2021年9月30日木曜日

フランスでは、コロナは終わったみたい


 私の住む、ロワール地方では、
もう、だいぶ涼しくなっています。
ほんの少し、暖房も入れました。
そして、めずらしく、青空の毎日です。
日本の秋を、思い出します。

そんな、いいお天気の中、海に行ってきました。
ラ・ボールというところです。
これは、歯医者さん、という用事でした。
歯医者さんが、こんな遠くにいる、というのは、
あまり便利ではないのですが、

オマケは、
その友人と会えること。
それから、
すぐそばの海の水に、つかることができること。

まだまだ、コロナのせいで、
会食もできませんが、
でも、こっそり、
「この次は、一緒にランチをしよう」と決めました。
なんだか、このごろ、
フランスでは、コロナの調子が、いい感じです。

海では、
もう、海水浴の人は、少ないです。
ですが、前回、水着を持たないで海に行って、
残念な思いをしましたので、
もうこれからは、どんな天気でも、
海に行くときは、海水浴の道具を持って行く、と心に決めています。

海辺についてみると、
やっぱり、泳げそうな雰囲気です。
天気はいいですし、
水は、冷たそうですが、これは、なんとかなりそうです。

「なんとかなりそう」と思ってしまうのは、
もしかすると、年のせいかもしれません。

とてもかっぷくの良い(お年の)マダムが、お2人、
浜辺にあらわれたかと思うと、
さっさと、ワンピースを脱いで、
水着に着替えて、海辺の方に進んでいきました。

それを、目を凝らして、よくみてみます。
マダムたちは、おしゃべりをしながら、
ズンズン進んで行くのです。
足が水に入っても、
「あらー冷たいわー」などと言っている様子は、ありません。
そのまま、ズンズン、歩いていってしまいます。

見ている夫は、
「年のせいで、神経のつながりが、
なくなっているのかもしれない」などと、言っています。
もう、冷たさを感じなくなっているのかもしれない、というのです。
そんな、と思います。

でも、そういえば、お年の方が、
冷たい水の中で、楽しそうに泳いでいるのを、
よく、見かけます。

私も、そう若くはありませんから、
もしかすると、同じように、
そういう現象になっているかもしれない、と
ちょっとイヤな気持ちと、
得したような気持ちが、両方、します。

ですが、私は、
まだ、それほど年、ではないのかもしれません。
その証拠に、水が、
冷たくて、しかたありません。
ゆっくり、ゆっくり慣らしながらでないと、
入れません。

ちょっと、ホッとします。

そばでは、
若い人たちが、水の中で、
ラグビーごっこをして、遊んでいます。
その人たちと、
あのマダムたちの、ちょうど私は、
まん中あたりにいるのかもしれません。

それから、
水鳥たちが、
ちょうど、ご飯を食べに、浜に来ていました。
その食べ方を見ていますと、
工夫が、おもしろいです。

2本の足で、水のかぶった砂を、
地団駄のように、足踏みをしています。
ちゃかちゃかと、ものすごいスピードで、
足踏みです。
そして、そのあと、中をつついて、食べます。
何がいるのだか。

そのあと、その地団駄の場所に、
私も行って、足をつっこんでみます。
おお、あんなに小さな足で、
こんなに大きな穴を掘ったのだ、とびっくりします。
私は、私で、
毎度おなじみの、
ブリオッシュに、生ハム、というサンドイッチを、
(バターは、たっぷり塗ってある)
いただいて、
お茶も飲んだのです。
すっかり、いい気分。

海で、泳ぐこともできましたし、
もう、大満足です。
今年、最後の海水浴かな、と思います。

この海の色、
海の、ザザーンという音、
この砂の肌ざわり、
風が、肌にそそぐこの感じを、覚えておこう、
また、思い出せるように、と、思います。
ところで、
街では、なんとなく、
みなさん、あまり、マスクをしないで歩いているようです。
さっき、
デパートの入り口では、消毒液が、置いてありませんでした。
それを見張る人も、
いませんでした。

おやおや、大丈夫かな、と
心配になりますが、
そのわりには、数字の方は、大丈夫のようですので、
まぁ、いいか、と思ってしまいます。
私も、外では、
マスクをはずして、歩きます。

