2022年5月17日火曜日

これが、千円札だったらいいのに

うちの、小さな庭のすみには、
大山木という大きな木があります。
それが、今の時期には、よく葉を落とします。
その落ち葉は、だれかが拾わないとなりません。

毎年、めんどくさいな、と思いながら、
ホウキで集めたり、
手で拾ったりします。
その葉っぱは、お札の2〜3倍も厚い、
しっかりとした、見事な、落ち葉です。
これで、何かができそうなくらいです。

私は、これが千円札だったらいいのに、と
思いながら、拾います。
毎朝、千円札が庭で拾えたら、私もうれしいですし、
時間がとれなければ、
門を開けて、「拾い放題」というふだをかければ、
誰かが来て、あっという間に、きれいになると思います。

でも、
今のところ、この落ち葉の使い道は、
わかっていません。
ふつうの枯葉ならば、ためておけば、
いい堆肥になったりしますが、
この、しっかりしすぎた、セルロイドのような枯葉は、
ただただ、ゴミ箱へ、行ってしまいます。
















ヨーロッパでは、5月といったら、
寒く、ゆううつな冬が終わって、
若葉やお花が、ステキな時です。
私も、ずっと、5月は、一年で一番美しい月、と
思っていました。

それが。

このところ、そうとも言えないのです。
今週も、アフリカから、熱い空気がやって来ます。
あすなどは、30度が予定されていますし、
おまけに、日本のように湿っぽいのです。
そんなことは、初めてです。

私は、暑さが苦手です。
雨戸を閉めて、
ひんやりとした一階にこもります。
なるべく、外には出ません。
そろそろ、
お布団も、上の階から1階に、おろしてくる予定です。
いつもなら、
それは、7月のはじめごろなのですが。

以前は、
夏服といったら、大して着る時期もなく、
ちっともすりへらなかったですが、
最近では、ちょっと様子が変わってきています。

どこかへ引っ越すことを、
考えないとならないかもしれません。



 







などと、今日は、
文句ばかり言ってしまいます。
そんな自分に気がついて、ある人のことを考えます。

ブリュノーという、用務員のおじさんです。
私より少し若いようですが、
私より先に、定年で、いなくなってしまいそうです。
それは、残念だな、
もっといて欲しいのに、と思うような人です。

一年前くらいに私の勤めるところに、来ました。
親切で、
テキパキ仕事をしてくれるから、
みんなに好かれています。
当たり前です。

なぜ私が、こんなに大好きで、
もしかすると、
神様のように尊敬しているのかと言いますと。

「太陽っていうのは、頭の中にあるのさ」って言うのです。
というのも、フランスでは、
天気が悪いと、すぐ文句を言い始めます。
まぁ、それが、あいさつがわりのようなものです。

すると、ある日、ブリュノーは、
「太陽なんて、自分の頭の中にあるのさ」と、
ボソッと言っていたのです。
なるほど。

















ブリュノーさんに、
あいさつで、「元気?」と聞けば、
「元気!ぼくはいつも元気さ」と言うので、
はじめは、おかしいなぁ、
なんか、変だなぁと思っていました。
フランスには、薬で元気を出している人が、
けっこういる、と言う話ですから、
もしかすると、それかもしれない、と思っていたのですが。

でも、
色々話をしているうちに、そうではなくて、
本当に、体を動かして、
福を呼んでいるような人だということがわかります。

そのブリュノーさんは、
しなくてもいいのに、
私の仕事が終わると、
部屋のゴミ箱を、きれいにしてくれます。
初めは気づかなかったのですが、
ある日、それに気づいて、お礼を言いますと、

「ははは、だったら、
学長に、それを伝えておくれ。
そしたら、お給料値上げしてもらえるかもしれないからねぇ!」と
笑っています。
と、そんな風に、ごまかしてますけれど、
私たち公務員は、そんなことで、
お給料値上げ、なんてことは、ありえないのです。

照れて、そんなこと言ってるのだと思います。















それにしても、
それは、お掃除のおばさんの分担なのでしょう?
と、私が、不思議がりますと、

「ぼくがこうするとね、お掃除の人たちは、
その分、時間ができるでしょ。
すると
他のところを、もっときれいにしてくれるからね!」と
言います。
だから、みんなが得する、というような感じです。

また、
職場では、皆の誕生日がわかるようになっていて、
その日には、軽く、
祝い合うのが習慣です。
私は、ケーキを焼いて持っていきます。

すると、今年、ブリュノーさんは、
お花をくれました。
ささっと、外へ出て、雑草(?)のような、
かわいらしいお花をつんで、渡してくれました。

私が、野の花が好きと言うことは、
たぶん知らないと思いますけど。
うれしいお花ですので、
今でも、よく思い出します。
















そして、よく、
「どう、仕事は。
うまく行ってる?
何か、することあったら、言って」と
声をかけてくれます。

もう、人の役に立つことが、
楽しくって仕方ない、という感じです。
コロナの始めのころには、
雑巾で、あちこちを、しょっちゅうふいていました。
テキパキ、テキパキ。

