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2022年8月25日木曜日

ものすごい、蚤の市屋さん

ふだんでしたら、フランスの8月といったら、
休みの店が多いのです。
どなたも、バカンスに行ってしまって、
町は、お留守、という感じになります。
ところが、今年は、ずいぶん生き生きとしています。

コロナ前の、いつもなら、
新鮮な野菜を手に入れるのだって、ひと苦労していました。
しかたなく、スーパーの、しおれた野菜を買っていました。
ところが。
今年は、
朝市には、農家のみなさん、たくさん来ています。

それに、
町中の店も、開いていて、
そして、人も出ています。
時代が変わったのか、
コロナで働けなかった分か、よくわかりませんが、
私の方は、ちょっぴり、
調子が狂います。
おぉ、フランス人、
勤勉になったんですか、と思ってしまいます。

まぁ、お店が開いていて、
野菜、くだものが手に入る、というのは、
ラクなことです。




 










きょうは、けっこう暑いですが、
それでも、だんだんと涼しくなっているのがわかります。
すると、
こないだ暑くて苦しかったことなど忘れて、
「あら、行水ができないわ」などと、
文句を言ったりします。

せっかく、子供用プールを出したのに、
あまり使えなかったわ、なんて、
思ってしまいます。

でも、
ほんとうは、涼しい方が、100倍くらい、
いいのです!
















先日、田舎道を走って(車で、です)、
となり町まで、買い物に行きました。

小さなテーブルが必要でした。
文机(ふみづくえ)というような、畳の上で使えるようなテーブルが、
欲しかったのです。

前に、
同じようなテーブルを手に入れて、
とても具合が良かったので、こんなのをもう1つ、と思いました。
もうこういうのは作られていませんから、
古道具屋さんで、さがします。

学校の机くらいのサイズで、
引き出しがあるもの。
足は、長すぎても、切ればいいのです。

と、
いろいろ、調べていましたところ、
となり町にある、ということです。

それが!

女の人がやっている古道具屋さんです。
といっても、お店はなくて、
そのアトリエで、買うことができます。
けれど、そのアトリエと、
品物が置いてある、その場所の広さと言ったら。

いくつも部屋があって、
いろいろな家具が積み上げられています。
その量と言ったら!
それをジロジロ見てまわる、おもしろさと言ったら!

それに、
気がつけば、
私が好きそうな家具ばかりなのです。
たとえば、引き出しのある小さなテーブル。
そんなのが、
いくつもあるのです。
こんなにたくさんあるなんて、珍しいことです。

しばらく見せてもらって、
予定していなかったものまで、
買うことにしてしまいました。
















こうやって写真で見ると、大きく見えますが、
実は、これは、みな、小さいのです。

お風呂ですわるような腰かけ、
子供用、机。
足を切ってもらった「農家のテーブル」
お人形の、タンス。

お人形のタンスは、
引き出しが、よくできていて、本当に可愛らしい。

そのほかにも、いくつも、
お人形用の家具や、
瀬戸物のおままごとセットも、ありました。

話をしなくても、わかってしまいますが、
話をすれば、
女主人と、なんとなくシュミが似ているのが、
解明します。

細かいところ、たとえば、
テーブルの板には、
両はしに、たての枠がある方が好き、とか、
ペンキより、素のままの木の方がいい、とか、
まぁ、どうでもいいことですが、
同じようなシュミなのです。















ゆっくり、
物置のような部屋を、
いくつも見せてもらいました。
ソファーなどがあったりすると、
もしかすると、のみがうつるかもしれない、と
ちょっとよけて、遠回りに通ったりします。

ほんとうに、「蚤の市」というのは、
こういうことなのだなぁと、あらためて感心したりします。

重なっているもの、
うしろにあるものを取り出して見ていると、
手は、ホコリだらけになります。
そして、
彼女が買い出してきたものは、例外なくみんな、
なんとなく、
私も好きそうなもの。
けれども、
食べ物なら、何回も買いに来られるけれど、
家具なんて、何回も買うものではないし、などと、
ブツブツ考えているうちに、
さよならを言う時になりました。

