2022年3月22日火曜日

何もしてやれない、っていうのは

日本には、
中国から黄河の砂がやってきたということです。
ここロワール地方には、
サハラ砂漠の砂がやってきました。
それが、ちょうど同じ時にやってきたのだから、
不思議です。

遠い昔、東京で、
黄砂がやってきたのを見たことがあります。
空がうす茶色になって、
屋根に少し砂がたまりました。
ですが、
今回、ここでは、
まるで、ドロ水が降ったみたいでした。

車も、
屋根も、
道路も、
草木も、
みんな、
土木工事のブルドーザーのように、
泥をかぶって、きたなくなっています。

それが3日間くらい続いたのです。
私は、植木に水をかけて、一生懸命洗っていますが、
葉っぱについたドロは、
まだまだ、とれていません。




 











なかなか旅のできないこの頃ですから、
サハラの砂が、勝手にやってきたのを、
ちょっと、アフリカに旅した気持ちになります。

街にとめてある、きたない車には、
指で、落書きをされているのが、いくつもあります。
その内容は、
ちょっと意味のわからないものが多いです。

さて、このサハラの砂。
これは、ヨーロッパのどのあたりまで
飛んで行ったのでしょう。
少なくとも、
フランスの北でも、そういう話ですし、
スイスのスキー場でも、
「雪がピンク色になってキレイです」ということです。

この砂がピンク色に見えるとは。
ちょっと、オーバーにキレイに言っているような
気がします。

ピンクといえば、、。




 

































このドロ水が降る前に咲いた花は、
かわいそうです。
そのあとに咲いた花は、
見事に、よごれもなく、キレイです。

また、春がやってきて、
また、桜の花が咲きました。
ここロワール地方は、
日本より、涼しい土地のはずなのに、
日本より早めに咲いたのは、これまた不思議です。

そして、
もう一つ不思議なのは、
今年の色は、うすいピンクだということです。
去年、おととし、
ロックダウンの中、咲いた桜は、
とても色の濃いピンクだったのです。

それが、
今年は、まるで、間のびしたような、
ぼやっとしたピンク色。
これはこれで、「霞か雲か」という美しさかもしれません。
でも、私には、
もう少し、おいしそうな、
濃いピンクの方がよく思えます。

















散歩していても、
私は、食べることをよく思いつきます。
桜の色を見れば、桜餅
柳の木が、少し芽を吹いて、
ぼやっと黄緑になっていれば、
うぐいす色の、練り切り

そんな色のもち菓子をを、頭の中で、
黒い、漆のお重箱に、詰めていきます。
ロワール川の水辺に、アヤメの葉っぱが、
シュウシュウと出てきているのを見て、
これまた、お重箱に、詰めます。
こういうもち菓子があっても、いい、と思ってしまいます。

















話は変わります。
きのうは、ヒップホップダンス(ハウス)の、レッスン日でした。
いつもの先生が、用事でお留守だったので、
妹さんが、代わりに来てくれました。
彼女もまた、ステキなダンサーなのですが、
その、エネルギッシュなこと!

また、ちがったスタイルで、
元気一杯でした。
どこが、ちがうのかと言いますと。

うーん、
こういうことに感心してもいいのかどうか、
表現に困りますが、
彼女は、オーバーウエイトなのです。
どうやったら、あの大きな体が、
こんなに軽々動くのか、と、おもしろいくらいです。
もう、体が柔らかくて、
そして、キビキビ動く、その様は、見ていて、
楽しいのです。

まるで、プリンか、お餅がぷよぷよ、
動いているみたいです。
でも、ぶよぶよではない。
ものすごいバネが入っているのです。

そして、話す声は、高く、澄んでいるのです。
そのいい声で、いろいろ励ましてくれます。
また、
すぐ、パンパン、と手を叩いて、
リズムに、カツを入れてくれます。

私たちが練習していると、
彼女は、脇で、
一人で、好きに動いているのが見えます。
その踊り方と言ったら、
テンポが速くて、
すごいエネルギーの表現力です!
楽しいのなんのって。

2時間のレッスンが、
あっという間に過ぎてしまいました。
















話は、また変わります。
どこへ行っても、おしゃべりをしているときは、
いくらウイルスのグチをこぼしても、
ウクライナの話はしません。
ですが、
やはり、皆さんの心の中では、
ずいぶん気にしているように思えます。