こういう人が職場に来てくれて、
よかったなぁと思います。
みんな、そう思っていると思います。

もともと、この、
用務員の仕事の遅番は、
家に帰るのが遅くなるので、人気がないのです。
今までに、何回も人が変わりました。
ブリュノーさんも、それを気にしてるかな、と思えば、
そうではなくて、
この時間帯が、ものすごく気に入ってるのだそうです。

夜は、遅くまでにぎやかにすごして、
朝は、遅くに起きるのがいいのだそうです。
だから、自分にぴったり、と言っています。

へぇ、そうなんですね、と感心。
でも、もし、朝早くの仕事に就いたとしたら、
やっぱり、「この時間帯がすごくいい」なんて、
言うのかもしれない、と私はにらんでいます。

なんでもいいですけれど、
いつまでもこの仕事場にいてほしいな、と思います。
そして、
私も、ブリュノーさんの、
「太陽は頭の中」を思い出して、
体を動かしていこう、と思いました。

第一、
その方が、がぜん、楽しいですし!
















きょうも、読んでくださって、ありがとうございました。


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2022年5月10日火曜日

ふつう生活の、始まり〜

ここへきて、ふつうの生活が始まっています。
いろいろなプロジェクトが、わき出てきますし、
学年末の、いろいろな行事も、行われます。

これは、久しぶりのことです。
コロナは、まだ、はやっているような気もします。
でも、マスクをつけない時間も、ふえてきました。
いい方向に向かっているようです!

先日、
ヒップホップのバトルを見にいきました。
フランス国内のレベルは、
なかなかなものです。
上手な人たちが、争い合いました。
こういう争いは、いいものです。
お互い、刺激を受けて、
腕を磨くのです。

私まで、刺激を受けて、
また、ダンスをもっとまじめに練習しようという気が
起こりました。



 








さて、
こちらは、いっきょに暑くなっています。
きょうなどは、真夏のように暑い気温が
予定されています。
私は、どちらかというと、
暑さが苦手です。
だから、この涼しい土地を選んで、
わざわざ住んでいるのです。

それが、
この何十年かで、気候が変わってしまいました。
フランスの中でも、この中央部が、
一番温度が高い、ということもあるくらいです。
それですと、私がここに住む理由が、
あまりなくなってきます。

もし、この先、仕事も定年になったら、
自由の身ですので、
もしかすると、引越しを考えるかもしれません。
わかりません。

















先の日曜日には、
友人が、お茶に来てくれました。
外にテーブルを出して、おしゃべりをしました。
その人は、病気だったのです。
でも、長い治療を終えて、
こうして、お茶にも来られるようになったのです。

その、うれしいこと。

聞けば、いろいろな計画をしています。
オートバイを買った、
夫婦で、二人乗りで旅行をする、
お家のダイニングを広げる工事、
などなど、楽しそうなことを考えています。

そうです、そうです、
うんと楽しみましょう、
人生は短いのです、やりたいことをやりましょう!と、
私も、夫も、二人して、うなずきました。

大賛成!

























また、話は変わります。
夫は、先日の健康診断で、もう少し、
食べ物に気をつけたほうがいい、と言われて来ました。
脂肪がつきすぎている、ということでした。

うちでは、そんなにワルイものを食しているとは
思わないのですが、
ただ一つ、夫には、デザートを食べる習慣が。

それは、
生チーズに、たっぷりのジャムをかけたり、
おいしいバタービスケットとか、
甘いものです。

私が、そんなことを話しても、以前は
ちっとも耳に入りませでした。
でも、数字にそれが出ますと、
それはそれは説得力があったようです。
すぐに、デザートをカットしていました。
そして、数週間で、とてもいい数字になりました。

そして、そのあとが、おもしろいところです。
本人は、
食べなかったら、元気がなくなると思って、
甘いものを食べていたのだそうです。
ところが、
それをやめたら、
もっと元気が出てきた、というのです。

それは、私が見たって、わかります。
顔色が、良くなっています。
こんなに、食べるものによって、
違いが出るとは。
















フランスでは、
学校給食でも、きちんとデザートがつきます。
と言っても、大したものではありませんが、
くだもの、
甘いヨーグルト、
お菓子、などが出ます。

それが習慣になっていますから、
夫にとっては、大変な変化です。
私は、と、考えてみますと、昔は、
食後は、くだものがあれば、ちょっと豪華な感じ。
さもなければ、
ごはん茶碗にお茶を入れて、それで、終わりでした。

そういう習慣でしたから、
今、夫ほど苦労しないです。

給食で、夏みかんが出てきたのを思い出します。
あれを、4つに切って、ゴロンと一人分。
その食べ方は、けっこうむずかしかったです。

90度の切り身のうち、
身が切られているのが、2辺。
そして、その中に、かろうじて、2つくらい身が入っています。

そして、上手に食べられたとしても、
その、すっぱいこと。

でも、香りは良かったです。
今でも、思い出します。


















みなさんのお住まいのところでも、
だんだん夏に向かっているでしょうか。

どうぞ、お元気で、おすごしください。
きょうも、ありがとうございました。
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