貨物船の旅をおえて、
もう、しばらく日がたちました。
でも、なかなか、
その強い印象から、ぬけだせません。
海、空、星、船乗りたち。
こんなに、美しいものが、世の中にあるなんて!
船乗りになればよかった、
人生設計をまちがえた、と、
なかば、本気で、思っています。
上の写真は、貨物船に乗るため、
やっとの思いで、
ドイツの、慣れない港の、
コンテナターミナルに、着いた時のものです。
うれしかったこと。
タクシーは、ここまで入れません。
コンテナゲートで、手続きをすると、
シャトルバスに、乗せてもらいます。
なにしろ、コンテナ船は、とてつもなく大きいのです。
どこが、船の、入り口だか、
バスの運転手さんも、地図を見て、さがしていました。
さて、
この、のぼりはしご。
ギャングウエィ、といいます。
トランクのサービスは、ないのです。
一人で荷物をもつことになって、
このはしごを登れなかったらどうしよう、と心配していました。
ですので、なるべく、トランクは、軽くしました。
でも、
雨の中、私が着いたら、
士官の人が、
上に向かって、大きな声で、なにか言ってから、
荷物を、もってくれました。
あぁ、よかった。
あぁ、よかった。
はしごには、あみの保護がなされています。
足の下をみると、
足の下をみると、
あみの、むこうに、黒い海の水が、
ぴちゃぴちゃと、動いているのが見えます。
あぁ、落ちたら、アウトだな、と思います。
そして、大きなしきいをまたいで、
船の中にはいると、こんな、風景です。
白くてきれいな、がんじょうなドアがたくさん。
そして、ペンキや、重油のにおい。
そして、ペンキや、重油のにおい。
これを、見ただけで、
「ああ、来てよかった!」と思ってしまいました。
そんなふうに感じる方は、
たぶん、なかなかいらっしゃらないでしょう。
でも、私は、そう感じるのです。
たぶん、なかなかいらっしゃらないでしょう。
でも、私は、そう感じるのです。
だから、やっぱり、
私は、人生設計を、まちがえたように、思えてしまうのです。
船乗りになれば、よかった、と。
船乗りになれば、よかった、と。
中央の白い建物に、人間が生活しています。 |
長い船の、まんなかあたりに、
9階建ての、うすっぺらい建物があります。
その、7階が、私のキャビンのあるところです。
私にあてがわれたキャビンは、
3つも窓があって、ステキでした。
そのほか、この建物の中には、
娯楽室、図書室、ジム、洗濯室があります。
娯楽室、図書室、ジム、洗濯室があります。
どこでも、好きなところを、まわっていいですよ、と
言われました。
(でも、テレビ、インターネット、電話は、つながりません)
舵取り部屋(操縦室?)にも、行きました。
そこは、建物の、最上階です。
そのわきにある、デッキ(甲板)は、
私の一番好きなところです。
何しろ、ながめがいいのです!
それに、風にあたっているのは、気持ちがいい。
操縦室から、見ているのとは、ちょっとちがいます。
海や空と、一緒になっている、という感じが、するのです。
デッキにいて、風にふかれて、
フードにくるまっていると、
何度か、オフィサーの方々が、
「中に、おはいりなさい」と、言ってくださいました。
操縦室は、神経をつかう、仕事の場所です。
ですので、
私は、ちょっぴり、遠慮しているのです。
そこに、いらっしゃい、とオフィサーが招いてくださるのです。
だから、とてもありがたいことなのです。
でも、
やっぱり、
風にあたって、海をながめるのは、楽しすぎます。
操縦室は、神経をつかう、仕事の場所です。
ですので、
私は、ちょっぴり、遠慮しているのです。
そこに、いらっしゃい、とオフィサーが招いてくださるのです。
だから、とてもありがたいことなのです。
でも、
やっぱり、
風にあたって、海をながめるのは、楽しすぎます。
風が強すぎて、あぶないから、
という時もありましたが、
そうでなければ、
私は、たいていデッキに、いました。
海も、空も、
どれだけながめても、あきないです。
たき火や、ろうそくの火が、おどるのを見ていると、
あきないで、長いことながめてしまいます。
まるで、催眠にかかったようです。
それと、似ています。
それと、似ています。
(そうなるのは、私だけでしょうか?)