でも、きっとまた、来るかもしれません。

帰りがけに、
「日本には、よく行くの?
私は、本を読むのが大好きで、
川端なんて、とっても好きです。
川端なら、全部読みましたよ」と言っていました。

あら、また、共通点。
本を読むのは、私も大好きなのです。
















久しぶりに走った、田舎の道は、
暑くて、
カラカラに乾いていて、
畑も、
道ばたの草木も、
緑が、麦わら色になってしまっていました。
見ているだけで、のどがかわきそうでした。

ところどころ、
栗の木が、青い実をつけているのが見えました。

9月で学校がはじまるころには、
以前は、
栗拾いに、子どもたちとよく行きました。
子どもが巣立った今では、うちでは、
栗も、食べる人が少ないです。
ですので、
拾うこともない、買いましょう、と、
なります。

そんなことを考えながら、
車を運転しました。















きょうは、
うちに来た、あの家具たちを、
洗ったり、
ヤスリで磨いたり、
ワックスをぬったり、しました。

洗っていて、
よごれがとれるたびに、
子どもだから、きっと、
おやつの手でさわったりして、
よごれも、一層ついたのだろう、と思ったりします。

そして、その子どもは、
もう大きくなって、そして、
今、何才くらいかしら、
もしかすると、もうおじいさん、おばあさん。
それとも、
もう、お墓の中かもしれない、と
思い浮かべたりします。

フランスの、その、「一昔前」が、
うちに来ました。
日本の人が、こうして、
文机にして畳の上で使う、なんて、
そのおじいさんは、考えたことあったかな、
まさか、ないだろうな、と
これまた、ブツブツ考えながら、
作業をしました。
























夏休みも、終わりに近づいてきました。
宿題に追われて、あせってくるような、
そんな気持ちが、
ほんの少し、します。

きょうも、ご訪問、
ありがとうございました。








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2022年6月28日火曜日

フランス、蚤の市


学年末になってきて、
いろいろな行事があります。
コロナなんか、どこに行ったか、
だれも、気にしていません。

それどころか、
コロナのせいで、できなかった行事まで、
今、あらためて、開かれています。

私も、先週は、
おめでたい行事や、
久しぶりの発表会に、行ってきました。
みなさんのうれしい顔を、たくさん見てきました。
いい「気」というのでしょうか、
楽しい雰囲気、エネルギーが、たっぷり!




そして、そんな中、
フランスでは、下院選挙がありました。
ご存知の人も多いかもしれませんが、
フランスでは、
極端な考えの人が、とても増えてきて、
ちっともおだやかではありません。
おまけに、若い人は、
80パーセントは投票に行かないということです。

どうなることかと、
私も、ハラハラしながら見ています。
結果は、なんとか、かろうじて安定しそうですが。
テレビを見ていますと、
極端どうしが、口げんかをしたりしています。
そのレベルは、
子どものけんかと、大して変わらない雰囲気です。

これでは、
政治に、投げやりな気持ちを持ってしまう人が
ふえて当たり前、と思ってしまいます。

極端の考えの党の人たちは、
ワルクチはよく言いますが、
では、具体的にどうする、ということは、
あまり言っていません。



  
もしかすると、次の大統領選挙では、
極端な方向に行ってしまうかもしれません。
「ワルクチ党」が国を治めることになったら?
うーん、
心配になってしまいます。

でも、こればかりは、
なるようになるしかありません。

それはさておき。


話は飛びます。

きのうの日曜日は、
蚤の市に行ってきました。
そこでゲットしたものは、
おままごとの、ティーポットと、
おままごとの、牛乳ポットでした。

昔は、生牛乳を買ってきて、
それをわかしてから、保存していたそうです。
それに使うようなポットかもしれません。
その、まねっこです。
おままごと、です。

それは、
フタもありませんし、
また、きっと、トウできた取っ手があったと思うのですが、
それも、なくなっています。

ただのような値段で、
売ってくれました。

ティーポットの方も、フタがありません。
取っ手の部分は、トウで編まれています。
金属のように見えてしまいますが、
実は、これは、
瀬戸物に、塗りものがしてあるのです。

両方とも、小さくって、
かわいらしい!

