2020年12月31日木曜日

あっさりしたものが欲しくなる


これは、ケーキではありません。わかる方も多いでしょう。

年も、ずいぶん暮れてきました。
大みそかは、戒厳令がおりたまま、ということですので、
みなさんパーティなど、あまり、しないのかと思っていました。
ところが、
市場へいくと、なんのその。
いつもの年と同じように、
みなさん、ごちそうの材料を、せっせと買い込んでいます。

お花とか、
プレゼントらしきものも、かかえているのが見えますから、
やはり、
人の集まりが、ありそうな予感です。

さて、
私は、あるものをとりに、
市場へ行きました。
注文しておいた、チーズです。
これは、イタリアのyさんのブログを拝見していて、
あ、そうだ、と
つい、欲しくなったものです。

彼女は、イタリアにいながら、
パリから取り寄せたものを買っているそうです。
私は、フランスにいながら、フランス産の、
こんなおいしいものを、食べずにいるなんて、
と、
ちょっとあわてて、買いに行きましたところ、
クリスマスのあとのせいか、品切れでした。

また、作りますから、ということでした。
それで、約束のきょう、行ってきました。
それが、
上の写真の「トリュフ入り、ブリー」です。

たしか、クリームも入っていて、
おいしいのです。
あした、
おごそかに、いただくことにします。
ボローニャのyさんと一緒に、
いただいている気持ちになるかもしれません。



 












 

そして、毎年のことですが、
ヤドリギを、とりに行きました。
家の中にこれをつるして、
その下で、キスをするのが、フランスの、
新年を迎える儀式です。

けさ、
朝市で、ジプシーの人が、いくつか、
地べたで、ヤドリギを売っていました。
いくらか、聞いてみると、
どうも高すぎます。
当然です。
値札がまだ出ていないのに、値段を聞いちゃったのです。
そうしたら、
高値をつけられるに決まってます。

うーん、と
しぶって、しばらくのらりくらりしていましたが、
ぜんぜん、展開がありません。
しかたないので、
では、また、あとで来ますね、と
引き返しました。

それを見ていた夫が、
きょうは、天気が良くなってきたから、
田舎へ車を走らせて、
ヤドリギ狩りをする、と言いだしました。
そうしよう、ということになりました。
















というわけで、
いつもの場所に、車を走らせて、
泥んこの中を、ゴム長靴で、ベコベコ歩いて、
いい形のを、選びました。

下から見ると、小さく見えますが、
実は、とても大きいのです。
車に入らないかもしれない、くらいです。
一つ、手ごろなのを見つけて、
のこぎりで、切りました。

無事、ヤドリギが、取れました。
これで、
新年を迎えられます。

あしたは、年越しそば。
気が向いたら、天ぷらを揚げるかもしれません。
毎日、毎日、
いただきものの、甘いものや、
アルザスのクグロフ、
イタリアのパンドーロ、というような、
ブリオッシュの上等品を、食後につまんでいるのです。
もう、お腹も、よくなって来ます。
さっぱり、あっさりしたものが、いい、と
思ったりします。
















こんな不幸な年の、年の瀬に、
それでも、元気で、ごちそうがいただけるのは、
本当に、ありがたいと思いました。

近くの教会のわきには、
カゴがいくつか並んでいて、
お菓子を入れたり、野菜を入れられるように、
なっていました。
好きな人がいれて、
とりたい人が、とる、というカゴでした。

ニンジンやセロリが、いくつも、残っていました。
お菓子は、飛ぶように、なくなっていました。

















みなさん、元気で年の暮れを、おすごしください。
きょうも、読んでくださって、ありがとうございました。




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2020年12月25日金曜日

「6人以上ではなかった人々」

フランスのノエル(クリスマス)は、クリスチャンのお祝いですが、
今では、
私にとっては、お正月のかわりのようなものです。

遠い昔、遠い日本の、
昭和時代には、
クリスマスのお祝いをしていました。
プレゼント交換もしていました。

クリスマス会というのも、よくありました。
お習字の塾で、
プレゼント交換というのをやっていました。
100円くらいのプレゼントを、
綺麗な包みに入れて、交換するのです。
その楽しみは、
今でも、よく覚えています。

