2021年4月30日金曜日

植物園で、おじさんに叱られる



このごろでは、ロワール川の散歩に、
ようやくアキアキしてきたので、 
ちょっと遠い、植物園に行くことにしました。

植物園ですので、
きれいな花が植わっていて、当たり前です。
それが、あまりにきちんとせいとんされて植わっていると、
見ていても、当たり前の気持ちしか、しません。
それよりも、
アスファルトの割れ目から、勝手にはえてきた、
雑草などが、きれいに咲いているのは、
私には、もっともっと、ステキに見えます。

ですので、
行きがけに、石畳の割れ目から、
踏まれても、
上を歩かれても、
肩を寄せて、
背を低くして咲いているタンポポが、かわいらしい、
と、思わず、写真に撮ってしまいました。






 










でも、まぁ、今の季節に、植物園はどんな感じなのかしら、と
興味を持って、見に行きます。

行きがけには、
藤や、あやめが。
どちらも、いい香りです。





































さて、
植物園に着きますと。
実にきれいです。やっぱり来てよかったです。
気候もいいですし、
人もちらほら、さびしくない程度に、人出がでています。








































ふむふむ、
ボタンの季節になったな、と咲きかけのを見ます。
いろいろな種類があります。
エリザベス女王、という種類もあります。
その名を見て、
でも、
今の女王様は、今は、こんな色の服は着ないだろう、と
思ってしまいます。
大事な方を亡くしての、あのがっくりのお姿は、
拝見するだけでも、つらいくらいです。
















となりには、ツツジが咲いています。
日本でも、東京、駒込の駅では、満開なのかもしれない、と
想像してしまいます。
マスクを取って、そっと、子供のころの、イタズラをします。
(お花を一つ、つんで、蜜を吸う)

そして、
ツツジ、いえ、これはサツキかもしれない、
でも、違いはなんだろう?と考えているうちに、
花の名を見て、びっくり。

「日本のツツジ。命名『アラジン』」
日本のアラジンって、え、それは、なんですか?!
だれなんですか?
ちょっと、エラーがありますよ、と言いたくなります。
































さて、
そんなことを、一人で考えていますと、
また、大きな古い藤の木がありましたので、
そばまで寄ってみます。
その下には、すみれの種類が、たくさんあります。
「香りすみれ」、とあるので、
マスクを取って、ジロジロ見て、
香りもかごうとします。
でも、香りはありません。

そして、そんなことに夢中になって、
写真を撮ったりしていますと、
突然、おじさんの声がしてきます。
「マダム!花壇の中には、入らないでください!」

あーっ、すみません!

たしかに、
小みちから、ほんのちょっと出て、
すみれの方に、体をかがめていましたし、
そのアングルから、藤の木の写真を、撮っていたのです。

これくらい、いいじゃないですか、
という気持ちが、少し、します。

でも、
やっぱり、よく考えてみると、
土から、
芽が出てくるものがあるかもしれないのです。
たとえば、うちのミョウガの芽が出てくるところに、
私のような人が、ズカズカ入ってきたら、
やっぱり、むむむむ、と思うでしょう。

そうですね。
ゴメンナサイ!











































そして、ちょっとぶらぶらしたのち、
家へ帰ってきます。
そして、写真を見て、びっくり。
その中に、
さっきの、おじさんが、私に注意をしようとして、
こっちを見ながら、マスクをつけている最中、というのが、あるのです。
せっかくの写真が、台無しです。

それに、
その目は、かなり、きびしいです!
カメラの中まで、入ってきて、
「反省しているのか」と言ってるみたいです。

















(ズームすると、おじさんが見えるかもしれません)

夢中になって、写真を撮っているときは、
気づきませんでした。
なんと、知らずに、
おじさんを、家まで連れてきてしまいました。

おじさん、すみませんでした。
もう2度と、いたしません。

そして、
植物園は、ちょっと、きゅうくつ、
という気持ちがしてきます。
やっぱり、そのあたりの雑草の方がいい、という気も、
してきます。




















さて、皆さんのお住いのところでは、
今、何が咲いているのでしょう。

フランスでは、
5月が、一番お花のきれいなときだと思います。
気候も、いいです。

どうぞ、皆さんも、雑草やら、お庭を、お楽しみください。
きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。




にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村



もうひとつのブログ
オンライン「ふだん塾」。
ピアノ教師として、上達の
ヒントを、書いています。

こちら↓










2021年4月20日火曜日

めずらしく、「大移動」

この週末には、海へ行ってきました。
3時間くらい車を走らせて行きました。

10キロメートル以上の移動をしてはいけないフランスで、
どうして、そんなに遠くまで行けたのかと言いますと、
それは、「医学上の理由」です。
はっはっは!と、愉快になります。
私の歯医者さんは、海辺に住んでいるのです。
歯の治療に行くのは、許されます。
ですから、堂々と、
証明書をいくつも持って、ドライブできます。

その歯医者さんは、友人でもありますから、
会えるのが、楽しいです。
一緒に会食はできないとしても、
マスクをして、おしゃべりができます。

そして、
いったん、海辺に行ってしまえば、こっちのものです。
ほんとうなら、
治療が終わったら、すぐに家へ帰らないといけないのかもしれませんが、
あまり調べもないようですので、
のんびり、ピクニックをします。



 












地元の人は、
海辺に来て、いくらでも遊べるのです。
10キロメートル以内なら、
なんでもできます。
6人以内なら、集まることもできます。

それにまじって、
私たちも、砂の上に、毛布を敷きます。

とはいうものの、
浜辺には、それほど人は出ていません。

私たちは、
持って来たお弁当と、
その場で買ったお菓子で、
ピクニック。

久しぶりに、外へ遊びに来ました。
その、うれしいこと。
その、新鮮なこと。
こんなにシンプルな楽しみが、
ものすごく豪華に思えるのは、コロナのおかげ?
と、思ってしまいます。



もう一つ、
ラッキーなことがあります。
お弁当は、ホームベーカリで作ったブリオッシュです。
それが、いつもならニワトリの卵で作りますが、
今回のは、
アヒルの卵で、作られています。

これは、朝市の人の、エラー(のおかげ)です。
農家の人から卵を買った時、
まちがって、アヒルの卵の箱も、まざってしまったのです。

どうやって食べようかと、インターネットで調べても、
なかなか、いいのが見つかりません。
バイキンがある恐れがあるので、
よく火を通す、と書いてあります。

私は、ゆで卵なら、半熟、
オムレツなら、それも半ナマが、大好きです。
それができないとなると、
どうしたらいいのか。
それなら、ブリオッシュを作りましょう、と
いうことになったのです。

そのアヒルの卵は、
わりと小さくて、ニワトリのと同じくらいでした。
でも、からは、つるつるしています。
中身は、とてもどろっとしていて、
特に白身などは、つーっと、長い糸を引きます。
混ぜようとしてても、なかなか黄身がとけないです。

そんな卵で、
どういうブリオッシュができるか、楽しみにしていました。
結果は、
味は、あまり変わりませんでしたが、
いつもより、しっかりした生地になりました。
よくふくらみました。

それから、
インターネットによると、
栄養が、たっぷりだそうです。

その、
アヒルブリオッシュで、
生ハムと、野菜の煮物を、いただきました。
デザートは、
カラメルムースのお菓子。
これは、プロの作品。

歯の治療のあとは、
こういう甘いものが、ごほうび。
口の中は、
まだ、ショック中ですから、
やわらかくて、甘いのが、
なぐさみに感じられます。


 














砂の上の毛布に、寝っ転がります。
目をつぶると、波の音が聞こえてきます。
なんだか、なつかしい音だなぁと、思います。
東京に生まれ育った私は、
よく、海辺に連れて行ってもらいました。
その音と、まったく同じです。

何回も、何回も、
何十年たっても、
くりかえし、くりかえし、
ざざーん、とやっているのだな、と思います。
そして、そのまま、
うとうと。
















この海は、
ロワール川が、大西洋に注ぐところです。
ですので、
ロワール川をつたって、車を走らせれば、
自動的に、着きます。

極端な話では、
自転車で、ロワール川(沿い)下りをする人もいれば、
実際、カヌーで、ロワール川を下る人もいます。

私は、まだ、そこまではやりませんが、
もしかすると、いつの日か、
そんなことをするかもしれません。

今回は、
ちょうど、菜の花畑が、満開でした。
それも、きれいですが、
そのタネが、風に乗って、およんできたのか、
それとも、小鳥が何かしたのか、
道路のはしにも、菜の花が雑草のように、
たくさん、はえています。