すると、
長いこと忘れていた、
街の、いろんな、においがします。
ちょっと暖炉の煙のような、香ばしい香り、
お肉屋さんが、何かを煮ているにおい、
どなたかの、香水、
などなど。
いつもの、生活のにおいです。

今まで、
それ、なしで、目と耳だけで、
街を、見ていました。
ほとんど、テレビを見るように、
街を歩いていたのかもしれません。
また、本当の(?)生活に戻ってきたような気分です。


うちでは、
キンモクセイが、いい香りをプンプン!させています。
今年は、オレンジ色が、うすい、
花の色でした。
でも、香りは、うすくありません。

そして、
菊の、ツボミが、見えます。
もうそろそろ、です。

季節はどんどん!
あと、3ヶ月で、クリスマス。



きょうも、ご訪問、ありがとうございました。






 

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2021年9月22日水曜日

フランスで、初ミョウガ


 おととし、日本から、こっそり連れてきたミョウガが、
やっと、食べられるようになりました。

秋に、園芸店で、手に入れました。
葉っぱの部分は、切ってもらって、
鉢だけを、こっそりトランクに入れました。
地下茎だけあれば、いいのだそうです。

葉っぱもなくて、土だけの鉢です。
ダメになってしまったのではないか、
これがミョウガになるのか、と、心配になります。
外に放ったまま、
その冬は、何も起こらずにすぎました。

次の年は、春になると、
シューシューと芽が吹いてきました。
あぁ、よかった。
ナメクジ君にやられないように、
毎日、見張ります。
夏になれば、ステキな、青々とした葉っぱが、しげりました。
でも、ミョウガの実(食べられる部分)は、
なりません。
一年目は、こうなのだそうです。
まだ、しんぼうしないとなりません。

それが。
2年目、今年こそは、取れるだろう、食べられるだろう、と
楽しみにしているのですが、
葉っぱはステキでも、いっこうに実がなりません。
実といってもそれは、花だそうです。

夏に、おそうめんをいただくのに、
ミョウガを添えたいのですが、ちっとも、ならない!
しょうがなら、しょうがない、というが、
ミョウガだと、「ミョウガない」になる、
そんなのは、日本語ではない、と、
ブツブツ文句を言っていましたところ。

夏も終わりかけて、9月になって、
やっとそれらしきものを、見つけました。
よく見れば、あちこちに、
こんなに、できていたのです!

この、なつかしい香り!
何十年ぶり?
さっそく、きざんで、塩でいただきました。
昔は、あまり好きではなかったのに、
今では、こんなに、おいしく感じます。
フランスで初ミョウガです。
考えれば、
人生で、初めておいしいと思ったミョウガ。

先週まで、暑くてよく眠れない、などと
言っていたのに、
すっかり、ものすごく、寒くなってきています。
きのうは、路面電車では、うっすら暖房が入っていました。
それを、気持ちよく、感じました。

きょうは、お彼岸。
こちらでも、「秋の日」と言っています。
私の大好きな、季節です。
まだ、紅葉とは言えませんが、
桜の葉は、ちょっと赤くなりかかっています。

りんごも今年のものが、出回ってきました。
それはそれは、ジューシー!
香りが強い!

かぼちゃも出てきました。
かぼちゃスープを、大きなナベに作っては、
ためておきます。
小出しにして、「熱いスープはおいしい」と、
思う季節になりました。
暑さの苦手な人にとっては、
こんなに素晴らしい季節はありません。
それに、こんなふうに思うのも、
ちょっとした一山を、(ほぼ)超えたからです。
気分は、ちょっとリラックス!

同僚たちは、それほど気にしていないですが、
私には、これが、一番苦手、ということがあります。
それは、
学校の、時間割を組むことです。
レッスンの時間割は、一年ごと変わります。
それを、生徒さんの都合を聞きながら、組みます。

その、大きなパズルは、
たとえれば、
スドクのような、または、
ルービックキュービックのようなものです。
それを楽しんでいる方も、あります。

人生には、そういうパズル的なものが、
いくらでもあるのです。
どうして、わざわざパズルを買わなくてはならないのか。
私には、不思議です。

















まず、パズルはあまり楽しくない、のと
「この時間帯をください!」と、
かげで主張している、親御さんたちの気持が、
伝わってきてしまうこと、の二つが、ストレスになります。