今でも、そういうことはあるのかどうだか、
よく知りませんが、
なんとなく、ないような気もします。

家では、
クリスマスのことなど、
あまりマジメに考えていなかった父も、
ちゃんと、プレゼントには、
ひとことカードをつけてくれて、
「サンタより」と、書いてくれました。

枕元に、くつ下や、タイツを置いて、
お布団に入ると、
次の朝には、
プレゼントが、いっぱい、つまっていました。

そういう幸せな思い出が、
いくつもありますから、
クリスチャンでなくても、
いまだに、クリスマス祝いをしてしまいます。



 












今は、フランスのわが家で、ささやかなお祝いをします。
プレゼント交換もします。
今年も、
こうして一緒にお祝いができてよかった、と
それが、1番のプレゼントに思われます。

ひょっとすると、
ウイルスのせいで、国内を移動できなくなるかもしれない、と
思った時期もありました。
家族で集まれないかもしれない、と
半ばあきらめても、いました。

でも、政府は、フランス国民に、そこまで
きびしくしませんでした。
「行きは良い良い」です、 
あとが、ちょっぴり心配ですが、
ともかくは、
ノエルを一緒にすごせて、よかった。

うちでは、
家の中でも、マスクをつけて、しゃべります。
食事の時は、とっても距離を置いて、
はなれて、
気をつけて、おしゃべりします。
なんだか、いつもと違いますが、
これも、また、新鮮です。
距離を置いて、おしゃべりすると、
ちょっと、一時帰省の娘たちも、一段と、
大人になったような、
そんな感じです。
















ここ数年で、私のまわりでは、
ずいぶんの人が、旅たって行かれました。
一人暮らしの人も、
増えてきています。

フランスでは、今年は、
ノエルには、6人以上集まらないように、という
おふれ(?)が出ました。

でも、そんな心配のいらない、
一人の人もいるかもしれない、と
気になってしまいます。
そして、いつかは、私も?と、
他人ごとではない気もしてきます。
そんなことを思っていましたら、

カステックス首相が、
「6人ではなかった人々」のことを、
気にかけたメッセージを、出しました。
一人きりの方たちのこと、
それは、ウイルスのせいで、隔離された人や、
お年寄り、とか、
どこかで、はなれて仕事をしている人々や、
もともと、一人暮らしの方かもしれませんが、

ともかく、
その人たちを思いやって、
そして、
その方たちを見舞う人たちのことも考えて、
首相がメッセージを送りましたので、
あぁ、よかった、
いくら一人でも、一人の人がみんな、
せめて心でつながっていられれば、と、
少しホッとしました。

























近くの教会では、
スピーカーで、外にまで聞こえるようにして、
ノエルのミサを行なっていました。
教会でも、人数制限がありますので、
入りたくても入れない人がいるのだな、と
思いました。

私も、たまに、
ノエルのミサに行きますが、
今年は、そのスピーカーの音を聞きました。
食事の準備で外へ出るたび、
ミサの声が聞こえました。

そして、今年もまた、
ノエルのごちそうを、準備できるのは、
幸せだと思いました。

年を重ねれば、重ねるほど、
そんな風に思うような気もします。
もしかすると、
この先、毎日がノエルのように、
ふつうのことが、
うれしいことと感じられるのかもしれません。

だとしたら、
それも、またまたいいことだと思いながら、
忙しく、行ったり来たり、
ごちそうの準備をしました。


 




















きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。





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2020年12月21日月曜日

もみの木、ぎりぎりセーフ

きのうは、ノエル(クリスマス)前の、最後の土曜日でした。

もみの木は、もう、
ずいぶん前から、売られているというのに、
行くタイミングが合わなくて、
ちっともいけませんでした。

水曜日と、土曜日に立つ花市で、買うのが、
いつもの習慣なのですが。
それで、
きょうこそは、と、
もみの木の台を持って、花市に出かけました。

木の大きさによって、
取り付ける台の大きさも違います。
でも、それを持っていけば、
毎回、合うのと取り替えてくれます。

ところが!

市には、もみの木屋さんが、いない。
先々週には、いたのに。
それに、ウイルスのせいか、
あまり、売る人もいません。

えええっ!
もみの木のない、ノエルなんて!