私も、おままごとでは、
瀬戸物の食器で、遊んだのを、思い出します。
そういえば、
最近では、そういうものがないなぁと、気づきます。
きっと、割れたりしたら、
あぶないから、ということかもしれません。



それから、
また、話は、飛びます。
先週の週末は、ものすごく暑かったのです。

アフリカから、熱風が来てしまったのだそうです。
これでは、私は頭が働かなくなる、と思いましたので、
前もって、
天気予報と、にらめっこしていました。

そして、
ひどい暑さの予定の日、午後の仕事は、
テレワークにさせてくださいと、上司に頼みました。
そうさせてくれました。

家へこもって、
雨戸を全部閉めて、
仕事をしました。

たまに、
ためしに、外へ出てみました。
道には、人っ子一人いませんでした。
それでも、空気は乾いていて、
すごしやすい、といえば、すごしやすい暑さでした。

そして、
それが3日ほど続いたと思ったら、
だんだん、涼しくなってきました。

今では、朝、11度、というくらいになりました。
最高が41度でしたから、
30度もの差が出た、ということになります。
たった10日くらいで、
こんなに変わると、体も、びっくりします。



そして、この暑さの前には、
嵐もあったのです。
大きなヒョウやアラレがふったり。
そうなのです、フランスは、ちょっと、
さんざんな目にあっています。
農作物だって、ずいぶん、大変なのです。

それでも、
うちでは、梅が少し、取れました。

途中、
暑さで、ポタポタと、実が落ちました。
まだ、青いです。
それを拾っては、
梅雨がない国で、
この梅の木は、困っているかしら、と、
ちょっと心配になります。



それを、家の中にためておいて、
熟させました。
それを、きょうは、塩につけました。
こうして、梅干しを作ります。
そして、暑さをしのぎます。

ずっと昔、昭和時代、
おばあちゃんのうちでは、
スダレに3本くらい、ものすごい量の梅を干していました。

おばあちゃんちにお泊まりに行くと、
外に出るとき、一個、
家に帰ってくるとき、一個、と、口に入れていました。
それでも、ぜんぜん減る様子はないのです。
ものすごい量です。

夏休みの思い出です。
それと同じ香りが、今もします。
梅の香りがすると、
あぁ、夏だな、と思います。



きょうは、
久しぶりに日記を書いたので、
書くことがありすぎて、
ちょっぴり、戸惑いました。




暑いところに住んでいる方、
おからだ大切に、おすごしください。

きょうも、ありがとうございました。







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2021年3月3日水曜日

フランスで、お味噌を作る

きのうは、お天気が良かったので、
湖のほとりで、ピクニックをしました。

冷蔵庫にあった、ゆで野菜と、お茶を持っていきます。
あとは、現地で、
ハンバーガーをゲットするだけです。
それだけで、
かなり、素敵なランチになるのです。
それは、いい空気と、
春らしい雰囲気のおかげ、です。

マスクも、とっていいのです。
みな、ちょっと離れて座って、
ふつうに話ができます。
何よりも、それが素晴らしく思えます。

そばでは、大きな犬が、ぼちゃんと、湖に飛び込んで、
泳いで遊んでいます。
むこうの方には、水鳥が、草をつついています。
ご本人は、必死かもしれませんが、
「そよ風が、顔に気持ちがいい」なんてい思いながら、
草の上でハンバーガーを食している私にとっては、
のんきな風景です。

水仙が、シューシューと、
吹き出ているところもあります。







 





さて、
話は、先日の、蚤の市のことになります。
置き時計のほかに、
手に入れたものは、スタンプです。

学校用の、だと思います。
野菜だとか、
エスキモーの生活、だとか、
タンスなどの家具、だとか、
小さくて、可愛らしいものばかりです。
よくできていて、感心してしまいます。

アルファベットの大文字が、花文字になっているのもあります。
でも、
私のイニシャルの文字は、ありません。
がっかりですが、それは、あきらめて、
女主人に、話を聞きます。

学校用のは、
ぬり絵をするのに、使ったりしたそうです。
いっぽう、
イニシャルの方は、学校用ではなくて、
刺繍用!

そういえば、
その商人のメインは、昔のナプキン、テーブルクロス、
シーツなのでした。
なるほど!

これで、印をつけて、
そこに刺繍をしていくものなのでした。

我が家には、
おばあちゃんからいただいた、
先祖代々の、刺繍入りのリネンがあります。
そのためだったのですね!

