あ、あの人は、何かと都合をつけてくださる方、
あの人は、ガンコな方、と、
たくさんの人の顔が浮かんできます。
そういうパズルは、複雑ですから、
おもしろい、と思う方もあるかもしれません。

それに、
さらに心臓が悪くなるようなことがあるのです。

それは、
いったん、パズルが完成したかのように思って、
「一件落着〜」と安心していたとします。
すると、
次の週くらいになって、
「マダム、実は、、、」と連絡が来るのです。
決めた時間帯に、バスケットバールのトレーニングと、
ぶつかってしまったから、来られない、というのです。

え!?
これが、一番、恐ろしい。
ほかの人たちは、もう、あてがわれた時間帯で、
家族のやりくりを、し始めています。
そんな中、「また変えてください」とお願いしても、
なかなか、うまくいかないことが多いのです。

パズルをやったことのある方なら、お分かりと思います。
最後に来て、一つでも、うまくいかなかったら、アウトです。
成功手前でも、またまた、やり直しになるのです。

きのうも、そういう恐ろしい連絡が入って来ました。
なんとか、都合は、つきましたが、
寿命は、数日分くらい、ちぢまったかもしれません。

思えば、
40年くらい、毎年、このパズルをやっていることになります。
そして、
毎年、結局は、うまく行っています。
それなのに、
どうしても、毎年、ビクビクしてしまいます。



 
















qte;さて、
これがすっかり決着すると、
仕事も、進めることができます。
そして、心は、のびのびと
秋を、楽しむことができます。

庭を見ていると、
ビワの花のつぼみがあったり、
椿のつぼみもあります。
冬のしたくが、始まっている、と感心してしまいます。

















はっきりとは、わかりませんが、
なんとなくですが、
フランスでは、
ウイルスの件は、静まってきているように思います。
このまま、消えてくれたらいいです。

みなさんも、どうぞ、
お大事に、そして、秋をお楽しみください。

きょうも、ご訪問、ありがとうございました。


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2021年9月11日土曜日

ブルターニュは、外国かもしれない

先日、数日間、ブルターニュ地方へ行っていました。
ご存知の方も多いと思いますが、
フランスの北西には、こういう名前の地方があります。
ノルマンディーの西から、ずっと海までは、
ブルターニュです。

Quimper カンペールというところで、
ロワール地方からは、
ずいぶん遠くでした。
そこでは、
仕事の合間に、
海辺へ、足をのばしました。

だいたい、
ブルターニュというと、
風が強くて、波も荒くて、
ワイルドな海岸の写真をよく見かけます。
そういう景色が見られる、と思って、
楽しみに出かけてゆきますと。

なになに、
そういうワイルドさは、全然ないのです。
それどころか、
海の色は、まるで南洋のよう。
私は、沖縄には行ったことはありませんが、
まるで、
そういうイメージです。
















えええ?と、びっくりします。
それなら水着を持って来ればよかった、と、
心の中では、じだんだを踏んでしまいます。
こんなに遠浅で、
静かで、
透明の水の中には、つかってみたい、と、
だれでも思うと思います。
違うかもしれませんが、
私は、かなり、そう思います。

しかたがないので、
その日は、ジーンズをまくしあげて、
ただ、ヒザのところまでの水辺を、歩きます。
















カモメが、
私たちのお弁当を、のぞきに来ています。
あまり人がいないので、
ちょっとでも人がいたら、来るのかもしれません。

人がいない、と言っても、
少しは、います。
特に、駐車場には、ものすごくたくさんの外国人が、
いました。
大型トラックで、キャンプしている人も。

それが、
みなさん、サーファーのようです。
ブルターニュで、サーフィンができるとは、
知りませんでした。
聞けば、
ここは、世界的にも有名な、サーフィンの場所なのだそうです。

おお、そうですか!
サーフィンなら、今年はオリンピックで、
競技をよくみていましたから、
まるで、自分も波に乗ったような気分でいます。
機会があったら、
ぜひ、自分も習ってみたいと思っていたところです。
























時間の計算をして、
短い滞在の中でも、
これなら、なんとか、
泳ぐ時間が、くり出せるということが、わかります。
それで、急いで、
水着を買いに行きます。

ラッキーにも、水着は、
シーズン末の、バーゲンセールになっています。
試着もせずに、
2秒くらいで、これ、と選んで、
レジに向かいます。
そばにある、
fouta「フタ」という、大きな手ぬぐいも買います。
これも、バーゲンセール。

「フタ」は、アラブの、
大きな、木綿の手ぬぐいです。
蒸し風呂に行くのに、使ったりするそうです。
肌触りが、とても気持ちいいですし、
水をよく吸ってくれます。
これなら、家にいくつあっても、いいです。

この2点で、
待望の、
あの、すきとおった海に、つかることができます!
















