2020年12月8日火曜日

みごとに、失敗

先日、電子ピアノを買いました。
というと、私のことを知っている人たちは、
イスからころげ落ちるほど、びっくりします。が、
ともかく、買ったのです。

昔、モーツァルトや、リストは、小型のピアノを持って
演奏旅行をしていたそうです。
それと同じで、
私も旅行の時には、持ち歩きたいと思いましたので、
小型の、軽いピアノを買いました。

それが、
どういうケースに入れるか、が問題です。
飛行機に乗る時は、
かなり、ざっくばらんに扱われますから、
できれば、機内に持っていきたいのです。
でも、長さが、アウト。

では、どうやってトランクに詰めるか。
長くて、ソフトなトランクを出してきて、
いっしょうけんめい、入れようとしましたころ。

斜めに入れれば、なんとか入りそうです!
それなら、
工夫して、木で、保護を作って、
トランクに入れる。
まわりには、洋服などをつめれば、
なんとかなりそうです!

というわけで、
長さを測って、
いろいろ考えて、
遠くのお店まで行って、
木を切って、
ヤスリでこすって、
組み立てて、、、と、
完成したのはいいのですが。
















どこで、どうまちがえたのか、
でき上がった、そのものは、
肝心の、ソフトトランクに、入らないのです!

どうやっても、ダメです。

ヤスリでよくこすったので、すべすべの、木の肌。
松の木の、いい香り。
角も削ったので、どこをさわっても、やさしい感じがする、
自分では、気に入ったものなのですが。

ちっとも用をなしません。

ある人が、
低いテーブルにしたら、と言ってくれましたので、
足を持ってきて、試してみます。
なんだか、いまいちです。

ノリがまだ乾いていないのに、
もう、暖炉にくべるしかないのだろうか、と
悲しくなります。

それに、フランスでは、
「松の木の香りがする」という表現は、
「お迎えが近い」という意味なのです。
棺が、松の木で作られていたから、
その準備をしている、ということらしいです。
そんなことが、頭の中を、よぎります。

すると、
だんだん、自分の作品が、
日本の「お棺」のようにも、見えてきます。
















これを、どうリサイクルするかは、
まだ、決まっていないのですが、
でも、一つ、
おもしろいことがおこったこともあります。

私は、フランスにいるため、
日本のお葬儀には、あまり行けません。
ごく近い人の時だけ、行きます。

おじいちゃんのも、
おばあちゃんのも、実は、行っていないのです。
ですが、
このミニ棺(?)を見ていると、
なんだか、同席できなかった人たちのことが、
思い出されてきます。

こちらの棺は、ドラキュラに出てくるような、
あんな感じです。
そうでなくて、白木の、長方形の、日本のが思い出されてきます。
今まで行けなかったお葬儀に、
出席できたような、そんな気落ちになります。

その失敗作を前に、すわって、
今はいない人たちと、
話しをしました。
なんだか、思いがけない、時間でした。

















ところで、フランスでは、
今、ヴァンデ・グローブという、ものすごく無茶なスポーツが、
進行中です。
ヨットで、世界一周する、という企画。
ヨットで、一人で、
むずかしい「ケープ」(岬)を乗り越えるのです。

むずかしいケープは、
アフリカの最南端と、
アメリカの最南端です。
船乗りが自慢するときは、

自分は、一生にどれだけそのケープを通過したか、ということを、
自慢する、くらい、
それほど危険なところです。
そこを、素手で(風だけで)、一人で、越えるのですから、
かなりの無茶です。

それが、
数日前、船がこわれて海に落ちた人がいます。
無事、助けられたのですが、
その動画をみて、びっくり、感激します。
あの荒海に、暗い夜も、一人。
仲間(競争相手なのですが)に助けてもらって、
これまた、感動ものです。
毎回、こういうことが起こります。

一体なんで、まぁ、こういうことをするのだろう、と
思います。
私は、船が好きなので、よく、このニュースを見ます。
夜、ぷよぷよと、大海に浮かんでいる、というのは、
ずいぶん恐ろしいことなのですが、
すごい勇気だなあと思います。

























それと、ちょっと似た話ですが、先日、
F1というスポーツカーレースで、
奇跡的に、助かった人がいました。
フランス人パイロットです。
レース中の事故で、文字通り、
「火の車」になりました。
そこから、脱出する姿は、これまた、
感激ものです。
ウルトラマンが、かっこよく、
スパスパと、作業をしている軽さです。

26秒以内に、脱出できたのです。
でも、あとの話では、
10秒間くらい、「ああ、もうダメだ」と、
力が抜けてしまった瞬間が、あったのだそうです。

そのあと、どうやって、力をふりしぼったのか、
それとも、
力が、わいてきたのか、
説明を聞いていても、よくわからなかったですが、

これまた、
すばらしいことだと、思いました。
すごい勇気です。

若い、落ち着いたパイロットでした。
その深い落ち着きは、ノーマルからかけ離れていて、
ちょっとめずらしく思いました。
それほど落ち着いているからこそ、
あれほどのスピードのものを、コントロールできるのかもしれない、と、
思ったりしました。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。




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