こんな感じです。
結婚するときに、両家のイニシャルをつけて、
刺繍する。

私は、
家へもどって、インクをつけて、
すぐに遊んでしまいましたが、
よく見ると、
そのスタンプには、
きらきらひかる、布のホコリのようなものが、
たくさんつまっていました。

!!

刺繍をしていた、結婚前の女性のことを、
想像してしまいます。
実際、そういう刺繍をしていた、
あばあちゃんたちのことも、思い出してしまいます。

今とは、ぜんぜん違う時代だったなぁと思います。
馬に乗って、遠くに行っていた時代です。
そんなに昔でもない、昔です。
















さて、
私は、たぶん、昔風かもしれませんが、
きょうは、おミソ作りをしています。
一年に一度、
時間をかけて、お豆を煮て、
時間をかけて、それをつぶして、
大きなカメに、仕込みます。

すると、
一年ぶんの、家族のおミソのまかないになります。
よくやりますね、と、
日本の人には、あきれられます。
ですが、
フランスにいるのですから、しかたありません。
おミソを買うことは、できますが、
貴重品扱いになります。

でも、
いったん
自分で作ってしまうと、
そんなにむずかしいことでもない、というのが、
わかりますし、
何より、とても、おいしいです。
「手前味噌」という表現が、よくわかってしまいます。

それに、私にとっては、
おミソは、一種のインスタント食品なのです。
おミソと、わかめがあれば、
すぐにスープになります。
だしなんて、いらないほど、です。
ですので、
そのファーストフード作りに、きょう1日は、
スローに励む、ということになります。

コツは、
手伝ってくれる人を、さがす、ということです。
きょうは、数人いますので、
はやくできるでしょう。

お豆は、中国。
米麹は、北海道。
お塩は、ブルターニュの粗塩。
お水は、ロワール地方、というミックスになります。

一年、地下室で寝てもらいます。
そして、
そろそろ、去年仕込んだのを、
あけてみる予定です。
さあ、
キュウリにつけて、味見。

















きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。




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2021年3月1日月曜日

おばあちゃんちの、置き時計

あれよ、あれよという間に、月日はたっていきます。

大寒波のあと、ものすごくあったかくなったと思ったら、
今では、寒いですが、いい天気の毎日になりました。

けさは、蚤の市が立ちました。
商人も、たくさん来ていました。
お天気がいいですから、その中を歩くのも、気持ちのいいこと!

そのせいだか、どうだかわかりませんが、
とある、置き時計を、気に入ってしまいました。
小鳥が、4羽と、3つのベリー。
小さくて、可愛らしい。
大きな絵葉書くらいの大きさです。

商人と、少し、お話をして、
そして、そうですか、では考えます、
といったん家に帰りました。

夫に、
エンピツで、絵を描いて、これこれこういうものよ、と説明します。
とはいうものの、
修理に出さなくてはならないですし。
でも、昔のものです。
たいてい、なおせば、よくなります。

夫も、見に行きます。
なかなかいい、と言っています。
では、夕方、値が下がるころあいを見つけて、
また、行こう、ということになりました。
こうして、
4羽の小鳥が、我が家にやってきました。
ビヤンヴニュ!ようこそ〜。

修理に出して、
それがもどってきて、
どんなチクタクの音がするのか、楽しみです。
100年くらい昔のものです。
また、動き出すのだと思うと、
うれしくなります。

動く、3つのベリーをねらって、
また、小鳥たちが、
わさわさ、し始めるかもしれません!









なんとなく、胴体がサビていています。
昔は、金ぴかだったのかもしれませんが、
このままにしておこうと思います。
おばあちゃんちにあった、
古い時計を、思い出します。

思えば、
ここフランスの、おばあちゃん世代の方々には、
私は、うんとお世話になってきました。
というより、
うんと可愛がってもらってきました。

遊びにいらっしゃい、と言われて、
お泊りに行ったりしました。
たくさんのご馳走をふるまってくれました。
もう、これでもか、というくらい
うんと甘やかしてもらって、
手作りのジャム、とか、
編んでもらったセーターとか、
鍵編みの、テーブルセンター、だとか、
いろんなものを、お土産に持たせてくれました。