カンペールの街は、
海からは、ちょっと離れていますが、
街中を走る川は、ちょっと不思議。

海の水が、逆流して来ているのでしょう。
潮の満ち引きが、あるのです。
あ、
低くなっている、
あ、
満杯になっている、と、わかります。
これも、月のしわざ。

タオルが水を吸ってくれるように、
月も、離れた地球の水を、
遠くから、吸っているのです。
考えれば、ちょっと不思議な感じです。
そのせいでか、
川には、海の魚も来ています。

聞けば、それは、「ぼら」。
あまりおいしくない、お魚です。
それでも、なんとか食べた覚えはありますが、
あんまり、買う気にもなれない、あのお魚。
















川のそばを、歩いても、歩いても、
「ぼら」の群れは、続きます。
なんて、たくさんの!
食べようとする人は、いないのでしょうか。

食べるものに困っている人なんて、
この国には、いないのでしょうか。
ものすごい群れです。

ここ、ブルターニュ地方には、
ブルターニュ語、というのがあって、
たしか、それでバカロレアを受けることもできます。
そんな人が、たくさんいるとは思えませんが、
この街に来てみると、
どこにも、交通表示が、2ヶ国語で書かれているので、
びっくり。

それは、
フランス語からは、ほど遠い感じがします。
やたらと、K だとか、Zの文字が出てきます。
そして、どう発音していいのか、
よくわからないような、ややこしい単語です。
それを見ていると、
ああ、カルチャーが違うのだ、とわかります。

フランスには、
ブルターニュ出身の人が、ずいぶんいて、
今まで、私も、そういう人たちと、
仕事もしています。
ラテン民族とは、ちょっとちがう、雰囲気。
ちょっと地味で、一途な感じ。

カンタンに、こう、なんて言えることではありませんが、
雰囲気とか、
顔の感じに、ちょっと特徴があります。
一昔前の、伝統的な、
女性の髪の結い方、飾り方は、
画家たちも、よく描いています。
















海で、水につかっていると、
若い女性が3人くらい、楽しそうに、
ペチャクチャおしゃべりをしながら、通ります。
その顔つきは、
あの、ブルターニュの髪飾りを乗せたら、
ほんとに、あの油絵のと、そっくりになるなぁと、
ちょっと、愉快になるくらいです。

それに、
風が強くなると、
あの髪飾りを、風に向けて、
まるで、ユニコーン(一角獣)のように、
歩かなくてはならない。
そんなジェスチャーを思い浮かべては、
あぁ、そういう風土から、
あの髪飾りが出来上がったのかもしれない、と、
思ったりします。

それから、
みなさん、よくご存知の、
クレープは、この地方のものです。
小麦粉の、と、
そば粉の、があります。
私は、
滞在中、3日間、
ご飯では、お米ではなく、
クレープを、食べ続けました。

スーパーに行けば、
たたまれたクレープが、6枚とか、12枚、
ビニール袋に入って、
2種類、でん、と、置かれています。

それを、まるで、本か雑誌のように、
カバンに入れて、持ち運ぶことができます。
そうして、
何が起こっても、食いつなぐことができる、という
感じになります。




願いは、かなって、
とうとう、海につかることができました。
波がなく、すきとおった水で、
まるで、ステキなプールに入っているようでした。

3日目は、
いつもより早い時間に行きましたら、
いつも水のある場所は、だたっ広い砂浜になっていました。
遠浅の部分は、なくなっています。
風も強いですし、
人もあまりいないので、ちょっぴり心配になります。

一人、サーファーのお兄さんが、
上がって来ましたので、
聞いてみます。

すると、
ここは、サーフィンにはいいけれど、
海水浴には、向いていない、ということでした。
泳ぐ、というより、水につかる、くらいがいいでしょう、と
いうことでした。
それに、
今日は、風が、おか(陸)から来ていますから、
沖に流されるおそれがあります、
ですので、あちらの浜辺に行く方がいいですよ、と、
別な方面を教えてくれました。

