貨物船の旅で、見たことです。
船の上には、
オフィサー(士官)と、クルー(乗組員)、あわせて27人の男性が乗っていました。
乗客は、ドイツのお年の男性と、私2人だけ。
乗客は、ドイツのお年の男性と、私2人だけ。
ということは、女性は、私だけです。
それに、伝統的には、船には、女性は乗らないものです。
もちろん、今では、女性が受け入れられているのです。
もちろん、今では、女性が受け入れられているのです。
でも、自分のキャビンから、
食事におりていくときなど、ふと、不思議な気分になります。
船乗りさんたちと、お話しする機会もありました。
背は高くなく、
ちょっぴり、いばった歩き方をして、魅力的な目をした、キャプテン。
無骨な、ものの言い方をするのですが、実は、いろんなことに、ものすごく気を配っているのが、わかります。
私が、ル・アーブルでおりる、数日前から、
船をおりたら乗る、タクシーの迎えの心配までしてくださいました。
船がいつ、港に着くのか、予想がつかないのに、私の帰りのタクシーのことまで、考えてくださっている。
ホテルに滞在するのが、ふつうの観光旅行だとすれば、
私の、貨物船旅行は、ホームステイのようなものだったかもしれません。
もうひとつ、
キャプテンと、最初に話した時、
ドジって、恥ずかしかったことです。
私の英語は、あまり上手ではないです。
それに、船に関する単語は、ほんのちょっとしか、知りません。
(だいいち、日本語に訳されていても、それが、何なのか、よくわからなかったりします)
最初の日、もう一人の乗客と一緒に、船の中を、見物したいと思いました。
エレベーターの中で、キャプテンと出会ったので、
「あぁ、ちょうどよかった、今、キャプテンズ ルームに、見学に行きたいと、思っていたのです」と言いました。
私は、キャプテンというのは、最上階の舵取り室に、いつもいて、たえず、舵を取っているものだと思っていました。舵取り室って、なんというのか、まぁ、よくわからないので、「キャプテンズ ルーム」なんて、言ってみました。
一緒にいた、もう一人の乗客も、「そう、そうなんです」なんて、相づちを、打ってくださって。
そうしたら、キャプテンは、戸惑いを完全には隠せずにも、
胸をはって、
「キャプテンズルームは、プライベートルームです!」と、おっしゃる。
「?」
えっ。
まさか、キャプテンのキャビンを、見物に行こうと思ったのではないのです!
それでも、ちょっとギャグな誤解は解けて、舵取り室に、行かせてくださいました。
ちょっぴり、恥ずかしかったです。
でも、そのあと、いろいろ話す機会があって、よかったです。
元は、モールス通信などをする仕事をしていたそうです。
川崎汽船に勤めていたことがあって、日本の海のことを、とてもよく知っていらしゃいます。
私が、お茶を飲んでいると、ミカンをむきながら、そばにきて、
もう、7ヶ月も、家族と会っていないし。あきあきしてきちゃった。
僕らは、仕事があるけど、
あなたは、毎日、毎日、キャビンと、食堂を行き来するだけで、さぞかし、退屈なことでしょう、
と、言われる。
(ボディビルディングをして、筋肉モリモリなのに、とってもやさしい声で、話をなさる)
でも、私は、答えます。
まさか、とんでもない。
上げ膳、据え膳で、
毎日、海と、空を見て、ただただ、時間をすごすなんて、
こんな、ぜいたくなことはないです!
でも、よく考えると、
出稼ぎで、家族を離れて長いこと、
仕事をなさってるフィリッピンの方々のことは、
やっぱり、不公平に、思えます。
なんといっていいやら。
どう考えたらいいのやら。
船乗りたちのことを、書き出したら、
一冊の本ができそうなくらい、です。
でも、きょうは、このへんにします。
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