私たちの話を、
いつも楽しそうに聞いてくれる人たち。
たくさんの、「いいね」をしてくれた方々。

なつかしい!
そういえば、そうやって、たくさんの「元気」を、
もらっていたのでした。

そして、その次の、
親の世代の方々には、
もっと実用的なことで、お世話になってきました。
書類のこと、
生きる知恵、みたいなこと、
フランスのやり方を、いっぱい教えてもらってきました。

同じく、
いつも、私たちの話を興味を持って聞いてくれました。
ありがたい、ありがたい家族でした。



その人たちは、
私たちが、恩返しをする暇もなく、
ある時期に、いっせいに、旅たって行ってしまいました。
その、寂しいのなんのって。
ふだんは、あまり感じませんけれど、
ときどき、思い出します。
本当に、生活が変わったなぁと、思います。

時代は、変わったのだなと、思います。
今は、私が、一番年上っぽい存在です。
そして、若い人が、
訪ねてくると、うれしくて、
お話を聞きたくなります。
お土産を持たせたくなります。

何より、訪ねてきてくれるのが、うれしい。
あの時の、おばあちゃんたちの笑顔が、
わかるような気がします。



 







蚤の市では、もう一つ、
手に入れたものがあります。
それは、また、書くかもしれません。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。




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2020年12月17日木曜日

ダマす気は、なかったのですが

きのうは、午後中の仕事を終えて、外へ出ました。

リモートの仕事は、座ってばかりです。
じっと、パソコンを見つめていることが多いです。
ですから、気分転換に、
なんでもいいから、逆のことをしたくなります。
外へ出て、ウインドーをながめる、とか。

あ、あれを見にいこう、と
すぐにアイディアが、わいてきます。
近くの、古本屋さんに、
古道具が積んであります。
あそこに、入ってみよう。

古道具とは言っても、
小さな花びんとか、
ロウソク立てとか、
フタ付きの、瀬戸の小物入れ、とか、
たまに、ティーポットやカップなど、
小さなものばかり。

それが、
小さな棚に、ぎゅうぎゅうに、
あふれています。
ますます、見たくなります。






 


















と、そんなことを考えながら、
仕事を終えて、
夕方の街を、小走りに、その小さなお店へ。

しばらく、外からジロジロとながめて、
中へ入って、またジロジロ。

そして、
おじさんに、
これとこれとこれを見せてください、と
お願いします。

























ふつうの、おじさんです。
文学少年が、そのままおじさんになったような、
どちらかというと、やせた感じの方です。

「こんなのも、あった。
ムラノのガラスで、どうのこうの、
でも、仕入れられなかった」
とか、
いろいろ、お話ししてくれます。

そして、
「あぁ、そうなんですね、
あなたは、ソリフロールをお探しなんですね」

ええっ?

ソリフロール?
ああ、意味はわかります。
ソロ + フロール(花)で、
「一輪ざし」ですね。
でも、そんな言葉を聞いたのは、
久しぶり。
人生で、2度くらいしか、聞いたことない言葉です。

その、ふつうのおじさん(ごめんなさい)の口から、
そんな言葉が出てきて、
似合わないような気がしてしまいます。
思わず、顔を、もう一度見てしまいます。

あぁ、そうだ、
古本屋さんは、物知りの人が多いのだっけ、
ということを、思い出します。
もう、ずいぶん前から、
古本屋さんは、
この街には、もう、なくなっていたのです。
ゼロのゼロです。

それが、不思議なことに、
つい最近、また、この小さなお店ができたのです。

私は、ソリフロールを3っつ。
それから、おまけで、小さな銀のコーヒーポットを選びました。
それが、どれも、
駄菓子屋さんでお菓子を買うような、
そんな気軽さの、値段でした。
新聞紙にくるんでもらって、
大事に持って、帰りました。

