このごろでは、ロワール地方にはめずらしく、
カラッと晴れた日が続いています。
青空が、こんなに楽しいものだとは、思っていませんでした。
それに、
お日様に照らされた空気、というのは、
独特の、いいにおいがします。
干した、おフトンのようなにおいです。
窓をあけておきますと、
しばらくすると、そういうにおいになります。
それは、
胸いっぱい吸いたくなるような、いいにおいです。
先日、
田舎の方まで、足をのばしました。
木々は、まだモミジの色、とまではいっていませんでした。
でも、だんだん、黄色くなっている様子、
落ち葉が落ち始めている様子は、
ステキでした。
それから、
こないだ植物園に行って、ギンナンを見つけたのですが、
ひろう道具を持っていませんでした。
ので、
こんどは、ばんかいしようと、
もう一度、出かけて行きました。
とても、がっついていて、ちょっと恥ずかしいのですが、
何十年も、ギンナンを食していないので、
こういう行動になってしまいます。
一度、アジアスーパーで、一袋買ったことがあるのです。
でも、
中が空っぽだったり、食べられなかったことがあります。
入ってはいけない芝生の中に、
ちょっと足をふみ入れなくては、なりません。
キョロキョロしながら、
ビニール袋で、急いで、ひろいました。
手がかぶれないように、気をつけて、
バッグに入れて、持ち帰りました。
小さすぎるのもあったので、
食べられるのは、8個だけでした。
それでも、
洗って、
おナベでカラカラと炒って、
最後に、やわらかい中身が出てきたときは、
とても、うれしくなりました。
うす皮をとると、まあ、宝石のようにきれいな、
黄みどり色をしていました。
味も、最高でした。
話は、変わります。
先日、「折りたたみピアノ」という話を聞きました。
それで、海外旅行に行く方がある、というのです。
いったいどんなものか、と、
興味が出てきました。
ピアノ弾きは、
バイオリン弾きや、フルートの人とちがって、
自分の楽器を持ち運べない、という悲しさがあります。
それで、
旅行の時は、いろいろ、ピアノのあるうちに寄せてもらったり、
ピアノのあるレストランの、営業時間外に、
使わせてもらったりしています。
ですので、
背中にしょって、自分の楽器を持ち運べたら、
どんなにいいか、とつねづね思っていたのです。
調べてみれば、
たしかに、折りたたみピアノというものが、
存在するのです。
どうせ、音は、おもちゃのような音かもしれない、
と、思いながらも、
ためしに注文してみることにしました。
届いた、そのプラスチックピアノは、
とてもよくできています。
折りたためば、テニスのラケットケースくらいの感じになります。
ちょっと、ずっしりしますが、
背中にしょえば、旅もできそうです。
それは、私にとっては、すごいことです。
ながい、ながい、夢が、かなったのです。
肝心の音は、ちょっと、おもちゃっぽいですが、
タッチは、ものすごくよくできています。
いくら速弾きをしても、
ちゃんと、ついてきてくれます。
そして!
これは、
文明の利器、
テクノロジー発達のおかげ、としか言いようがないのですが、
ひと工夫をすれば、
いい音を出すこともできる、のです。
パソコンをつなげると、
質のいいグランドピアノの音を、
このプラスチックピアノで、
出すことができるのです。
これは、信じられないというか、
ちょっと、ギャグのように、おもしろいことです。
とても、満足です。
ずっと前に、
CD を作っていた時に、
録音エンジニアと、ゲラゲラ笑った覚えがあります。
それは、
録音した音に、
コンピューターソフトで、いろんなことができるのです。
ちょっと技術的になりますが、
ふつうのピアノの、音に、
アムステルダムの、名高いホールの、あのすばらしい音響を使って、
仕上げる、とか、
名高いグランドピアノの音を、
小さな部屋の音響で、仕上げる、とか。
極端にすると、
名高いグランドピアノの響きを使って、
「電話ボックスの音響」で、仕上げる、というのも、
ためしにやったことがあります。
電話ボックスの中の、ほわ〜んとした音響。
それを使って、スタジオのピアノの音を仕上げるなんて。
ここで、
ゲラゲラ大笑いになりました。
電話ボックスなんて、
もう、古い、懐かしグッズです。
ご存知ない方も、あるかもしれませんが、
あの狭いボックスの中に、
グランドピアノが入るわけないのですが、
理屈では(機械では)、
その音響を使った、グランドピアノの音が出せるのです。
その音は、
アットホームな、なかなか、いい音でした。
さて、
フランスでは、きょう11月1日は、
お墓まいりに行く日です。
フランスでは、
お墓には、菊の花をそなえるのが、習慣です。
ですので、
たくさんの鉢植えが売られています。
ですが、
これを、おうちにかざる人もいます。
ただし、人にプレゼントするのは、しません。
フランスに来たてのころ、それを知らずに、
プレゼント用に、とお願いしたら、
これは、お墓のイメージなので、
プレゼントはしないものなんですよ、と
花屋さんが、教えてくださいました。
今でも、
そのことを思い出します。
菊の花は、とても強くて、いい香りをはなっています。
これは、どこに行っても、同じです。
遠い昔、昭和時代、
小学生の時、
担任の先生が、菊の栽培を、させてくださいました。
菊の葉から、さし木(葉)をして、
クラスの生徒全員、
一人ずつ、植木鉢を持って来させて、
うら庭で、育てさせてくれました。
どんな色の花が、咲くのか、と、
みんな、楽しみに、水やりをしました。
私のは、どんどん大きくなって、
とても背が高くなりました。
どんな花になるかと、楽しみでした。
ですが、
ちっとも花が咲かなかったのです。
とても残念でした。
そのとき、あのやさしい先生が、
なんとおっしゃったか、覚えていませんが、
そのことで、つむじを曲げることもなく、
今でも、私は、植物を育てるのが大好きです。
ですから、
きっと、何か、やさしい言葉をかけてくださったはず、
と、思っています。
いったい、何て、おっしゃったのでしょうか?
今でも、ときどき、考えます。
私も、これから、お墓まいりに出かけます。
とてもいいお天気ですので、
いいドライブにも、なりそうです。
きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。
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