2016年5月25日水曜日

自己主張するのは、苦手



きのうは、音楽学校の、進級テストでした。
私のクラスと、もうひとつのクラスの生徒が、参加しました。

決定は、審査員がします。
他の学校から来た教師と、学長です。
私たち、教師は、進級を決める権利はありません。
もっぱら、
生徒の事情を説明したり、時には、かばったりします。

審査員を裁判官にたとえるのなら、
私たち、教師は、生徒さんの弁護士のようなものです。

毎年、
生徒たちが、ピアノをひき終わったあとは、
審査員が、何と言うか、ちょっと心配です。

きびしすぎないだろうか。
生徒さんの、やっと出た芽を、つまんでしまうようなことを
言わないだろうか。
えこひいきは、ないだろうか。

などなど。

さて、
きのうは、
私にとっては、ちょっぴり、不公平なことがありました。

まず、
一番最初にひいた、私の生徒さんが、
まぁまぁの、いい点をもらって進級、と審査がでました。
かなりまじめに勉強して、
しっかり情緒をこめて、ひけたのに、
「まぁまぁいい」点でした。

次の生徒さんは、
ちょっと、あぶなっかしい演奏でした。
でも、年が若いという理由で、大目にみてもらえました。
「ふつうの」点を、もらって進級ということでした。

えっ。
ちょっと不公平ですよ。
しっかりひけた私の生徒さんには、きびしく、
ちょっとあぶない生徒さんには、甘すぎます!

私は、ちょっと待ってください、と言いました。
そして、自分の生徒さんの弁護をしました。
めったにそういうことは、しないのですが。

いつもなら、
「あつかましいかしら」とか
「私の思いすごしかしら」と、
ぐるぐる考えて、考えすぎて、
結局、なにも言わないのです。

そして、心の中では、けっこう腹をたてています。
傷ついています。

でも、今回は、ふしぎなことに、その場ですらっと、
「もう少しいい点をもらえないだろうか」と
お願いすることができたのです。
はっきりと、おだやかに、理由も、説明できたのです。

この年になって、やっと、こんなふうに、
自己主張をできるようになって、うれしいです。
自分でも、ちょっと、びっくりです。
これで、腹をたてた気持ちを、ひきずらなくてすみます。

結果、
めでたく、理解してもらえて、
とってもいい点を、もらえました。




















これで、生徒さんも、努力がみとめられて、うれしいでしょうし、
これからの練習にも、またエネルギーが、はいるかもしれません。

そして、
この私も、ちょっぴり進級したような気持ちに、なりました。

読んでくださって、ありがとうございました。

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2 件のコメント:

Chiyo さんのコメント...

ジャスミンティーさんから、うれしいコメントをいただきました。

*****

@yTNg56 年齢を重ねても自己主張をするのって本当に難しいですよね。つい感情的に早口になってしまいます。その生徒さんも、ふだん生活さんのような自分を大事に思ってくれる先生に巡り合えて幸せですね。
先生の影響ってとっても大きいような気がします。
最後の2行にジーンッときました。

*****

Chiyo さんのコメント...

ジャスミンティーさん、こんにちは。やさしいお言葉、ありがとうございます。励まされます。

そうなんです、つい、感情的になって、早口になってしまいますよね。今回、おだやかに説明できたのは、もしかすると、これは、ブログを書き始めて、みなさんに読んでいただいている、そのおかげかもしれません。ちょっと、自信がついたように思います。なんとなく、そんな気がします。

どうもありがとうございました。