そして、
なんだか昔のコマーシャルのセリフが、
頭の中をぐるぐるし始めます。

私は、クリスチャンではありませんが、
ノエルは、
どうしても祝いたいと思ってしまいます。
もしかすると、
これは、日本のお正月を祝えない私の、
代わり、かもしれません。
ですから、
どうしても、もみの木をゲットせねば。




 











でも、ごらんのように、
木は、別のお店で、手に入れることができました。
夫が、仕事帰りにあわてて買ってくれました。
それが、
最後の、一つ、だったそうです。
ぎりぎりセーフだったのです。

あぁ、よかった。
これから、ゆっくり、飾り付けをします。
















今年は、あまり、人を呼べませんが、
しかたありません。
身内で、マスクをして、
換気をしながらの、
ちょっと変わったノエルになりそうです。

ご存知かもしれませんが、
フランス国の大統領は、
とうとうウイルスにかかってしまいました。
あらら、と、
思ってしまいます。

邸宅の中から、
スマートフォンで、自撮りをしている大統領。
「みなさん、気をつけてくださいね。
僕も、気をつけていたのに、
かかってしまった。
もしかすると、ちょっと気が緩んでたのかもしれない。
それと、
運がちょっと、ワルかったのかもしれない」

と、
いつもより、
ゆっくりと、そして、
ふつうの人のように、しゃべっていました。
若い大統領です。
きっと、元気を取りもどして、
復帰されるでしょう。

























そういえば、
政府のみなさんも、もう、
くたびれ果てているのではないか、と
思っていたところです。

この、ウイルス問題は、
ただ、それだけでもむずかしいのに、
ほかにも、いろいろなことがあります。

先日も、
音楽院が12月に再開するか、について、
木曜日の朝には、「ノン」でしたのに、
次の火曜日には、「ウイ」となりました。
同じ大臣が、
数日で、決めたことを、ひるがえす、
なんていうのは、
めずらしいことです。

学校がわでは、そうすばやく、
方針を変えることができませんでしたので、
再開はできませんでした。
オンラインで続けました。

そうそう、そして、
それに、輪をかけるように、
同時に別の大臣が、
「学校には、行かない方が良い。
生徒たちは、家に残っているのが望ましい」と発表したのです。

え?
音楽院は、再開となって、
ですが、
ふつうの学校は、行かない方がいいですって?

ちょっと、ふつうでは、
こういうことは、起こりません。
ずいぶん混乱している様子です。
大臣の方々だって、
もう、くたびれ果てているのでは、と
思います。


























私は、きのう、クリスマスショッピングを、
終えました。
毎年毎年、
こうやって年を重ねていますと、
もう、クリスマスにプレゼントなんて、
何も必要ないのでは、と思ったりもします。

それでも、
いつも、やっぱり、欲しくなるものが
出てきます。
おねだりのリストも、来ます。
やはり、ショッピングに時間をかけます。

今年、私が、サンタクロースにお願いしたのは、

いつものリュックサックの色違いです。
それから、
もう一つ、ちょっと変わった手さげバッグです。
コンテナを運ぶトラックについている、
保護シートをリサイクルして作ったバッグ。
また、いつか、
お話しするときが、あるかもしれません。

きょうも、
読んでくださって、どうもありがとうございました。






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2020年12月17日木曜日

ダマす気は、なかったのですが

きのうは、午後中の仕事を終えて、外へ出ました。

リモートの仕事は、座ってばかりです。
じっと、パソコンを見つめていることが多いです。
ですから、気分転換に、
なんでもいいから、逆のことをしたくなります。
外へ出て、ウインドーをながめる、とか。

あ、あれを見にいこう、と
すぐにアイディアが、わいてきます。
近くの、古本屋さんに、
古道具が積んであります。
あそこに、入ってみよう。

古道具とは言っても、
小さな花びんとか、
ロウソク立てとか、
フタ付きの、瀬戸の小物入れ、とか、
たまに、ティーポットやカップなど、
小さなものばかり。

それが、
小さな棚に、ぎゅうぎゅうに、
あふれています。
ますます、見たくなります。






 


















と、そんなことを考えながら、
仕事を終えて、
夕方の街を、小走りに、その小さなお店へ。

しばらく、外からジロジロとながめて、
中へ入って、またジロジロ。

そして、
おじさんに、
これとこれとこれを見せてください、と
お願いします。

























ふつうの、おじさんです。
文学少年が、そのままおじさんになったような、
どちらかというと、やせた感じの方です。

「こんなのも、あった。
ムラノのガラスで、どうのこうの、
でも、仕入れられなかった」
とか、
いろいろ、お話ししてくれます。

そして、
「あぁ、そうなんですね、
あなたは、ソリフロールをお探しなんですね」

ええっ?

