ふだんでしたら、フランスの8月といったら、
休みの店が多いのです。
どなたも、バカンスに行ってしまって、
町は、お留守、という感じになります。
ところが、今年は、ずいぶん生き生きとしています。
コロナ前の、いつもなら、
新鮮な野菜を手に入れるのだって、ひと苦労していました。
しかたなく、スーパーの、しおれた野菜を買っていました。
ところが。
今年は、
朝市には、農家のみなさん、たくさん来ています。
それに、
町中の店も、開いていて、
そして、人も出ています。
時代が変わったのか、
コロナで働けなかった分か、よくわかりませんが、
私の方は、ちょっぴり、
調子が狂います。
おぉ、フランス人、
勤勉になったんですか、と思ってしまいます。
まぁ、お店が開いていて、
野菜、くだものが手に入る、というのは、
ラクなことです。
きょうは、けっこう暑いですが、
それでも、だんだんと涼しくなっているのがわかります。
すると、
こないだ暑くて苦しかったことなど忘れて、
「あら、行水ができないわ」などと、
文句を言ったりします。
せっかく、子供用プールを出したのに、
あまり使えなかったわ、なんて、
思ってしまいます。
でも、
ほんとうは、涼しい方が、100倍くらい、
いいのです!
先日、田舎道を走って(車で、です)、
となり町まで、買い物に行きました。
小さなテーブルが必要でした。
文机(ふみづくえ)というような、畳の上で使えるようなテーブルが、
欲しかったのです。
前に、
同じようなテーブルを手に入れて、
とても具合が良かったので、こんなのをもう1つ、と思いました。
もうこういうのは作られていませんから、
古道具屋さんで、さがします。
学校の机くらいのサイズで、
引き出しがあるもの。
足は、長すぎても、切ればいいのです。
と、
いろいろ、調べていましたところ、
となり町にある、ということです。
それが!
女の人がやっている古道具屋さんです。
といっても、お店はなくて、
そのアトリエで、買うことができます。
けれど、そのアトリエと、
品物が置いてある、その場所の広さと言ったら。
いくつも部屋があって、
いろいろな家具が積み上げられています。
その量と言ったら!
それをジロジロ見てまわる、おもしろさと言ったら!
それに、
気がつけば、
私が好きそうな家具ばかりなのです。
たとえば、引き出しのある小さなテーブル。
そんなのが、
いくつもあるのです。
こんなにたくさんあるなんて、珍しいことです。
しばらく見せてもらって、
予定していなかったものまで、
買うことにしてしまいました。
こうやって写真で見ると、大きく見えますが、
実は、これは、みな、小さいのです。
お風呂ですわるような腰かけ、
子供用、机。
足を切ってもらった「農家のテーブル」
お人形の、タンス。
お人形のタンスは、
引き出しが、よくできていて、本当に可愛らしい。
そのほかにも、いくつも、
お人形用の家具や、
瀬戸物のおままごとセットも、ありました。
話をしなくても、わかってしまいますが、
話をすれば、
女主人と、なんとなくシュミが似ているのが、
解明します。
細かいところ、たとえば、
テーブルの板には、
両はしに、たての枠がある方が好き、とか、
ペンキより、素のままの木の方がいい、とか、
まぁ、どうでもいいことですが、
同じようなシュミなのです。
ゆっくり、
物置のような部屋を、
いくつも見せてもらいました。
ソファーなどがあったりすると、
もしかすると、のみがうつるかもしれない、と
ちょっとよけて、遠回りに通ったりします。
ほんとうに、「蚤の市」というのは、
こういうことなのだなぁと、あらためて感心したりします。
重なっているもの、
うしろにあるものを取り出して見ていると、
手は、ホコリだらけになります。
そして、
彼女が買い出してきたものは、例外なくみんな、
なんとなく、
私も好きそうなもの。
けれども、
食べ物なら、何回も買いに来られるけれど、
家具なんて、何回も買うものではないし、などと、
ブツブツ考えているうちに、
さよならを言う時になりました。
でも、きっとまた、来るかもしれません。
帰りがけに、
「日本には、よく行くの?
私は、本を読むのが大好きで、
川端なんて、とっても好きです。
川端なら、全部読みましたよ」と言っていました。
あら、また、共通点。
本を読むのは、私も大好きなのです。
久しぶりに走った、田舎の道は、
暑くて、
カラカラに乾いていて、
畑も、
道ばたの草木も、
緑が、麦わら色になってしまっていました。
見ているだけで、のどがかわきそうでした。
ところどころ、
栗の木が、青い実をつけているのが見えました。
9月で学校がはじまるころには、
以前は、
栗拾いに、子どもたちとよく行きました。
子どもが巣立った今では、うちでは、
栗も、食べる人が少ないです。
ですので、
拾うこともない、買いましょう、と、
なります。
そんなことを考えながら、
車を運転しました。
きょうは、
うちに来た、あの家具たちを、
洗ったり、
ヤスリで磨いたり、
ワックスをぬったり、しました。
洗っていて、
よごれがとれるたびに、
子どもだから、きっと、
おやつの手でさわったりして、
よごれも、一層ついたのだろう、と思ったりします。
そして、その子どもは、
もう大きくなって、そして、
今、何才くらいかしら、
もしかすると、もうおじいさん、おばあさん。
それとも、
もう、お墓の中かもしれない、と
思い浮かべたりします。
フランスの、その、「一昔前」が、
うちに来ました。
日本の人が、こうして、
文机にして畳の上で使う、なんて、
そのおじいさんは、考えたことあったかな、
まさか、ないだろうな、と
これまた、ブツブツ考えながら、
作業をしました。
夏休みも、終わりに近づいてきました。
宿題に追われて、あせってくるような、
そんな気持ちが、
ほんの少し、します。
きょうも、ご訪問、
ありがとうございました。
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