2016年7月22日金曜日

貨物船の旅は、予想以上にロマンチック

フランスのお船です。キャビンには、広いサロンと、寝室、バスルーム。

しばらく、ごぶさたしておりました。

実は、貨物船の旅にでるため、
ハンブルグへ行っていました。
そこから、オランダ、ベルギーの港を経て、
フランス、ル ハーブルへもどってくる、という行程です。
ハンブルグ港。出港日の朝、遊覧船で、自分の乗る船を見に行きました。
















それが、
コンテナ船の旅というのは、
予想以上に、すばらしかったです。
出航に、遅れがでたり、
旅も、予定より長くなったり、と、
ふつうの旅とは、ちょっと違います。

第一に、
船が水の上を走っている時も、
港にとまっている時も、
船は、いつもゆらゆらとしています。
その、心地いいことといったら!

夜、床に就くときも、
その「ゆらゆら」にゆられているというのは、
ゆりかごのようです。

あまりに、心地よくて、
ゆりかごの時代を通りこして、
おかあさんのおなかにいた時、
ゆらゆらと、ただよっていた、
その安心感を、思い出してしまいました。
(という、気分になってしまいました)

一週間ほど、ゆらゆら。
朝も、昼も、夜も。
そのあと、陸にあがったはいいけれど、
陸の生活に慣れるのに、時間がかかってしまいました。

このすばらしさを、ぜひ、ご紹介したいけれども。
いったい、どこからお話していいのやら。

海。
空。
水平線。
毎回、違う色。

航海中も、停泊中も、
いつも、きこえてくる、
やさしいエンジンの音。
まるで、合唱のついたオーケストラの音のよう。
それが、
ハ長調で。

一般の方は、気になさらないでしょうが、
ハ長調のトーンというのは、概して、
明るく、すなおで、正直そう。

いつもきこえてくる、
心が、おちつく音。

建物の最上階9階にある、舵取室わきのデッキ。
ながめはいいです。風も強いです。

船といっしょに、いつまでもいつまでも飛ぶ、あほうどり。
遊んでいるのか、
人恋しいのか。

ざくざく散らばっている、星。
天の川。

初めて見た、沈む月。
沈むお日様と同じように、オレンジ色になるなんて。

たくさんの船も。
小さくても、ぼろくても、大きくても、ぶかっこうでも、
船は、みな、エレガントな動きで、
ゆっくりと、確かに進んで行く。

その、すてきなこと。


そして、
船乗りたち。

とてつもなく大きな船に、オフィサーとクルー、あわせて27人。
乗客は、お年のドイツ男性と、私2人だけ。

毎日、3度の食事を、ご一緒させていただいて、
船乗りの生活も、ほんのちょっと、
ながめさせて、いただきました。

別に、船乗りたちだけが、特別すばらしいというわけではありません。
陸と同じの、人間です。
ただ、家族からはなれて、何ヶ月も仕事をしているからか、
人恋しいのか、
ほんのちょっと、お話するだけで、
心が伝わってくるようでした。

なんだか、
古くからの、知り合いのような、
おしゃべりもしました。
仕事のこと、
家族のこと、など。
港の出入りには、地元のパイロットが舵をとります。
遠く、右端に見えるのがキャプテン。
静かに見守っているようにみえます。

そんなわけで、
陸にあがってから、3日間は、
エンジンのコーラスの音が、そら耳で、聞こえていました。
そして、
土酔い、というのか、
地面がゆらゆらと動いている感覚が、
3日も4日も、ずっと、とれないでいました。

それに、陸にあがって、がっかりしたことがあります。
船の上で、印象を、ブログ用に、いくつも書き留めておいたのです。
そして、陸にあがって、
インターネットがつながるようになったら、
すぐに更新しようと思っていたのです。
ところが、私のミスで、下書きは、消えていました。
がっかり!

まぁ、それはしかたないとして、
ほんの少し、写真をアップします。

たぶん、
また来年、コンテナ船の旅をしたいと思います。
今度は、もうちょっと長い旅にしたいです。

今回は、
ちょっぴり海が荒れていた時もありましたが、
それでも、船酔いにならなかったので、うれしいです。
それに、
少しくらいなら、酔ってもいい、という気持ちです。
それにひきかえ、ステキなものが、ありすぎるからです。

また、
ステキだったことを、ブログに書きたいと思います。

きょうは、ここまでにします。
読んでくださって、どうもありがとうございました。

↓ ランキング応援クリックしていただけたら、うれしいです。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

p.s.

私の乗った船は、「ベンジャミン -フランクリン号」という、とても大きなコンテナ船でした。French Asia Line 1という、ヨーロッパとアジアを結ぶ航路を、行き来しています。そのほんの一部を、乗せてもらいました。たいていの貨物船は、4人ほど、一般の人を乗せてくれるそうです。

2 件のコメント:

まめゆう さんのコメント...

ブログの更新がされないので、無事に戻られたのかなぁと気になっておりましたが、コンテナ船の旅、満喫されたようですね。よかったです!!
船室がとてもきれいで、まるでホテルのよう!!かなり新しい船のようですね。
chiyoさんが感じられた通り、船乗りさん達は独特の雰囲気をもっていますよね。わたしも、船会社勤務の頃に、周りに陸上勤務の(会社の都合で)船乗りさん達がたくさんいて、おおらかさと人懐っこさに触れる機会がありました。当時、わたしも若かったので、とてもかわいがってもらいました。
あまり船酔いされないようでうらやましいです。わたしは船酔いをするので、乗船研修から逃げ回っていました(笑)。
また、船旅のお話し書いて下さいね。

Chiyo さんのコメント...

まめゆうさん、こんにちは。コメント、ありがとうございます!!

はい、ごらんのように、満喫して帰りました。
あぁ、やっぱり。まめゆうさんも、船乗りさんたちのこと、そう思われますか。
そうですね。陸上とは、ちょっと違うのですよ。いったい、何なのか。ミステリーです。

実は、私の祖父が、機関長をやっていました。
といっても、残念なことに、会ったことはないのですが、
そんなこともあって、
格別、こちらが親しみを持ってしまったこともあると、思います。

船酔いされる、というのは、実に、残念なことです。

とはいえ、酔う体質も、年とともに変わるときいておりますので、
いつか、おためしになれたら、いいですね。

お声かけてくださって、どうもありがとうございました。