先日、となりの県まで行って、ワクチンを受けてきました。
その県は、あまり状態が良くないので、
ワクチンも、たっぷりあるようなのです。
一時間くらい車を走らせて、
注射場に、着きました。
注射場では、まぁ、それはそれは、
うまく段どりができていて、
空港を通り抜けるよりも、ずっとラクです。
ただし、
みなさんの、ドキドキが伝わってきます。
なんでだろう、と思いますが、
やっぱり、注射の「後」のみなさんが、ドキドキしていないのを見ますと、
ははーん、注射がこわいのですね、という推測になります。
私は、注射自体は、ぜんぜんこわくありませんが、
そのあと、どうなるのか、
重体になるのか、
体が、新しい変なことになってしまうのか、というような気持ちは、
ちょっとは、あります。
よく知らないワクチンです。
この先のことは、だれもわかりません。
でも、結果は、今のところは、
大したこともなく、すみました。
あとで、15分くらい座って待って、様子を見てから、
帰ってもいい、と言われました。
そのあとは、
ル・マンの街を、ぶらぶら歩きました。
24時間のレースで有名な、あの、ル・マンです。
たった1時間で、着けるというのに、
なかなか来ない街です。
用事がないと、来ることはありません。
地図も持たずに、ぶらぶら歩きますと、
旧市街は、ステキでした。
中世の時代に戻ったような気になります。
もう、そろそろ疫病のことも忘れて、
ふつうに、ぶらぶらしているような気持ちになります。
ただ、
カフェへ入って、座る、ということは、
まだ、しません。
テラスは、一応開いていますから、
本当は、座りたいのですが、
さて、座った時に、となりの人が、どのあたりに座るのか、
そして、
風の具合で、風上に、もし、ウイルスの人がいたら、
どうなるのか、などと考え始めますから、
ゆったり座れそうにもありません。
結局、ふらっと、ミュゼに入ります。
マスクをしたまま、ひたすら歩いて、
油絵を楽しみます。
この地方の景色が、
ものすごくよく説明されている絵が、たくさん。
地元の方たちは、それはそれは、
誇りに思っていることでしょう。
ですが、こんなに素晴らしいのに、
私は、それほど、興味もわきません。
それより、
故郷のみんなは、どうしてるだろうか、だとか、
故郷のひと昔の景色は、どんなだったのだろうか、
の方が、気になってしまいます。
ずいぶん長いこと、故郷に帰っていませんから、
ホームシックになっている、というのが、
わかります。
それでも、
中に、あ、すてき、と、
好きになってしまう絵に、出会います。
もちろん、このあたりの風景なのですが、
説明を見れば、
珍しく、
画家は、地元の人では、ありません。
私のような、外国人でもありませんが、
やはり、別なところから、やってきた人が描いた絵です。
しばらくぶらぶらして、
お茶は、やっぱり、家で入れよう、ということになりました。
用意してきた、お茶の道具は、
そのまま家へ戻ってきました。
ワクチンを腕に、
さぁ、具合はどうなるか、と待ちかまえていましたが、
何が起こるということもありません。
ちょっと、くたびれたかな、ぐらいです。
注射のすぐあとに、
体に異物が入ってきた、という感じと、
泣きたくなるような気持ちが、少ししましたので、
そんな話を友人にしたら、
「ちょっとしたショック症状でしょう」と言いました。
そうかもしれませんが、
ショックといえば、
私のワクチンの書類を見た時に、
年齢のところの数字を見て、
ちょっぴり、ショックを受けました。
どなたか、別な人の書類かと思いました。
あぁ、そうだっけ、
そういう年になったのだっけ、ということに
気がつくまでに、しばらく時間がかかりました。
きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。
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