さて、
家へ帰って、あんまり、
その小さなコーヒーポットが素敵だったので、
写真に撮って、家族のメンバーに、見て見て、と
スマホで送りました。




















ところが、
いざ、写真に撮ってみると、
ものすごく、本物のポットに見えてしまいます。
実は、消しゴムより小さいのですが。

まぁ、テーブルの木のサイズを見れば、
小さいということが、わかるはずです。
と、そのまま写真を送りますと。

案の定、
「まぁ、素敵!」
「大好き!」
「昔、うちにあったのと似てる」
というような反応が、かえってきます。

違うの違うの、小さいのよ。
ミニチュアよ。
カード立てなのよ。
と、
あわてて、名刺のようなカードを立てて、
写真を、ふたたび送ります。

そして、
あとで、
夫が家へ帰ってきて、言います。

「いいな、こんなポットで日曜日のコーヒーを飲めたら、
と、思った」
ということです。
同時に
「ずいぶん思い切った買い物をしたな、と、思った」と言います。

私は、
ダマしてしまって、ごめんなさいね、という気持ちと、
同時に、
なんだか、ユカイな気持ちになります。
ダマすのに成功、という気持ちです。
はじめは、そんな気はなかったのですが。
手品に成功したような気分になってしまいます。
みなさん、見事にトリックに引っかかってしまいましたね!

そして、
ね、やっぱり、ステキでしょ?
おままごとみたいでも、
ステキでしょう?
ホントに、銀製なのよ。
さっき、薬をつけて、
一生懸命みがいたら、
ピカピカになったのよ。

それに、
この次のクリスマスには、
そういうポット、
本当にコーヒーを入れられるポットを、
プレゼントの候補にしよう、と、
思います。

ほぼ確実に、喜ばれそうです。















さて、フランスは、
一応、証明書なしで外を歩くことができるようになりました。
ただし、夜は、8時には、戒厳令です。

それまでの時間、
みなさん、
はりきって、クリスマスのショッピングを
しているようです。

いいクリスマスになりますように。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。







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2017年3月4日土曜日

「歴史」コンプレックスがなくなる本

ぼんぼり?
ドクターストップがかかったせいで、
毎日、家でゆっくりしなければなりません。
たしかに、まだ馬力がでない感じです。

何もしないで時をすごす、なんて、めったにありません。
全然、そういうのに慣れていません。
結局、
いろいろなことを思いついて、
けっこう楽しく、すごしました。

そのなかで、
実に、感激した、というか、
人生観もほんのちょっと変わってしまった、という本*があります。

それは、
日本史を、一冊の文庫本に書いたものです。
別に分厚くはありません。
まず、それだけで、すごいと思います。

ですが、内容は、もっとすごいです。

これを読んだだけで、
私の、
貧しく、
無味乾燥で、
ぽろぽろに乾いてしまった冷やご飯のような、日本史の知識(?)が、

突然、味わいたっぷりの、湯気のたつ、ほかほかご飯になって、
登場人物も、動き出したのです。
顔の表情も出てきて、
私にほほえみかけたり、
にらんだり、
フン!と、そっぽをむいたり。

これで、いっきょに、
私の「歴史」コンプレックスは、なえしぼんだのです。



今まで、日本史を、何度読み返しても、
ちっとも頭に入ってこなかったです。
暗記した言葉は、ざくざくあるのに、ちっともわからない、
という妙な感じがします。

それが、
その暗記してきた言葉の意味が、
やっと、イキイキしてきて、
すごく、おもしろい!

聖徳太子も、人間だったです。
二枚舌ではないけれど、使い分けがうまかったり。
庶民の苦労、貴族の苦労も、よくわかる。
台風のおかげで、元寇には勝てたけれど、
はじめ、負けそうになっていた理由は、
実にギャグだったり。

などなど。

歴史というのは、人間の生きてきた記録だから、
登場人物も、
私と同じで、喜んだり、怒ったり、さびしがったり、
と、当たり前なことのかもしれませんが、
それに気づいたら、
なんだか、気がぬけたですし、
肩の力もぬけてしまいました。
今まで、私はなにを考えていたのやら。

それから、歴史の本を書いたのも、人間でした。
だから、間違いもあります。
証明されていないものもあれば、
いろいろな説がある、とも、ちゃんと書かれています。
なんだか、この科目が、
がぜん、親しみのもてるものになります。

それにしても、
「歴史」という名は、立派に聞こえるのです。
でも、じっさいは「けんか史」と呼んだ方が、
あたってると思います。
これだけたくさんの「けんか」が出てくる本も、
あまりないと思います。

なぜ、そういうことに
今まで気がつかなかったかしら、
歴史のおもしろさを、この年になるまで、味わえなかったのかしら。
教科書や、暗記制度(?)に、
ちょっぴり文句を言いたくなります。
でも、この世を去る前に味わえたのだから、
まぁ、いいか。

