2018年3月21日水曜日

価値観が、くつがえされてしまう



しばらく、ごぶさたしておりました。

なんていうことはないのに、
毎日が、あれよあれよというまに、
すぎていってしまいます。

ところで、
毎日、毎日、寒いです。
寒い風がふいて、
顔が冷たいです。

あら、これは、シベリアからのかしら、と
エキゾチックな気持ちもします。


ところで、先日、
ピアノの生徒さんに、すごい影響をうけました。

私のクラスで、ずっとピアノを習っていた男の子です。
数年お休みしていましたが、
また、クラスに戻られました。
もう、大学生です。
音楽学を勉強中。

今年のはじめに、
ふたたび私のクラスに、来てくださったとき。

うわぁ、大きくなった。
音楽が、もっともっと深くなった。
熟したなぁ。

と、びっくり、うれしく思いました。

ところが、
その彼と、話をしていると、
どうしても、話があわなくて、
まじわらなくて、
ある時点で、2本の、平行線になってしまうことがあるのです。



それは、なんの話かといいますと。

将来、どういう仕事につくか、という話です。

今、彼は、音楽学の大学生ですから、
そのコースでいくと、
たいてい、学校の音楽の先生になる、とか
大学で教える、となります。

けれども、
最近では、高校の音楽の授業の数がへったり、
大学の職も、へったりしていると、聞いています。
仕事が見つからなくて困らないように、
そのへんを、ぜひ、
ちゃんと調べた方がいい、と、
私は、伝えます。
まぁ、これも、私の仕事のうちです。

けれど、
彼は、まぁ、のんきなものです。
ニコニコと、
はい、こんど、調べます、と言ってますが、
あまり、急いでもいませんし、
別に、心配もしてない感じです。

どんなに話しても、
「のれんに腕押し」状態です。



しばらく、話をかわしていて、
私は、

あっ、

と、思いました。

そりゃそうだな、と思いました。
ここで、
ここから、
私たちの話が、平行線になったのだ、と
思いました。

それは、
彼が言うには、

「ボクは、音楽が好きだから。
もしかすると職が見つからない、といっても、
ボクは、他に好きなことは見つからない」

だから、
この道で、チャンスを見つけるしかない、
賭けてみる、というのです。
好きじゃない仕事をする、というのは、
問題外だ、というのです。

それも、
「問題外」という言葉を、
彼は使わなかったです。
「好きじゃない仕事をするなんて」と、
言って、
両手をひろげて、
肩をすくませた。
ただ、それだけです。

ね、わかるでしょ、
そんなこと、できるわけないでしょ、

と、そういう感じでした。

あぁ、なるほど〜、と
私は、深く、深く、感心しました。

それから、
数日間、
今でも、まだ、私は感心しています。
思い出すたびに、あぁ、なるほど、と
感心してしまいます。

そういう発想が、私には、なかったです。
あったかもしれないけれども、
私は、ラッキーにも、
さがしもせずに、好きな仕事につけたけれど、

はて、
うちの娘たちには、
どう教えてきたのだろう、と、
気になってしまいます。

いえ、そういう発想はあったのです。
けれども、ちゃんとそれを伝えたかしら。
学校で、ちゃんとしなくちゃ、と
それに目をとられてなかったかしら。
それに、
仕事が見つからないで、苦労したら、かわいそう、
なんて、思っていたでしょう。

たしかに、
そうです。
好きなことを追求していれば、
たとえ、最初、うまくいかなくても、
好きなことなんですから、
幸せなはずです。
毎日、何年間も、する仕事です。
毎日が幸せだったら、それが一番なはずです。


そんなことを、
そんなあたりまえのようなことを、
忘れかけていました。
生徒さんに、あらためて、おしえてもらいました。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。


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