それに、
今日は、「大潮」なんですよ、ということでした。
あぁ、大潮、という言葉。
大潮をねらって、
潮干狩りの日にちを、決めている父親のことを、
なつかしく、思い出してしまいます。




 


お兄さんは、もちろん、
フランス語で「大潮」と言ったのです。
その言い方は、直訳すると、
「大きな係数」です。
でも、私は、頭の中で、
それを「大潮」と言い換えては、
なつかしい、と感じます。

外国に住む、ということは、
こういうめんどくさいことを、
いつも、
頭の中でやってる、ということなのだ、と
あらためて、思います。
もし、このめんどくさい部分を節約できたら、
どのくらい私にはエネルギーが、
増えるだろう?などと、
計算をしたくなります。

でも、今になっては、
もう、どうにもできないことなのだ、と、
気がついて、
途中で、計算は、やめて、
外国のおもしろさの方に、目を向けることにします。

















夕方、街中の、
あるブティックから外へ出て、
夕日に照らされました。
すると、
緑と、青の、混ざったような色のトンボが、
私の服に、とまりそうになります。

それが、
着ていたサマードレスは、
そのトンボ君と、同じ色だったのです。
同じ色だから、
お母さんがいる、と思ったのか、と私は思いました。

それとも、
迷彩色で、カモフラージュしようと思ったのか。
いつまでも、
私にとりついて、
とまろうとして、
まるで、ペットのようでした。
ちょっと、かわいらしく思いました。

そのあと、
地べたに止まったので、
写真をとらせてもらいました。

























きょうも、ありがとうございました。

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2021年9月5日日曜日

コロナのおかげ、としか言いようがない


 とても久しぶりに、パリまで足をのばしました。

コロナのせいで、
ずっと、見送りにしていたのです。
最後に行ったのは、去年の2月。
やはり、コロナのせいで、
外国人ツーリストがいなくなって、
がらんがらんでした。

その後、ロックダウンなど、
いろいろなことが起こったのは、
ご存知の通り。

今では、パリに移動することは
できるのですが、どうしても、行く気になれませんでした。
レストランも、
カフェのテラスも、開いているのですが、
どうも、マスクを外すところには、
行く気がしません。

レストランやカフェに行かれないとなると、
パリの楽しみも、少し、減ります。

ですが、
今回は、用事がありましたので、
行きました。

















やはり、ちょっと、がらんがらんです。
今まで、どれだけ、
外国人ツーリストがたくさんいたか、ということに、
気がつきます。

その人たちが来ないことで、
困っている人は、たくさんあるのです。
けれども、
私は、自分も半ばツーリストのくせに、
人出が少なくて、いい!と思ってしまいます。

のんびり、
のんびり、歩けます。
ルーブル美術館にも、人が少ないこと。
集中して、作品に見入っている人ばかりです。
その、ゆったりしていること。


















私は、好きな作品のところで、
ゆっくり、
じろじろ見ます。


















ずいぶん時はたっているのに、
くだものの様子は、昔とあまり変わっていない、とか、
どれだけ時間をかけて、描いたのだろう、
その間に、
フルーツは、しぼんでしまわなかっただろうか、とか、
いろいろ、想像します。

描かれている家具の、
細かいところ、
カギ穴とか、錠のところ、
木が組み合わさったところ、などは、
今、うちにある家具と、同じ、と
これまた、感心してしまいます。
親しみを、持ってしまいます。
300年くらい昔の絵、なのですが。


 
















お昼には、ルーブルのスナックで、
これまた、久しぶりに、
jambon emmental (ハムチーズ)というサンドイッチを
食します。


ほんとうは、一番、いいと思うのは、
jambon beurre (ハムバター)という、
ベーシックなサンドイッチなのです。
でも、それが、なかった。
人気がないのかもしれません。

その、ハムチーズも、似たようにおいしいです。
フランスパンに、
バターたっぷり、
そして、ハム、チーズが、入っているのは、
実に、おいしいのです。
なんだか、栄養がかたよるような気がするので、
ふだんは、あまり食べませんが、
たまに、チャンスがあると、
飛びつきます。