それが、花を咲かせています。
誰も、その「雑草」を抜くわけでもなく、
そのままになっていて、
これまた、とてもかわいらしいです。




スカスカの高速道路を走って、
わが家にもどってきます。

街中では、藤の木の花が、咲き始めています。
ものすごく甘くて、いい香りです。
そして、
もうそろそろ、
バラの木も、ツボミを準備中です。

草木だけは、
同じように、営みを続けています。

お店は、ほとんど閉まっていて、
静かな毎日です。
子どもたちは、どこへ行ったのか、
学校が休みですから、
静まりかえっています。

静かで、
お天気もよくて、
なんとも、のんびりしています。




家へ帰って、
鏡を見たら、
顔は、ちょっぴり、日焼けしていました。
お日様から、少し、力をもらったかもしれない、と
思ったりしました。

どうぞ、みなさんも、お気をつけて、お元気でおすごしください。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。





にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村



もうひとつのブログ
オンライン「ふだん塾」。
ピアノ教師として、上達の
ヒントを、書いています。

こちら↓










2021年4月13日火曜日

フランスは、また、ふんだりけったり


 













ご存知かもしれませんが、
フランスでは、学校のバカンスが、いくつかのゾーンに分かれています。
夏休みと、秋と、クリスマス休みは、全国同時です。
ですが、
冬休みと、春休みは、3つのゾーンが、1週間ずつ、ずれます。

(それにしても、
夏、秋、クリスマス、冬、春、と
5つの休みがあるなんて!)

スキー場に、みんながいっぺんに行くと、
混むから、バカンスをずらす、という話を聞いたことがあるのですが、
本当でしょうか。
それほど、みんながスキーに行くとも思えないのですが。

それはいいとして、
今年は、この春休みが、
全国、同時始まり、になりました。
ウイルスのせい、です。
パリジャンが、パリの休みを中心に考えたからなのか、
パリジャンにとっては、いいリズムになりましたが、

私の住んでいるゾーンでは、
こないだ冬休みが終わったと思ったら、
また、この春休みに直入することになりました。

まだ、ちっとも疲れていないのに、
休み、と言われても、
ありがたいのか、どうなのか。
私の仕事は、リズムがくずれて、
ちょっと、やりにくいですけれど、
まぁ、いいか、
と考えることにします。



さて、
この間、ロワール川を渡って、北の岸を歩きましたことろ、
日が当たって、
草木も陽気な感じがして、気に入ったので、
また、行ってみました。

マスクをしていたので、
よくわかりませんが、
煙が、町中をおおっていました。
あ、あれだな、と思います。
それは、
今、歴史的な寒波が来ていて、
農業の方々は、ものすごく困っているということです。
この近くでも、
ワインのぶどう畑は、霜をおそれて、
火をもして、少しでも被害をとどめようとしています。

その煙だな、と思います。
まるで、モヤがかかったように、
遠くは、ボヤッとしか見えません。

「ぶどうの木たち、がんばって」と応援したくなります。

信じられないやり方ですが、
霜よりも、
氷の方が、まし、ということで、
わざと水をかけて、樹氷を作る、ぶどう畑の人もあります。
ろうそくを、ともす人も。
そして、
この煙のように、何かを燃やして、温めるやり方。

テレビで見る写真は、
それだけ見ると、
樹氷や、
たくさんのロウソクの火が、畑に、
ものすごく素敵に見えます。
そんな呑気なことを言っている場合でないのですが。

うまくいきますように。




うちのおとなりでは、
姿は見えませんが、いい香りを、はなっています。
藤の花、です。
毎年、いい香りがします。
その、ゼイタクなこと!
こんな香水があったら、ぜったい、すぐに貴重品になりそうです。

もう、4月も半ば。

この休みが終わって、
一仕事したら、
また、夏休みになります。
いったい、どういう夏になるでしょう。
そして秋は?

