フランスでは、ちょうど休日と日曜日のはざまです。
ゴールデンウィーク気分の人も、あるのですが、

私は、これから仕事。
行ってまいります。





きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。

↓ ランキング応援クリックしていただけたら、うれしいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村