話を避けているから、
私には、そう思えるのです。
とてもかわいそうなことが、すぐそばで起こっているとき、
でも、
何も、してやれないとき。
そんな時には、かわいそうな、当の本人より、
隣にいる人の方が、さらにストレスがかかっている、と
聞いたことがあります。


どこまで、今回のことに、
このことが当てはまるのか、よくわかりませんが、
やっぱり、心が重いのは、確かです。
何もしてやれない、っていうのは、
つらいです。
そして、呑気に、のほほんとしていられる自分を、
申し訳なく思ったりします。


















春になったロワール地方から、
いろんな祈りをこめて。

きょうも、ありがとうございました。


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2022年3月15日火曜日

ガチョウの卵を、食べたことありますか

ここロワール地方には、春が来ているようです。
いろいろな花が咲き始めています。
とはいうものの、朝早くには、屋根はまっ白。
霜が降りているのです。

朝市に行くと、
同じように見えても、
ちょっと変化があります。
たとえば、菜の花のような菜っ葉も、
売られています。

イチゴも、
白いアスパラガスも、ほんのちょっぴり、
出て来ました。
でも、まだまだ、走りです。
もう少し待ってから、買います。

先日の朝市では、
菜の花っぽい菜っ葉と、
そら豆と、
ガチョウの卵を買いました。

ガチョウの卵は、
とても珍しいです。
買ったのはこれで2度目です。
その大きなこと!

割ったら、
中から怪獣の赤ちゃんが出てきそうです。






 







市を出している農家の人に、
「きょうは、日曜日だから、
夕ご飯は、オムレツなんです」と言います。
フランス人の、日曜の夕飯は、
ランチがにぎやかだったからなのか、
夕ご飯は、シンプルになります。
一昔前のフランスでは、
オムレツ、と決めている人が多かったです。

なるほど、日曜日のオムレツね、
ガチョウの卵なら、一人1個くらいでいいでしょう、ということです。

その日の晩、さっそく、卵を割ります。
大きな黄身!
そして、
ちょっと、まだ生っぽいところのあるオムレツにします。
できたてを、すぐにいただく。
コクがあって、おいしいです。
サンショをふりかけて、食します。よく合います!

それが、
いくら食べても、食べても、
まだまだ、あるのです。
一個で、ふつうの卵の3個ぶんくらいは、ありそうです。
栄養、たっぷりそうです。

分けてあげたいなぁと、思う人は、
たくさんいるのですが、
どうやって分けて差し上げられるのか。。
















話は、変わります。
先日、また「外に閉じ込められ」ました。
カギを持たずに、外へ出たので、
自分の家に入れなくなりました。

それを、「外へ閉じ込められる」という言い方をするのです。
そして、私には、それが初めてではない。
これまで、何度も、そういうことがありました。
また、それをやらかしたのです。
もう、自分にげんなりします。

以前は、
ちょっとしたお年寄りのところに、
合いカギを預けてありました。
「こんちわ〜」と、かけつければ、
なんとかなっていたのです。
でも、もう、そういうお年寄りたちも天国へ行ってしまいました。

つまり、
お年寄りは、私の世代になってしまいました。
ですが、このお年寄り世代は、まだ活躍中なのです。
ですから、色々な人にカギは預けてあるのですが、
その人たちは、日中は、お留守なのです。
大事なカギは、
そのお家の、家具の上のかざりの、壺かなにかの中で、
ゆうゆうと、眠っているのです。

そのために、
私は、4時間くらい、
街をうろうろしなくてはなりませんでした。
幸い、ある場所に、ゆっくりさせてもらえたのと、
ジーンズのまま、スポーツに行けたのは、
よかったです。
これで、大事なボディジャムにも行けたのですが、
もう、これで、こりごり、と思いました。

























しばらくして、隣の人が帰ってきて、
「な〜んだ、それだったら、電話してくれたらいいのに」と
言ってくれました。
でも、スマホも、家の中に閉じ込められていたのです。

ボディジャムの仲間が、
「合いカギ、預かるよ」とも言ってくれました。
ありがとう、そうさせてもらいます。

そして、
「どこか、秘密の場所に隠す、というのは?」
という人も、ありました。
私も、そうも考えているのです。
一つ、アイデアがあったのです。
実は、実行しよう、実行しよう、と思っていたのに、
何もしないで、ここまできてしまったのです。

