きのう、「信じられない!」
というような手紙をもらいました。
まず、これは、広告の手紙だと思いました。
クリスマス近くになると、
チャリティーで、寄付してください、という手紙が、
多くなります。
これもまた、貧しい国から来たようにみせかけた、
手紙だと思っていました。
ところが、夫が、
「よく見て、
ドイツから手紙が来てるよ」と言います。
ドイツから、寄付の手紙?
変だなと思いながら、
ちょっとらんぼうに、封を切りはじめましたところ。
おやおや?
どうやら、
本当に、私あての、手紙のようです。
あ、これは、コンテナ船で出会った人です!
この夏、貨物船の旅をした時の、
「旅の友」。
ブレーメンの、おじいさんです。
ちょっとした理由があって、
そのお姉さんが、代筆してくださったのです。
それは、
私の出した、夏の手紙への、お返事でした。
とても、的を得た、きれいな英語で書かれていました。
こんなにおそくなって、ごめんなさい、と。
そして、
それは、タイプライターで、書かれているのです。
今どき、ものすごく、めずらしいです。
よく見ると、
文字が、はんこのように、紙に押されているのが、見えます。
一文字、一文字が、軽く押されて、
やわらかい紙が、谷のようになっているのは、ステキです。
カタカタ、というあの音も、きこえてくるようです。
リズムも。
カタカタ、カタカタ、チーン!
しかし、タイプライターなんて、
使う人が、まだいるのでしょうか。
あの、リボンも、まだ売られているのでしょうか。
そういえば、
私だって、30年くらい前、
はじめてフランスに来る手続きをしていたころは、
タイプライターを、使っていました。
まちがえたら、消すために、白い修正紙を使うのです。
でも、それでは、ちょっと目立つので、
正式の手紙を打つときなどは、
ミスはしないように、と、
緊張して、打っていました。
ちょっとまちがえたら、アウト。
また、やり直しです。
それにくらべたら、
今は、パソコンで、便利になりました。
自由に、カット、修正、できます。
でも、タイプライターの手紙には、
ちょっとした、味わいがあると思います。
そして、私は、
あの、おじいさんのことを、思い出します。
ムダな事には、お金を使わないで、
お金をためて、
コンテナ船の旅をする。
車や、飛行機の速さより、
船の、ゆっくり、エレガントなところが、好きな、
おじいさん。
やはり、タイプライターで、
旅行記をつづっている、ということです。
ちょっと、ガンコ。
私も、そういうところがあるから、
よく、わかります。
体の具合があまりよくなく、
もう、これが、最後の旅、ということでした。
そして、おじいさんは、
インターネットを使えない(使わない?)ために、
知らないことが、たくさんありました。
一緒に乗った貨物船のことも、
私は、ネットから知ったことがたくさんあったのに、
おじいさんは、ぜんぜん知らなかったです。
なんだか、世の中から、取り残されているような気も、しました。
それが、ちょっと、かわいそうな気がしました。
でも、そんなこと、
どうでもいいのかもしれません。
などなど、
そんなことを思いながら、
タイプの文字を、手でさわっています。
そろそろ、おじいさんに、
クリスマスカードを、送ろうと思います。
きょうは、信じられない手紙、の話でした。
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