2017年4月23日日曜日
最上級のデザート(コートダジュールの楽しみ)
きょうは、フランス大統領選挙の日。
朝市に行っても、
立ち話をしても、
選挙の話でいっぱい!
さぁ、どういう結果になりますか。
サスペンスたっぷり。
さて、
私は、地中海の強い印象から、
まださめないでいます。
その、
「おいしい」を通りこして、
「感動した」、
というレベルの、食事の話をしたいと思います。
私は、食いしん坊ですが、
高いお金を払って、レストランには、あまり行きません。
一瞬にして、お金が消えていくより、
そのお金で、
ステキなバッグとか、コートを買いたい、と
思ってしまうのです。
その方が、長いこと楽しめると思ってしまう。
といって、バッグを買うかというと、
そうでもないです。
そういうぜいたくに、慣れていないのかもしれません。
というわけで、
高級レストランのことは、あまりよく知りません。
そんな私が、グルメレポートをしても、
あまり、信ぴょう性はないかもしれないですが、
でも、
心をこめて、一生懸命作っているなぁというお店にあうと、
やはり、うれしくなります。
そんなレストランが、ニースの近くにあります。
行くのは、今度が2回目ですから、
とっても楽しみにしていました。
サンジャンキャップフェラという、
かなり覚えにくい地名。そこにある、ホテルの中にあります。
それが、
高級レストランなのですが、
ふんいきが、とてもフレンドリーです。
内装は、日本的なものを取り入れて、
あんどんのような、ランプがあったり、
黒い漆器のお盆があったり、と
日本人の私にとっては、自分ちにいるような気持ちになれます。
たのまなくても、
手はじめに、アペリティフが出てきます。
それが、もう、いやになるくらい、おいしい!
なぜ、いやになるかというと、
そんなものを調子に乗って食べていると、
お腹がいっぱいになって、
次にでてくるお料理が、おいしくなくなりそうだからです。
それは、いかにも単純で、
ブリオッシュと、
あら塩と、
しぼりたての、香りのいいオリーブ油、
バター、
そして、オリーブ。
食べ方は、
ブリオッシュをちぎって、
オリーブ油につけて、いただく。
あら塩を、つまむ。
話をきけば、やっぱり、
ものすごく吟味して、チョイスした品ばかりなのです。
そこまで、こだわってくれるのは、
職人気質です。
私はうれしくなります。
前菜も、主菜も、
もちろん、おいしいですし、
白くて地味なお皿に、まるで絵を描いたように、
盛り合わせてあります。
これは、日本料理を見習ったのかもしれません。
ただ、色づかいや、模様は、なんとなく、
西洋風に思えます。
食べてしまうのが、もったいない!という気持ちになります。
そして、今回、いたく感激した一品があります。
「ル シトロン」というデザートです。
英語で言えば、ザ レモン、というような、
これぞ、レモンです!とアピールしている、
おかしな名前の、デザートです。
だれかが、注文のとき、
「それは、メレンゲつきレモンタルトみたいなもんですか」と
たずねたら、
「いえ、それを、添削、修正したようなもんです」
という答えが聞こえてきたので、
へぇ、すごいな、ずいぶん自信があるんだな、
と、興味をもっていました。
それが。たしかに。
いざ味わってみると。
これを、文章にあらわすのは、ちょっと無理です。
印象が強烈ですし、
こんな組み合わせを、どうやって思いついたのか、
これは、芸術だ、と思ってしまいます。
何にたとえていいのか、見当がつかないです。
バジリコとライムをまぜたシャーベット、
甘さのない、タルト生地。
甘い、レモンリーム、
ひどくすっぱくて、ビリビリしてしまう、レモン酢とレモン汁、
大きく、うすせんべいのような、甘いメレンゲ、
名もわからないような、いろいろなスパイス。
そして、食べる直前に、
イラン産の黒い干しレモン(?)を、おろし金で、すってくれる。
山椒の粉みたいに、いい香りと強い味がする。
などなど、
が、あわさって、不思議な味になります。
帽子をぬがせて、
順序よく、食べられるようになっています。
そのハーモニーが、
なんともいえません。
私は、
どんどん食べていくうちに、
自分がどこにいるのか、
これは、デザートなのか、
一品料理なのか、
何を食べているのか、
まったくわからなくなりました。
ものすごい、香り、風味でした。
今でも、書いているだけで、
それが、よみがえってくるようです。
一粒で、何度もおいしい、です。
ところで、
私はすぐ、値段のことが気になります。
それが、
そんなに高くないのです。
と、私は思います。
星つきシェフのレストランは、
もっともっと、高いはずです。
もし、
ニースあたりに旅する方がありましたら、
ぜひ、ここまで足をのばされたらいいと、思います。
フランスのいいところを、
たっぷり、楽しめると思います。
あ、
それから、もう一つの楽しみ。
私は、グラスでワインを頼みます。
すると、ソムリエが、これこれがいいですよ、
と、うんちくをかたむけてくれます。
試しますか、ほら、どうです?と、
ちょっと、ついでくれたりします。
私は、なにも知識がないですから、
フィーリングで、こんなのがいい、と言えば、
ぴったりのを、アドバイスしてくれます。
お料理と、ワインの組み合わせも、
きっと、奥が深いのだろうなぁと、
ぼんやり思いながら、
それにしても、ぴったりだな、と、
楽しく、いただきました。
このレストランの名は、
La Table du Royal
です。
次の日、
ニースの古城を、ぶらぶら歩いていると、
ちょうど、お昼どきで、
遠足の子どもたちが、お弁当をひろげていました。
芝生に、布をひろげて、
そこでお昼をとるさまは、しばらく見なかったです。
みなさん、うれしそうにしています。
なんだか、昭和時代の、私の遠足とそっくり、と
とてもなつかしく思いました。
きょうも、読んでくださってありがとうございました。
それでは、また!
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