あいかわらず、バターがたっぷり、
パンは、ほどよく硬くて、
香ばしくて、
パーフェクトです!
紅茶と一緒に、いただくと、
力も、もりもり出てきます。

























午後は、
どうしようかと考えましたが、
まだルーブルに残って、
やはり、彫刻のある、あの場所に行きたくなります。

その展示のしかたは、ステキです。
こうやって、
つつぬけの天井から、光をとって、
パシオにして、
彫刻を、置いたのは、いい考えだと思います。
光の具合が、とてもよくて、
それに、
いろいろな角度から、彫刻が見られます。

私は、
こういう彫刻ほど、わかりやすく、親切に表現されている
アートはないと思いながら、
のんびり、見て歩きます。
気に入れば、
もう、じろじろ見てしまいます。
上の写真は、キューピッドです。

チョウチョと、バラの花を、
くっつけています。
それを、じっくり見ていましたら、
そのあと、
あらま、ということに出会いましたので、
ちょっとおかしく思いました。




さて、
午後になっても、
あまり、人出はありません。
次の日は、学校がスタートする日でしたから、
きっと、お母さんたちは、
子供の靴を買ったり、
ランドセルの用意をするのに、忙しくて、
ミュゼには、来ないでしょう、と
考えていたのですが、それでも、
おじいちゃん、おばあちゃんに連れられて来ている、
小学低学年くらいの、ちびっ子は、けっこうありました。

それが、
お行儀が良くて、
興味深く、作品を楽しんでいる様子を見て、
また、その、話し方を聞いて、
とても活き活きしている子どもさんたちだなぁと、
思いました。




お手洗いでは、
ちょっと、うれしくなります。

理由は、
「このお手洗いの設備は、TOTO からの、メセナのおかげ」
と、すみっこに書いてあったからです。

メセナというのは、
アーチストには、とても大切な存在です。
芸術活動を助けてくれる人、お金を出してくれる人です。
それが、TOTO ということですから、
これは、
あの、お手洗いの瀬戸物の TOTO か、
ロックバンドの TOTO か、
そのどちらかな、と思いました。

でも、
ミュージシャンがメセナというのもおかしいですし、
ここは、お手洗いなのだから、
やはり、陶器の、あの TOTO だと思いました。
そのロゴは、
小さい時から、毎日なんべんも、なんべんも、見てきたのです。
学校でも、
家でも、
TOTO という文字を見て、育ちました。
ですので、
もう、私の体の一部になっているくらいです。

それを、
パリのルーブル美術館で見つけたことは、
なんとも、
うれしいことでした。


さて、
もう、お腹いっぱい、というくらい、
美しいもの、
感動するものばかり、見せてもらいました。
外に出ました。

すると、
あまり、よく目につかないところに、
こんなポスターがありました。

「細かいところで、
ゆっくり時間をとってはいかが」と書いてあります。
そして、写真は、
さっき、じろじろ見ていた、
キューピッドのチョウチョと、バラの花です!

そして、
ルーブルに行きたい気分?
だったら、今が、チャンス
みたいなことが書いてあります。

ははーん、
それは、人出が出ていないから、
そういう宣伝をしているのだなとわかります。

ロックダウンの間、
中の整備をしたり、
改装したりしたのです。
そして今、あまり人出が出ていません。
もっと来て、という気持ちなのかもしれません。




さて、
家にあった、メトロのチケットは、
全部、ダメになっていました。
長いこと、使わなかったせいか、
磁気が、とれてしまって、使い物になりませんでした。
それは、いつか、とりかえてもらうことにして、
きょうは、もっぱら、歩くことにしました。

パリは、大きな都市、とは言っても、
東京と比べたら、小さいのです。
歩こうと思えば、どこでも、足で行けます。

それにしても、
お昼のサンドイッチだけでは、お腹も足りなくなって来たので、
アイスクリームをさがします。
そして公園で、一休み。
マスクをはずしての、
アイスクリームの、おいしいこと!



そして、
用事もすませて、
街をぶらぶら歩いて、
ショッピング、
そして、
40年前、
初めてパリに足を下ろした時に、
泊めてもらったアパルトマンの前に立って、
これまた、じろじろ見ました。

私も、パリの街も、
ちょっと変わったと思いました。
でも、
変わらない部分も、ずいぶんある、と
思いました。

いいパリ散歩でした。





きょうも、来てくださって、
どうもありがとうございました。






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