2022年12月6日火曜日

時計クレージー


先日、うれしいことがありました。
小さかったころに読んだお話を、
もう一度読むことができたのです。

などと書いても、
大したことない、と思われる方も多いかもしれません。

どういうことかと言いますと、
そのお話というのは、
私のルーツのような、
私の変なクセまで説明できるような、
そんな、印象ふかいお話だったのです。

坪田譲治という作家の童話です。
ですが、
題名は忘れてしまいましたし、
なにしろ、たくさんの童話を書いた人ですから、
さがすのが、大変。
今まで、あきらめていたのです。

その変なクセというのは、
そのお話のせいでか、
時計というものが、
とても、好きになってしまった、ということです。

置き時計。
目覚まし時計。
柱時計。

好き、というより、
ちょっとこわい気持ちがします。
そのくせ、ひきつけられてしまうのです。

















こわいけれども、
見たい。
ローマ数字の時計なんて、
今では大丈夫ですが、
小さかったころは、こわすぎたのです。
それでも、
こわいもの見たさで、見ていたのです。

少し大きくなってから、
はじめて、
お年玉で買ったのは、
金色の、小さな目覚まし時計でした。
選んだのは、
ローマ数字でした。

それだって、
例のお話のせいだと思うのです。
それにしても、
いったい、どういう筋の童話だったか。

柱時計が、お化けのように、
歩き出したりする話のように覚えています。
それが、もう、ほんとうによく書かれていて、
その場にいるようになるのです。

それ以来、
時計が気になってしかたない。
その原因となったお話を、
もう一度読みたいと思っていました。

そして、
大人になった今の私が読んだら、
どう思うのか。
















そして、ダメでもともと、と思いながら、
念のために、
「柱時計」「坪田譲治」というキーワードで、
さがします。
まったく、
インターネットというのは、すごいものです。
見つかったのです。

その、びっくりうれしさと言ったら!

おまけに、
その昔の本を、1ページずつ、
写真に撮ってくれた人があるのです。
国会図書館が、です。
おかげで、この私は、1枚1枚、ページをめくって、
パソコンで、
そのお話を読むことができたのです。

いったいどういう目的で、
国会図書館が、
坪田譲治の小学3年生向けの本を、いちいち
ページをめくって、
こんな作業をしてくれたのでしょう。
なんとも、うれしいことをしてくださる方が、
あるものです!

自分の、思い出の奥に、ボヤーっと、
残っていて、
ほんとうに読んだ話なのか、
私が勝手に作り変えてしまったのか、
わからなかった、
その現物を読むことができました。

もう、
「ようこそ!」
と、
「おかえり!」が混ざったような気持ちでした。

筋は、私が覚えていたとおりでした。
いっきょに、また、
魔法にかけられたように、
そのお話の中に入ってしまいました。


















その時から、私は、
ずっと、この魔法にかけられ続けているのかもしれません。
今でも、時計というものを、
ちょっと、おそれ多い気持ちをもって、
見ています。

私の家には、あちこちに、
カシオの小さな目覚まし時計が、置いてあります。
洗面所にも、あります。

それについては、
どうやら、娘の一人にも、うつってしまったらしい。
先日、
「洗面所に、時計を置くのは、ごく当然なことである」と
まるで、
定理のように、言い切っていたのです。
それを聞いて、
これは、まずい、
言ってることが、私とそっくり、と、
あわててしまいます。

そして、その理由は、
朝、出がけに、洗面所を使っている時、
「あら、何時かしら」と、
別な部屋に、時計を見に行かなければならないとすると、
戻ってくるまでに、時間がかかる、
と言います。
朝の10秒、20秒は、ものすごく貴重なのだと言います。

私は、
心の中で、やっぱり、そのとおりだなぁ、と思います。
















というような、
合理的な理由もあるのですが、
もう一つ、時計は、
生きている証拠、のように思うこともあります。

チクタク、いつも動いています。
生き物のように。
だから、ひかれるのかもしれません。
それに、
ちょっと、神様のような、
絶対権力(?)を持っているような感じもあります。

その指示に従わないと、
チコクする、とか、
電車に乗り遅れる、とか、
おなべがコゲつく、とか、
いろいろ困ったことが起こる。
そんな風に、きびしいところがあります。

でも、コチコチ、心地よくもあります。
聞いていると、眠くなったりします。
夜、床に就くときには、
目覚ましをセットする。

ですので、私は、
コチコチいう時計がいいのです。
たまに、ぼんぼん時計も聞きたくなりますが、
実は、うるさくて、
あまり使えません。

それから、腕時計も、あまり、
使いません。
ピアノを弾くとき、
用事をするときは、
はずしてばかりいるからかもしれません。
















と、
時計の話になると、
止まらなくなります。

このへんで、やめときます。

あとひとつ、
このごろでは、コチコチいう時計より、
じーっという音の時計が多くなっています。
それに、
単に、
時計は、あまり必要なくなってきたようにも見えます。
みなさん、スマートフォンで、
時刻を見てらっしゃいます。

コチコチ言わない時計といえば、
私のお腹。
ぴったり12時半にお腹がすきます。
この正確さは、
ワンちゃんだって、同じです。
ある一定の時刻が来ると、
そわそわして、ご飯を催促してきます。
毎回、ぴったりの時刻に、です。

これは、なかなかおもしろいとおもいます。
















ところで、話は飛びます。

先日、パリに用事がありました。
ついでに、ユニクロに寄りましたところ、
それはそれは、すごい人で、
てんやわんやでした。

あったかい下着をたくさん売っているそうです。
それが大人気。
今年は、暖房の温度設定を低くします、という
おふれですので、
みなさん、あったかいものを探しているのです。
ユニクロ製品は、
もう、引っ張りだこ、という雰囲気になっています。

私も、今年は、仕事場でも、
いつもより、
ほんの少し、厚着にしています。

まぁ、暑いのが苦手な私は、
そのぶん、寒さは、あまり気にならないのです。

それにしても、
ロワール地方も、パリも、
まだ木の葉が落ちきっていません。
12月になっても、葉っぱがついているのは、
初めて見たような気がします。
来年の夏は、どうなるか、暑くなるのだろうかと
今から少し、気になります。
















さきほど、
ある店を出るときに、
「それでは、いいクリスマスシーズンをすごしてくださいね」と
言われました。
あぁ、そうだな、
そういう季節になったな、と思いました。

毎年、暮れになると日本に送る、
甘くて、おいしいものも、
たくさん買い込みました。

















それにしても、思うことがあります。

遠い昔、昭和のころ、
坪田譲治の童話を読まれた方は、
たくさんあったでしょう。

はたして、
今でも、この童話は読まれているのでしょうか。
それから、昔、読まれた方、
今でも覚えておられるのかしら、と、
ちょっと、興味深く思いました。


きょうも、ご訪問、ありがとうございました。








 


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