2021年11月1日月曜日

テクノロジーで、永い夢がかなう

このごろでは、ロワール地方にはめずらしく、
カラッと晴れた日が続いています。
青空が、こんなに楽しいものだとは、思っていませんでした。

それに、
お日様に照らされた空気、というのは、
独特の、いいにおいがします。
干した、おフトンのようなにおいです。
窓をあけておきますと、
しばらくすると、そういうにおいになります。

それは、
胸いっぱい吸いたくなるような、いいにおいです。

先日、
田舎の方まで、足をのばしました。
木々は、まだモミジの色、とまではいっていませんでした。
でも、だんだん、黄色くなっている様子、
落ち葉が落ち始めている様子は、
ステキでした。






 






それから、
こないだ植物園に行って、ギンナンを見つけたのですが、
ひろう道具を持っていませんでした。
ので、
こんどは、ばんかいしようと、
もう一度、出かけて行きました。

とても、がっついていて、ちょっと恥ずかしいのですが、
何十年も、ギンナンを食していないので、
こういう行動になってしまいます。
一度、アジアスーパーで、一袋買ったことがあるのです。
でも、
中が空っぽだったり、食べられなかったことがあります。

入ってはいけない芝生の中に、
ちょっと足をふみ入れなくては、なりません。
キョロキョロしながら、
ビニール袋で、急いで、ひろいました。
手がかぶれないように、気をつけて、
バッグに入れて、持ち帰りました。

小さすぎるのもあったので、
食べられるのは、8個だけでした。
それでも、
洗って、
おナベでカラカラと炒って、
最後に、やわらかい中身が出てきたときは、
とても、うれしくなりました。

うす皮をとると、まあ、宝石のようにきれいな、
黄みどり色をしていました。
味も、最高でした。
















話は、変わります。

先日、「折りたたみピアノ」という話を聞きました。
それで、海外旅行に行く方がある、というのです。
いったいどんなものか、と、
興味が出てきました。

ピアノ弾きは、
バイオリン弾きや、フルートの人とちがって、
自分の楽器を持ち運べない、という悲しさがあります。
それで、
旅行の時は、いろいろ、ピアノのあるうちに寄せてもらったり、
ピアノのあるレストランの、営業時間外に、
使わせてもらったりしています。

ですので、
背中にしょって、自分の楽器を持ち運べたら、
どんなにいいか、とつねづね思っていたのです。
調べてみれば、
たしかに、折りたたみピアノというものが、
存在するのです。

どうせ、音は、おもちゃのような音かもしれない、
と、思いながらも、
ためしに注文してみることにしました。
















届いた、そのプラスチックピアノは、
とてもよくできています。
折りたためば、テニスのラケットケースくらいの感じになります。
ちょっと、ずっしりしますが、
背中にしょえば、旅もできそうです。
それは、私にとっては、すごいことです。
ながい、ながい、夢が、かなったのです。

肝心の音は、ちょっと、おもちゃっぽいですが、
タッチは、ものすごくよくできています。
いくら速弾きをしても、
ちゃんと、ついてきてくれます。

そして!

これは、
文明の利器、
テクノロジー発達のおかげ、としか言いようがないのですが、
ひと工夫をすれば、
いい音を出すこともできる、のです。

パソコンをつなげると、
質のいいグランドピアノの音を、
このプラスチックピアノで、
出すことができるのです。
これは、信じられないというか、
ちょっと、ギャグのように、おもしろいことです。

とても、満足です。
















ずっと前に、
CD を作っていた時に、
録音エンジニアと、ゲラゲラ笑った覚えがあります。
それは、
録音した音に、
コンピューターソフトで、いろんなことができるのです。

ちょっと技術的になりますが、
ふつうのピアノの、音に、
アムステルダムの、名高いホールの、あのすばらしい音響を使って、
仕上げる、とか、
名高いグランドピアノの音を、
小さな部屋の音響で、仕上げる、とか。

極端にすると、
名高いグランドピアノの響きを使って、
「電話ボックスの音響」で、仕上げる、というのも、
ためしにやったことがあります。
電話ボックスの中の、ほわ〜んとした音響。
それを使って、スタジオのピアノの音を仕上げるなんて。

ここで、
ゲラゲラ大笑いになりました。

電話ボックスなんて、
もう、古い、懐かしグッズです。
ご存知ない方も、あるかもしれませんが、
あの狭いボックスの中に、
グランドピアノが入るわけないのですが、
理屈では(機械では)、
その音響を使った、グランドピアノの音が出せるのです。


その音は、
アットホームな、なかなか、いい音でした。
















さて、
フランスでは、きょう11月1日は、
お墓まいりに行く日です。
フランスでは、
お墓には、菊の花をそなえるのが、習慣です。
ですので、
たくさんの鉢植えが売られています。

ですが、
これを、おうちにかざる人もいます。
ただし、人にプレゼントするのは、しません。
フランスに来たてのころ、それを知らずに、
プレゼント用に、とお願いしたら、
これは、お墓のイメージなので、
プレゼントはしないものなんですよ、と
花屋さんが、教えてくださいました。

今でも、
そのことを思い出します。

菊の花は、とても強くて、いい香りをはなっています。
これは、どこに行っても、同じです。

遠い昔、昭和時代、
小学生の時、
担任の先生が、菊の栽培を、させてくださいました。
菊の葉から、さし木(葉)をして、
クラスの生徒全員、
一人ずつ、植木鉢を持って来させて、
うら庭で、育てさせてくれました。
どんな色の花が、咲くのか、と、
みんな、楽しみに、水やりをしました。

私のは、どんどん大きくなって、
とても背が高くなりました。
どんな花になるかと、楽しみでした。
ですが、
ちっとも花が咲かなかったのです。
とても残念でした。

そのとき、あのやさしい先生が、
なんとおっしゃったか、覚えていませんが、
そのことで、つむじを曲げることもなく、
今でも、私は、植物を育てるのが大好きです。
ですから、
きっと、何か、やさしい言葉をかけてくださったはず、
と、思っています。

いったい、何て、おっしゃったのでしょうか?
今でも、ときどき、考えます。





私も、これから、お墓まいりに出かけます。
とてもいいお天気ですので、
いいドライブにも、なりそうです。

きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。




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