ソリフロール?
ああ、意味はわかります。
ソロ + フロール(花)で、
「一輪ざし」ですね。
でも、そんな言葉を聞いたのは、
久しぶり。
人生で、2度くらいしか、聞いたことない言葉です。

その、ふつうのおじさん(ごめんなさい)の口から、
そんな言葉が出てきて、
似合わないような気がしてしまいます。
思わず、顔を、もう一度見てしまいます。

あぁ、そうだ、
古本屋さんは、物知りの人が多いのだっけ、
ということを、思い出します。
もう、ずいぶん前から、
古本屋さんは、
この街には、もう、なくなっていたのです。
ゼロのゼロです。

それが、不思議なことに、
つい最近、また、この小さなお店ができたのです。

私は、ソリフロールを3っつ。
それから、おまけで、小さな銀のコーヒーポットを選びました。
それが、どれも、
駄菓子屋さんでお菓子を買うような、
そんな気軽さの、値段でした。
新聞紙にくるんでもらって、
大事に持って、帰りました。

さて、
家へ帰って、あんまり、
その小さなコーヒーポットが素敵だったので、
写真に撮って、家族のメンバーに、見て見て、と
スマホで送りました。




















ところが、
いざ、写真に撮ってみると、
ものすごく、本物のポットに見えてしまいます。
実は、消しゴムより小さいのですが。

まぁ、テーブルの木のサイズを見れば、
小さいということが、わかるはずです。
と、そのまま写真を送りますと。

案の定、
「まぁ、素敵!」
「大好き!」
「昔、うちにあったのと似てる」
というような反応が、かえってきます。

違うの違うの、小さいのよ。
ミニチュアよ。
カード立てなのよ。
と、
あわてて、名刺のようなカードを立てて、
写真を、ふたたび送ります。

そして、
あとで、
夫が家へ帰ってきて、言います。

「いいな、こんなポットで日曜日のコーヒーを飲めたら、
と、思った」
ということです。
同時に
「ずいぶん思い切った買い物をしたな、と、思った」と言います。

私は、
ダマしてしまって、ごめんなさいね、という気持ちと、
同時に、
なんだか、ユカイな気持ちになります。
ダマすのに成功、という気持ちです。
はじめは、そんな気はなかったのですが。
手品に成功したような気分になってしまいます。
みなさん、見事にトリックに引っかかってしまいましたね!

そして、
ね、やっぱり、ステキでしょ?
おままごとみたいでも、
ステキでしょう?
ホントに、銀製なのよ。
さっき、薬をつけて、
一生懸命みがいたら、
ピカピカになったのよ。

それに、
この次のクリスマスには、
そういうポット、
本当にコーヒーを入れられるポットを、
プレゼントの候補にしよう、と、
思います。

ほぼ確実に、喜ばれそうです。















さて、フランスは、
一応、証明書なしで外を歩くことができるようになりました。
ただし、夜は、8時には、戒厳令です。

それまでの時間、
みなさん、
はりきって、クリスマスのショッピングを
しているようです。

いいクリスマスになりますように。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。







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2020年12月13日日曜日

カルチャーは、ちょっと危ない


 先週の木曜日には、夕方に、
カステックス首相の発表がありました。

12月半ばに予定されていた、ロックダウン解除ステップ1を
どうするか、ということです。

おもに、私は、クリスマスやお正月に、
家族の人が、フランス国内を移動できるのか、ということと、
音楽院は、再開できるのかどうか、に、
興味がありました。

フランスのウイルス状況は、
今、あまり良くなっていません。

発表結果は、

*国内を移動することはできますが、
*夜8時には、戒厳令。
*クリスマスの日だけは、解除されますが、
*おおみそかの日は、家におこもり。

そして、
*音楽院は、まだまだ開けることはできず、
リモートで、レッスンということです。
シネマ、コンサート、ミュゼも、閉まったまま。

私としては、
クリスマスを祝うことができそうなので、
うれしいニュースでした。

















問題は、
音楽会、シネマ、シアター関係です。
この分野の人は、もう、アウトです。
ダンスも、できません。

ただでも、カルチャーの分野の人は、
生きるのに精一杯の人が多いです。
国から援助はでますが、
どの程度か、と言いますと、
これは、人によって、かなりきびしそうです。

