ロワール地方では、
毎日のように、晴れの日が続いています。
これは、かなり、すごいことです!
空は、「天高き、馬肥ゆる、、、」という感じになって、
突き抜けています。
この気持ちよさ!
このめずらしいこと!
この貴重なこと!
この価値が、わかる、ということは、
いつも、そうでない、空の下に暮らしているからです。
この地方では、
秋といえば、くもり空、
もしくは、霧の中、小雨の中。
もう、湿ったくて、
しんしんと冷えてしまいます。
それが、
こんな風に、突き抜けた空で、
木の葉っぱが、キラキラして、動いているのを見るのは、
本当に、気持ちがいいです。
こちらの勝ち、となりそうです。
きのうは、友人のところへ、ランチにお呼ばれでした。
しばらくぶりでしたので、
なおさら、楽しく思いました。
ふつうの、ご飯を、一緒に食べるのは、
めずらしく、うれしくなりました。
静かで、いい、ひとときでした。
ところで、そこで、
新たな発見をしました。
ご飯のあと、カフェがいいか、お茶がいいか、と
聞かれて、
お茶、と言ったものの、
ええと、このうちでは、どんなお茶が出てくるんだっけ、と、
考えてしまいます。
私が40年くらい前にフランスに来た時は、
フランス人がお茶を飲む、というのは、
とても、とても、珍しいことでした。
スノッブなおばあちゃんたちか、
もしくは、
大麻を吸うような学生しか、飲んでいませんでした。
もし、カフェで、お茶などを頼んだら、
大変。
ずっと前に開けたようなティーバッグの箱に、
カサカサになっていて、
残っていた、そんなのティーバッグを、カップに入れてくれます。
注いでくれるお湯は、
熱くもなく、
煎じられた液体は、苦いか、味がないか、のどちらかです。
その点、今では、
ずいぶん、お茶が広まりましたし、
フランスのお茶の老舗も、にぎわっているくらいです。
ものすごくたくさんの、ステキな香りの種類があります。
私は、
お茶は、お茶そのものを、味わいたいのですが、
フランスでは、香りをつけて、
それを楽しむ方が、多いです。
水も、みなさんの好みも、
この国では、お茶よりも、カフェの方が、合うのかもしれない、と、
思ってしまいます。
さて、このうちでも、フレーバーティが出てくるかな、と思いながら、
お茶をお願いしましたところ、
パリの老舗の、いいお茶が、数種類出てきて、
どれがいいですか、と聞かれます。
テーマは、「オペラ」。
オペラ座の雰囲気で名前をつけてあります。
いろいろな味付けがあるようです。
私は、「幽霊のなんとか」というお茶をたのみます。
しばらくすると、
ガラスのティーポットに、お茶が入って出てきます。
それは、緑茶のフレーバーティだったということです。
まぁ、それは、緑がキレイです。
青みがかっています。
そして、それが、とてもおいしいのです!
これは、びっくりです。
香りがついているお茶だと思うのですが、
どの香りが勝つこともありません。
とてもやわらかな、ステキなハーモニーになっています。
味は、パステルのようです。
でも、色は、青がかった緑で、見ているだけで、
ワクワクしてしまいます。
入れ方が、上手なのにちがいない、という気がします。
すると、話はこうです。
これは、
電気全自動の、ティポーットで入れられたのです。
お茶の葉っぱを入れて、
これこれこういう温度、
濃さはこれくらい、と入力すると、
あとは、もう勝手にやってくれるのだそうです。
そういえば、
さっき、子供たちが、「アァ、上がった」「まだ下がらない」と
言っていました。
何かと思っていましたが、
それは、このお茶を入れたフィルターの部分が、
お湯につかったり、
また、上に上がったりするのを、見ていたのです。
このティーポットは、
お茶を正確に入れてくれる、ロボットのようなものなのです!
へぇ〜と、
私は、ひどく感心してしまいます。
おいしすぎです。
ただのロボットでしたら、便利、なだけですが、
これは、お茶のいい味を引き出してくれているのです。
今まで、
あまりおいしくないと思っていた、香りのお茶は、
もしかすると、私の入れ方がうまくなかったのかもしれない。
だいたい、私は、緑茶を入れるのも、
苦手です。
お湯が熱すぎて、茶色のお茶になってしまいます。
日本には、温度調節が上手で、
とてもおいしく入れてくれる人がいます。
いつも、感心しています。
(フランスにもいます)
さて、どうするか。
今は、熱湯をザーッと書けるような、
紅茶だとか、ほうじ茶くらいしか、飲んでいません。
このティーポットがあったら、
もっと、たくさんの種類のお茶を楽しめます。
でも、
もしかすると、こんな高いものを買わなくても、
自分で、もうちょっと練習すれば、
温度調節が、できるようになるかもしれません。
それに、ロボットが必要だなんて、と、
ひと昔の日本人に、笑われてしまいそうに、思います。
どうしよう?
それにしても、
こんなティーポットができるなんて。
私に、ぴったりです。
買うか、買わないか、迷ってしまいます。
木の葉が、キラキラ光っています。
ルージュクという小鳥が、
「ぴよぴよ、くしゃくしゃ」鳴いています。
そして、
まだ、シェーブルフイユが、咲いていて、香りがいいです。
ビワの花は、つぼみがほころんできています。
桜餅の香りがするのです。
なんども、なんども、においをかぎに行ってしまいます。
こんなにいい香りの花も、めずらしいと思います。
そして、
キンモクセイ。
日が沈むのが、どんどん早くなってきて、
夜、外を歩くのが、おっくうになっています。
だんだん、秋も深まってきます。
きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。
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