ところで、話は、かわって。

先週、
蚤の市でぶらぶらしていたところ、
写真のような、文箱をみつけました。
ウルシは、ちょっと、はげたりしています。
それだからか、
小雨がしとしと降って、ぬれてしまっているというのに、
市の人は気にしているふうでもなく、
タダ同様で、売られていました。

私はといえば、
別に必要はないのですが、
どうしても、このまま放っておくことができなかったです。

日本のもの=自分がなんとかしなくちゃ、という、
おせっかいな気持ちから、かもしれません。
甘いものでも詰めて、どなたかにプレゼントする時に使おう、
などと、こじつけを考えて、買いました。

けれど、家へ着いて、
きれいにふいてみると、
手描きの、鳥の絵が、とてもかわいらしく、
もしかすると、自分の手元に置いておくかもしれない、
などと、思ったりしました。

きのうは、おひなまつりでした。
みなさんは、お祝いなさったのかな、と思いつつ。
きょうも、読んでくださってありがとうございました。

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p.s.

* そのすごい本というのは、
「読むだけですっきりわかる日本史」 後藤武士著 です。
著者に、感謝と拍手をいたします。

2016年1月26日火曜日

買っても必要ないものを、買う
















おととい日曜日は、蚤の市が立ちました。
そこで、古いコーヒーカップを6つ買いました。
スミレのかわいい柄です。

ソーサーもついているし、砂糖つぼも。
タダ同然だったので、あまり迷わず買いましたが、
しまう場所に困るおそれは、あります。

それに、私はマグカップを使うのですから、こんなものを買っても、
あまり役には立ちません。
でも、なんだかとてもかわいく思えたのです。

どう考えても、いいなぁ、と思ってしまう時には、
昔の思い出がからんでいることが多いです。

今回のは、小学校の時、贈り物にもらった
すてきな鉛筆の柄に似ている、と思いました。
その時のうれしい気持ちが思い出されます。

さっそく家に帰ってきて、急いでよく洗って、
ためしにお茶を飲んでみました。
鉛筆の思い出だけかと思っていたのですが、
時間はさらにさかのぼり、

おままごとの瀬戸物カップも、思い出しました。
同じく、ソーサーもついて、本格的なセットでした。
小さいですから、その分、厚ぼったい瀬戸物でした。
その柄はよく思い出せないけれど、

色が、ちょっぴり、このスミレのに似ている気がします。

なんだか、
両親にかこまれて、おままごとセットで遊んでいた、
そんなやわらかい雰囲気が、一瞬ですが、ぼんやりと思い出されました。

見ているだけで、心が楽しいです。
ぜんぜん必要ないのものです。
でも、買ってよかったです。


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2016年1月15日金曜日

まじめ気分が、ふっとぶ



あなたは

「社長になりたきゃ、酒を飲め 〜 ♬
ウンザン、ウンザン、ウンザザッザザッザ」

という歌を、聞いたことがありますか?

あまり知っている方はいないと思います。
昭和時代のコマーシャルだと思います。
私は、この歌のことは長いこと忘れていました。
意味もわからず聞いていた歌です。

ところが、ひょっとしたことから、
この節が聞こえてきて、
つい口ずさんでしまったのです。

話は、買ったばかりの古机に戻ります。
待望の品は、わが家に届き、
じっくりながめられることになります。
椅子をひとつ持ってきて、正面にすわってみたところ。

雨にぬれていた机は、まだ湿っています。
なんといっても、広いです。
カッターの傷あとがあります。
ものすごく、がんじょうそうです。
なんだか、社長になったような気分です。

その時です。

「社長になりたきゃ、酒を飲め 〜 ♬」

が聞こえてきたのは。
もちろん、そら耳ですが。

元気のいいメロディーです。
(ちなみに、歌いました)

「ウンザン、ウンザン、ウンザザッザザッザ 〜 ♬」


お酒を飲んで、社長になれるはずがありません。
でも、世の中の社長さんは、お酒を飲んでいるのかもしれません。
私は、社長になろうと思ったことはありません。
でも、もしかすると、本当は社長になりたいのかもしれません。
よくわかりません、

でも、

なんだか、楽しい机です、この古机は!
すわると、まじめ気分がふっとんでしまう机です。

ということで、
とても満足。


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