思い切って、
何か別なことにのりかえるのがいいのかもしれません。

そういえば、
フランスの、有名な映画監督の人が、
映画館など、別に閉まっていてもいい、
みんな、家で映画を見られるのだし、
本を読めるのだから。
映画界も、変化しているのだ、
変化についていくべきだ、
というようなことを言っていました。

それより、
外へ出ると、映画よりも、もっと
興味深いことがおこっている、
それは、マスクをしている人たちがいる風景だ、と
いうことです。

確かにそのとおりです!
同感です。

フランス人が、みんなマスクをしている。
ちゅ、ちゅという挨拶のキスも、しなくなったし、
握手も見られないです。
その方が、よっぽど、奇妙です。
現実は、小説より奇なりです。


















なんでも、変わっていく、というのは、
悲しいことです。
でも、
また、新しいことがある、とも思います。

毎回、散歩といえば、
ロワール川そいを歩くのですが、
ちょっと、あきあきしてきましたので、
先日は、方向を変えて、
植物園の方にしました。

まだまだ、歩いている人は少ないです。
それに、天気もぐずついて、
初霜もおりました。
そのせいか、植物園には、人がほとんどいませんでした。

医科、薬科大学のとなりにある、この植物園は、
薬草園でもあります。
歩いていると、
2年前だったか、
東京、小石川の、
やはり薬草園で歩いた、その景色と、
おんなじ風景、だと思ってしまいます。
小石川でもやはり、
大学が、となりにあります。
大学付属の薬草園です。

自分が、どこにいるのだか、
よくわからなくなります。
















ヘイのそばには、
椿の種類がたくさんあります。
これも、小石川と、そっくりです。
椿と、サザンカ、とは、どうちがうのか?
私にとっては、同じなのですが、

椿は、カメリアジャポニカ、と書かれていて、
サザンカは、sasanquaと、書かれています。
うわあっ!「サザンくゎ」だ、とびっくりします。

それに、
ひりゅう、と書いてありますが、
これは、一体、どういう漢字なのでしょう。
飛ぶ、龍?
こんなにシンプルなお花が、と不思議に思います。

飛龍、
火竜、
飛流、、、

(否竜?)

















久しぶりに、ちがう方向に歩いていきました。
植物園なんて。

でも、考えますと、
実は、
これは、ダンススクールの練習場の方向なのです。
心のすみでは、
早く、ダンスに戻りたい、という気持ちで、
足がそっちへ向いていったのかもしれません。
それは、自分でも、よくわかりませんが、

ダンスレッスンに行けるようになるのは、
まだまだ、このずっと先。

まずは、ロックダウン解除の、第2段階で、
音楽院やシネマが、再開すること。
まだ数週間かかりそうです。

次に、最終段階で、
レストランや、バー、
そして、
スポーツクラブや、
ダンススクールも再開できるようになること。
これは、一体、いつになるのでしょう。

早く、
そんな日が、来ますように。




















きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。


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2020年12月8日火曜日

みごとに、失敗

先日、電子ピアノを買いました。
というと、私のことを知っている人たちは、
イスからころげ落ちるほど、びっくりします。が、
ともかく、買ったのです。

昔、モーツァルトや、リストは、小型のピアノを持って
演奏旅行をしていたそうです。
それと同じで、
私も旅行の時には、持ち歩きたいと思いましたので、
小型の、軽いピアノを買いました。

それが、
どういうケースに入れるか、が問題です。
飛行機に乗る時は、
かなり、ざっくばらんに扱われますから、
できれば、機内に持っていきたいのです。
でも、長さが、アウト。

では、どうやってトランクに詰めるか。
長くて、ソフトなトランクを出してきて、
いっしょうけんめい、入れようとしましたころ。

斜めに入れれば、なんとか入りそうです!
それなら、
工夫して、木で、保護を作って、
トランクに入れる。
まわりには、洋服などをつめれば、
なんとかなりそうです!

というわけで、
長さを測って、
いろいろ考えて、
遠くのお店まで行って、
木を切って、
ヤスリでこすって、
組み立てて、、、と、
完成したのはいいのですが。
















どこで、どうまちがえたのか、
でき上がった、そのものは、
肝心の、ソフトトランクに、入らないのです!