どうするか、は、秘密ですが、
それを、私は、やっと実行しました。
もう、これで、大丈夫、と思います。
もう、読者の皆さんは、2度と、
外へ閉じ込められる、というブログ記事を、
読まれることはないと思います。

















お向かいのモクレンの花が、咲きました。
このアングルの、お花の写真は、
なんども、なんども、このブログに載せています。
毎度おなじみで、申し訳ない気持ちもあります。
でも、
平凡に、また、繰り返しやってくる春を見られるのは、
これも、
かなり、いいことなのではないか、とも思います。

色々な祈りを込めて。

きょうも、どうもありがとうございました。




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2022年3月9日水曜日

ここロワール地方は、平和です


ウクライナの状況が、早く良くなれば、と
思いながら、もうしばらくの時間がたっています。
グッドニュースは来ないか、と
私は、いつもより、しばしば、ネットニュースを開けてしまいます。

グッドニュースというのは、
まぁ、プリン大統領の気が変わる、とか、
あまり、ありえそうにないことです。

それにしても、
あんなことをするプッチンプリンさんには、
それなりの理由があるのかもしれません。
私の意見では、
幸せで、満足している人は、
あまりそういうことをしない、ということです。

という目で見ると、
それでは、
欧米がそろって「お仕置き」をするというのは、
あまり効果がないようにも思えます。
エスカレートしないように、と
フランスのマクロン大統領は、
これまでに何度もプリン氏に話しかけをしてきました。

ですが、
エスカレートを防ぐ、を目指すのでしたら、
「お仕置き」は、あまりうまくいかないように思います。
では、
どうしたらいいのか???

かなしいかな、
私には、わかりません。
(でも、その一方で、思うのです。
だれか、やさしく話しかけてやれたらいいのかもしれない、なんて
思います。
そして、話を聞いてみる?
そううまくいくはずはない?!)
















ここロワール地方は、春の花が咲いて、
いたって平和です。
バクダンの音もしません。
それでも、
ニュースは伝わっていて、
また、地続きでもありますから、
心配そうな雰囲気もあります。

一時は、核の一大事が起こったら、と
考えて、前もって薬を探す人もありました。

そして、フランスには、
ウクライナの人たちが来るだろうと、
準備を始めています。
私も、とっさに、勤め先には、
じき、ウクライナの人たちが入学して来るだろう、と
思ったりしました。
ピアノが好きそう、などとも思いました。

私のまわりにも、あぁ、あの人なら、
きっと、家に招くだろう、と思われる家庭がいくつか。

我が家だって、娘たちが巣立った今、
受け入れるスペースは、あります。
できたら、来て欲しいとも思うのです。
ですが、つききりでお手伝いできる時間は、
ないかもしれません。
ですから、当面は、モノで、お手伝いします。

あすは、買い出しに行って、
医療品や、石鹸、赤ちゃんミルク、
おむつなどを、届けに行きます。
すると、ポーランドまでトラックで運んでくれる
ようです。

















しばらく前に、
私は、腰が痛くなって、足がうまく使えなくて、
ダンスを休まなくてはなりませんでした。
そのあと、元に戻って、
スタスタと歩けるようになった時。
「ただふつう」という気持ちぐらいにしかならなかったです。

けれど今回ばかりは、
本当に、平和が、どんなにいいことか、
よくわかります。
朝起きて、温かいお茶を入れられること。
ふんだんにお水が飲めること。
パンは、いくらでも手に入ること。
今まで「ふつう」だったことを、
今では、すばらしいと思っています。

そして、思います。
ウクライナの大統領は、ものすごい勇気を持って、
レジスタンスをつかさどっています。
すごいヒーローです。
ですが、
いつまで、お水や食べ物が足りるのか、毎日気になります。
もう、それは、大河ドラマと同じような、
すざましさです。

でも、それは、
ドラマではなくて、テレビを消したあとも、
その心配は、続きます。

































































それでも、春は来ています。
どうぞ、みなさん、お元気で、春を味わってください。

また、
もし、何かしたいという思いをお持ちの方がありましたら、
参考までに。


*ウクライナ大使館
*国際赤十字、など。

きょうも、ありがとうございました。


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