3度の食事は、オフィサー(士官)の方々と、一緒でした。
といっても、
士官の方々は、仕事が忙しくて、
15分くらいで、食べ終えて、あとは、煙草を吸いに、
どこかへ、行ってしまいます。
食事は、とてもおいしかったです。
フィリッピンのコックさんが、
毎日、毎日、ちがうメニューを考えて、
心をこめて、作ってくださいました。
スープ、お肉数種類、付け合わせ、サラダ、チーズ、デザート、フルーツ。
野菜と、お豆、フルーツの種類の多さに、びっくり。
それにひきかえ、
うちのごはんは、なんて貧弱!と、反省してしまいました。
(バランスのとれた、すばらしい食事のおかげで、
私は、ちょっぴりスマートになって、帰ってきました)
チーズケーキから、
バックラバーという、トルコのお菓子、
手焼きのパンまで、
みな、ホームメードです。
みな、ホームメードです。
このコックさんは、
私がよく、お茶を飲んでいるのを見て、
お茶の友に、ビスケットを、お持ちしましょう、
と、言ってくださいました。
と、言ってくださいました。
そのあと、
クルーが、こっそり、
フルーツがたっぷり入った、かごと、
ビスケットの詰め合わせを、キャビンに届けてくれました。
まぁ、うれしい!
こんなふうに、
ちやほやされて、実にうれしかったです!
ふだんの生活で、
こういうことは、めったに、おこりません。
士官の食堂は、オフィサーズ-メスルームとよばれます。
そのメスルームには、カレンダーがぶらさがっていて、
今日が、何日なのか、
赤いわくで、示されるようになっています。
それを見ると、
ちょっぴり、囚人が、壁に、日にちの印をつけるのを、
思いうかべてしまいます。
オフィサーも、
下働きのクルーも、
みな、
家族とはなれて、数ヶ月間もの仕事をしているのです。
私の世話をしてくださった、スチュワードさんは、
ゆかいで、楽しい人でした。
でも、すぐ、会話が、家族のことになってしまう。
もう、7ヶ月も家族と会っていない、と。
出会った、船乗りたちのことは、
また、書きます。
さて、画像はいまいちですが、
夕食後、キャビンからとったものを、アップしてみます。
あほうどりが、数羽ほど、
こうして、
こうして、
船といっしょに、いつまでも飛ぶさまが、
何とも、けなげで、静かで、ふしぎだったのです。
いずれ、夜になるのですが、
陸に帰るわけでもなく、
いったい、どこに行くのでしょうか。
では、きょうは、このへんで。
読んでくださって、どうもありがとうございました。
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2 件のコメント:
ジャスミンティーさんから、うれしい、コメントをいただきました。
*****
@yTNg56 帰国されるのを待っておりました。お帰りなさ〜い!
出航からワクワクしながら読ませていただきました。
コンテナ船って凄く大きいのですね〜。
そのスペースをたった30人程?で動き回れるなんて。
豪華客船よりも贅沢ですよね、ある意味。
デッキも一人占めでじっくり自然との対話が出来ますね。
何かこれぞ旅の原点、という感じを受けました。
お部屋もトリコロールカラーでとっても素敵だしお料理も美味しそう。
何もかもが羨ましい限りです。
こんな素敵な体験をしちゃったら「ふだん生活」さん、日常に戻るまで少し時間かかりますよ。
いつまでも旅の雰囲気にたゆたっていたい感じなのでは。
あ〜、私もこんな夢のような旅をしてみたい。
けど、船酔い以前に乗り物酔いするもので。。
乗り物酔いしない人に産まれてきたかった。
またお話し聞かせて下さい。
私の亡くなった叔父も船乗りで口数は少なかったですが、外見がそれっぽかった。
*****
こんなふうに、シェアしていただいて、旅の思い出も、2倍たのしくなりました。
ありがとうございました。
ジャスミンティーさん、こんにちは。
ツイートで、お声かけていただいて、どうもありがとうございました。
ジャスミンティーさんには、いつも、ブログを読んでいただき、
そして、
まるで、チアリーダーのように、応援、シェアしていただき、
うれしいです、とっても。
ところで、
乗り物酔いされる、というのは、ほんとうに残念なことです。
私も、それをおそれていていました。
ハンブルグでは、船が出るのを待ちながら、2日間、湾岸をうろうろしていました。
桟橋は、ゆらゆらゆれていて、
油煙のにおいがするし、
ドイツ料理の、お魚のフライのにおいがしてきたり、で、
少し、気分が悪くなったりもしました。
どうなるかなぁ、と心配だったのですが、
いざ、行ってみたら、
なんとかなりました。
もちろん、油煙のにおいも、「ゆらゆら」も、あるのですが。
もちろん、大揺れの時は、
船乗りでも、酔う、とききました。
叔父さま、船乗りであられましたか?
また、お話、おききしたいです。
ありがとうございました。
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