どうやっても、ダメです。

ヤスリでよくこすったので、すべすべの、木の肌。
松の木の、いい香り。
角も削ったので、どこをさわっても、やさしい感じがする、
自分では、気に入ったものなのですが。

ちっとも用をなしません。

ある人が、
低いテーブルにしたら、と言ってくれましたので、
足を持ってきて、試してみます。
なんだか、いまいちです。

ノリがまだ乾いていないのに、
もう、暖炉にくべるしかないのだろうか、と
悲しくなります。

それに、フランスでは、
「松の木の香りがする」という表現は、
「お迎えが近い」という意味なのです。
棺が、松の木で作られていたから、
その準備をしている、ということらしいです。
そんなことが、頭の中を、よぎります。

すると、
だんだん、自分の作品が、
日本の「お棺」のようにも、見えてきます。
















これを、どうリサイクルするかは、
まだ、決まっていないのですが、
でも、一つ、
おもしろいことがおこったこともあります。

私は、フランスにいるため、
日本のお葬儀には、あまり行けません。
ごく近い人の時だけ、行きます。

おじいちゃんのも、
おばあちゃんのも、実は、行っていないのです。
ですが、
このミニ棺(?)を見ていると、
なんだか、同席できなかった人たちのことが、
思い出されてきます。

こちらの棺は、ドラキュラに出てくるような、
あんな感じです。
そうでなくて、白木の、長方形の、日本のが思い出されてきます。
今まで行けなかったお葬儀に、
出席できたような、そんな気落ちになります。

その失敗作を前に、すわって、
今はいない人たちと、
話しをしました。
なんだか、思いがけない、時間でした。

















ところで、フランスでは、
今、ヴァンデ・グローブという、ものすごく無茶なスポーツが、
進行中です。
ヨットで、世界一周する、という企画。
ヨットで、一人で、
むずかしい「ケープ」(岬)を乗り越えるのです。

むずかしいケープは、
アフリカの最南端と、
アメリカの最南端です。
船乗りが自慢するときは、

自分は、一生にどれだけそのケープを通過したか、ということを、
自慢する、くらい、
それほど危険なところです。
そこを、素手で(風だけで)、一人で、越えるのですから、
かなりの無茶です。

それが、
数日前、船がこわれて海に落ちた人がいます。
無事、助けられたのですが、
その動画をみて、びっくり、感激します。
あの荒海に、暗い夜も、一人。
仲間(競争相手なのですが)に助けてもらって、
これまた、感動ものです。
毎回、こういうことが起こります。

一体なんで、まぁ、こういうことをするのだろう、と
思います。
私は、船が好きなので、よく、このニュースを見ます。
夜、ぷよぷよと、大海に浮かんでいる、というのは、
ずいぶん恐ろしいことなのですが、
すごい勇気だなあと思います。

























それと、ちょっと似た話ですが、先日、
F1というスポーツカーレースで、
奇跡的に、助かった人がいました。
フランス人パイロットです。
レース中の事故で、文字通り、
「火の車」になりました。
そこから、脱出する姿は、これまた、
感激ものです。
ウルトラマンが、かっこよく、
スパスパと、作業をしている軽さです。

26秒以内に、脱出できたのです。
でも、あとの話では、
10秒間くらい、「ああ、もうダメだ」と、
力が抜けてしまった瞬間が、あったのだそうです。

そのあと、どうやって、力をふりしぼったのか、
それとも、
力が、わいてきたのか、
説明を聞いていても、よくわからなかったですが、

これまた、
すばらしいことだと、思いました。
すごい勇気です。

若い、落ち着いたパイロットでした。
その深い落ち着きは、ノーマルからかけ離れていて、
ちょっとめずらしく思いました。
それほど落ち着いているからこそ、
あれほどのスピードのものを、コントロールできるのかもしれない、と、
思ったりしました。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。




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2020年11月30日月曜日

ハイウェイを、超、飛ばして走る

引き潮の大西洋です。むこうの方に、ヒラメをとる、しかけが見えます。


きのう、日曜日は、
数百キロメートル、離れたところへ、
移動しました。
目的地は、大西洋岸にいる、歯医者さんのところでした。

今、フランスでは、
数日前までは、10㎞が限度、
今では、20㎞以上離れたところへは、
行ってはいけないことになっています。

問題は、
私の歯医者さんは、
数百㎞のところにいる、ということです。
古い友だちです。
わざわざ行く価値がある、のです。

さて、
この規制の中、そんなに遠くに行ってもいいのかどうか?

