きのう、日曜日は、雨が降りませんでした。
このごろでは、めずらしい方です。
毎日、毎晩、強い雨が降っているのです。
お昼ごろになると、くもり空でも、
ずいぶん明るくなってきました。
春は、すぐそこまで来ている、というのがわかります。
もしかすると、
もうじきロックダウンになるかもしれない、と思うと、
さぁ、今のうちにどこかへ行きたい、と
思ってしまいます。
森の中を歩きに行こう、ということになります。
そして、帰りに、
植木屋さんに寄って、春のお花を買って帰ろう、と思います。
すると、
割引クーポンがある、と夫が言います。
さっき、ゴミ箱に捨てたところ、
今日が期限だから、と言って、またゴミ箱から、
取り返して来ます。
なんだか、タイムリー、と思っていますと、
雨がまた、ぱらついてきます。
ダメかな、
どうかな、と天気予報を調べれば、
午後3時には、また雨が降り始める、ということですので、
森歩きは、ダメかもしれません。
でも、
天気予報は、まちがえることもあるし、
急いでお昼を食べて、
今、行けば、少しは歩けるかもしれない、と、
チャンスを計算するのですが、
そういえば、
さっき、ブリオッシュを、
パンのマシンにしかけたところなのです。
でき上がりの時間に、
すぐ取り出せないのは、ダメです。
4時までには帰ってこなくてはならない、という
新たな障害物が、現れてきます。
でも、
思い始めたら、どうしても行きたくなってしまいます。
今、行けば、大丈夫かもしれない!と、
お茶も、全部飲み干さないうちに、
急いで、
準備します。
そういうのは、得意です。
遅刻ギリギリに学校に行く、とか、
あとあとまで伸ばしておいた仕事を、
締め切り前に、あわててやる、とか、
そういうのに、私は慣れています。
長年の訓練がありますから、
こんなの、お茶の子さいさいです。
4時10分までに帰って来ればいい、という
のを確認して、
超スピードで、出発用意をします。
ゴム長ぐつ、
カッパ、
傘、
マスク、
割引クーポン。
しばらく車を走らせて、
森の中に入ります。
まぁ、いい香り!
マスクをつけないで、ガンガン空気を吸います。
人はどこにも見えません。
まだ、
みなさん、お食事中かもしれません。
こんなに、空気を、
素手で(?)吸えるのは、久しぶりです。
それに、
切られたばかりの、松の木が並んでいます。
木くずも、あたり一面にあります。
その、いい香りといったら!
まるで、今使っているバスオイルそっくりです。
オイルが、木からきているはずなのに、
この香りがオイルに似ているとは、
おかしな話なのですが。
そんな香りを吸い込みながら、
今度は、森の中を歩きます。
景色は、どってことありません。
ただ、枯葉と、葉のない木があるだけです。
苔だけが、
みごとに緑の色を発しています。
まるで、蛍光塗料のような、緑です。
ガサガサと、枯葉の上を歩きます。
いつもなら、
キノコ採りにきます。
おいしいポルチーノ(ボレ)が目的です。
探しながら歩くのは、ゲームみたいでおもしろいのです。
でも、この時期には、もうキノコはありません。
ただ、ひたすら、歩くだけです。
しばらく歩いているうちに、
はじめは感動した、いい空気も、
だんだん、あきてきます。
もういいか、と、
森を出て、今度は、植木屋さんへ向かいます。
そこで、
プリムラベール、スイセンをいくつか、
そして、
あとひとつ、何を、買ったかといいますと、
ジンチョウゲです。
これは、
実は、前に、うちにもあったのです。
日本から、トランクにしのばせて、わざわざ持ってきたのです。
(それほど、好きなのです)
ところが、
ある日、やはり草木が好きな友人に、
「いい香りの花が咲いたから、いらっしゃい」と
見せたらば、
「あぁ、ダフネね。
いいわね。私も大好きよ」と言っていたのです。
えーっ、フランスにもあるのですか?!
それも、
ダフネって、いうのですか?
と、びっくり、かつ、ちょっとがっくり。
ダフネというのは、
音楽をやっている人なら、聞いたことのあるかもしれない名前です。
そういうバレエ音楽がありますし、
フランスには、
そういう名の女性があります。
ジンチョウゲが、ダフネだったとは。
なんだか、香りまで、
西洋風になって、突然、変更してしまったように
思いました。
その後、そのジンチョウゲは、
枯らしてしまったのです。
ですので、
今度は、フランスで買えばいい、と思っていたところです。
それが、
ゴミ箱から取り戻したクーポン券で、
また、
よみがえったような、
新たなジンチョウゲを手に入れることができました。
マスクのせいで、
お店では、香りはわかりませんでしたが、
花を見ただけで、頭の中では、香りが浮かびました。
家へ帰って、
マスクを取るのが、楽しみだと思いました。
家へ着いたら、
家中が、ブリオッシュの焼けるいい香りでした。
あと4分で、焼きあがるというタイミングでした。
なんだか、
一人で、「やったー!」と、得意になりました。
雨にも、あいませんでしたし、
ブリオッシュも、大丈夫でした。
そして、
顔をジンチョウゲに近づけて、
たっぷり、いい香りを吸い込みました。
遠い昔、昭和時代に、楽しんでいたあの香りと、
まったく同じでした。
ああ、よかった、と
思いました。
きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。
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