などなどと、
考えれば考えるほど、
私の頭の中にも、例の煙のようなモヤがかかっていて、
先は、見えません。



話は、とびます。
先ほど、
ある方から、「雪駄」を、いただきました。
畳表と、厚い皮でできた、
上等な、はきものです。
浅草のお店から、はるばるロワール地方にやって来ました。

ようこそ!と、
うれしくなります。
ハダシになって、はいてみれば、
まるで、フーテンの寅さんになった気分です。
でも、これは、女物なのです。
鼻緒には、黒地に、かわいいトンボの柄が、見えます。

これをはいて歩いたら、
実に、元気に歩けそうです。
大地からのエネルギーを、
じかに、体に取りこめそうな感じです。

ありがとう。
そして、日本の素敵な伝統に、ありがとう。
と、言いたくなります。

まだまだ、ハダシで外を歩くには、寒いのですが、
「赤い鼻緒のじょじょはいて、
おんもに出たいと待っている」ことにします。

(「春よ来い」の歌詞です)

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。






にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村



もうひとつのブログ
オンライン「ふだん塾」。
ピアノ教師として、上達の
ヒントを、書いています。

こちら↓










2021年4月7日水曜日

さよなら、おばさん

きのうは、親せきの人の、お葬儀に行ってきました。
ロワール川を渡って、向かいの教会で行われました。
歩いて、30分くらいでした。

もう、ご存知と思いますが、
今、フランスは、またロックダウン中です。
去年の今ごろも、ロックダウンでしたから、
また、それを思い出します。
なぜか、天気がものすごく良いです。

ロックダウンでも、まぁ、
お葬儀には、出席できるということです。

学校が閉まっています。
すると、街中が静かなこと!
お天気は良くて、こんなに静かで、
まるで、バカンスへ田舎へ来たような気持ちです。
それは、それで、とても気分のいいことですが、
それ以外の、モロモロのことは、
いいのやら、よくないのやら。



 








ふだん、ロワール川散歩をするときは、
日差しのない、ちょっぴり寂しい雰囲気です。
でも、昨日は、向かいの岸を歩いたところ、
朝日がさんさんと注がれて、
生えている草花も、ちょっと違うので、びっくりしました。
これは、ミズバショウみたいなものか、とか、
あれ、すみれが、ない、とか、
野生のあやめが、シュウシュウと吹き出ている、と、
楽しくなりました。

















それにしても、復活祭の週に、息を引き取ったおばさんは、
なんとなく、あわれです。

神父さまは、お説教の時には、
復活祭の話を続けて話していて、
なんだか、先週はさぞかし忙しかったですね、と
労いをしたくなるような、そんな内容です。
あのおばさんのことは、本当に気にかけているんですか、と
質問したくなります。

まぁ、
もともと、親せきの人たちは、
あまり熱心な信者さんでもないので、
これでいいとします。

こんなにいいお天気になって、
こんなに素敵なロワール川のほとりで、
出発の儀式ができましたので、
おばさんも、きっと満足かもしれません。

コロナのせいで、
みんな、病院にもお見舞いに行かれなかったのは、
ほんとに、寂しいことでした。
今まで、ありがとう。

さよなら、おばさん。

















さて、
ロックダウンは、一月です。
今週から、また仕事は、リモートワークになりました。
ストップしたり、
ゴーになったり、
もう、なんだかわからなくなります。
生徒さんだって、
慣れてしまっているようです。
文句を言う人もいません。

そして、来週から、2週間は、
バカンス。
ほんとうは、この地方ゾーンは、バカンスはもうちょっと先なのです。
それが、
フランス全国統一で、同じ時期にバカンス!と
なりました。
これまた、学校リズムがくずれて、私にとっては、
やりにくいのなんのって。


















というわけで、
またまた、今年も、変てこりんな春になっています。
それを、どうやって、活用していきましょうか。
とりあえずは、
来週から始まるバカンスには、
ちょっと押入れの、整理をしようと思います。

ほんとうなら、海にでも遊びに行きたいのですが、
それもできそうにありませんから。
(でも、なにか口実をつけて、行くかもしれません)

















まだまだ、
みなさまも、お気をつけて、おすごしください。

読んでくださって、ありがとうございました。






にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村



もうひとつのブログ
オンライン「ふだん塾」。
ピアノ教師として、上達の
ヒントを、書いています。

こちら↓