規則では、
医療の診療には、行ってもいいのです。
でも、
もし、ポリスに止められて、
「歯医者に行きます」と、言ったら、
なんで、そんなに遠くに行くのか、と言われるに決まってます。
それも、日曜日に。

キリスト教の文化では、
日曜日には、休むものなのです。
日曜日に開いている診療所なんて、
どこを探しても、ありませんから、
とうてい、信じてもらえそうにありません。

















実は、
本当は、その前の木曜日に、行くことになっていたのです。
電車に乗って。

その友の診療所は、今、超満員となっています。
それなのに、
すぐに、予約を取ってくれて、
昼休み時間をけずって、私を診てくれることになっていました。

ところが。

今、フランスの国鉄は、
いつもの2割も走っていない、と言われていましたが、
そのとおりでした。
私が乗ろうとしていた電車は、3日前に、
キャンセルになってしまいました。


ですが、
私は、車を長いこと運転するのが、苦手です。
行き帰り、6時間も、運転する気になれません。
それも、歯の治療のあとに。

しかたなく、夫にお願いして、
次の日曜日に、
車で連れて行ってもらうことになりました。

と、
このように、まわりの人たちの助けのおかげで、
ようやく、私は、
歯医者さんに行けることになったのです。

その、問題の、
ポリスに信じてもらえるかどうかの件は、
歯医者さんに、
証明書を送ってもらうことになりました。

これがあれば、
安心です。
運転手の夫のためにも、
(架空の)治療予約の証明書を、
作ってもらいました。
















結果、
歯の治療は、ぜんぜん、必要がなかったです。
がっくり!
びっくり & うれしい!

では、あの痛みは、なんだったのか?と、
文句を言いたくなりますが、
その一方で、
おおごとにならなくて、よかったという気持ち。

友も、
「なんだ、せっかく遠くから来たのに、
何にもできなくて、わるかったね」と、苦笑いします。
いえいえ、とんでもない、
おおごとにならなくって、うれしい。
それに、顔が見られて、よかった。

マスクをして、お話。
レストランにも行けませんし、
会食も、できません。
しばらく立ち話をして、
証明書に書いてある、
時間を気にして、帰り道につきます。

















そして、
高速道路が、ものすごかったです!

ガランガランなのです。

20㎞しか動けない、というのを、
みなさんきちんと守っているようです。
だから、
高速道路など、使えないのでしょう。
プロの人は、使ってもいいのですが、
日曜日は、大型トラックは、走れないことになっています。
ですので、
だれも、いなかったのです!

こういう道路だったら、
私も、ドライブは、好きです。
こういう風に、
「私専用の道路」になってほしいと、
いつも夢見ていたことが、
実現してしまったのです。
信じられないことです。
前代未聞です。
ウイルスのおかげです。

アメリカ映画を見ていますと、
たまに、だれもいない、
砂漠の中の一本道のようなところを、
のんきに車を走らせているシーンがあります。
そんな感じです。

3時間ぐらい走らせて、
出会ったのは、車4台くらいでした。
なんてラクチンなこと。
これなら、私がやるわ、と、
夫に休んでもらって、
ハンドルを、とりました。















帰り、とちゅうの町で、
ハンバーガーのお店に寄りました。
駐車場で、ひなたぼっこしながら、いただきました。

そこでは、
かわいいワンちゃんが、
大人しく、ちょっとはなれて、
こちらを見ていました。
じっと、こちらを見ていますので、
どうしても、ポテトのひとつや二つ、
あげたくなります。

聞けば、
ハンチングをするような種類の犬だそうです。
森の中を、かけまわって、
獲物を捕まえるのが、得意なはずです。

それが、
ハンバーガーのお店の駐車場で、
ハンチングをしていました。
ちょっぴり、体重が、気になりそうな、
ワンちゃんでした。

単調さが吹き飛んだ、
気持ちのいい、日曜日でした。
ポリスの尋問を受けることもなく、
早めに、家へもどりました。

きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。



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