2016年7月31日日曜日

島流しにあったような、気分



今、イタリアの、小さな島、エルバ島というところに、家族で、来ています。

大学生の娘2人も、一緒です。

とはいえ、
街が好きな人、
静けさが好きな人、
暑いのが好きな人、
暑いのが苦手な人、
などなど、

4人の希望は、まちまちです。
みんながそれぞれ、満足するように、
ここを選びました。

私には、ちょっと、暑すぎです。
蚊もいるし。

ですので、もっぱら、海岸に出ています。

ここに来る前に、フィレンツェに少しばかり、滞在しました。
すてきなことは、いっぱいだし、
食事も、おいしい。


それにしても、夏に、街を観光するのは、あまり、いいアイディアとは、思いません。
ともかく、観光客の方が、多すぎて、
(スミマセン、私も、観光客なのですが)ステキなものと、対話したくても、
ものすごく、集中力が必要です。

でも、上の、有名な絵は、集中力がなくても、見ていて、かなり、うれしくなりました。
貨物船の旅から、帰ってきた私は、すっかり、海の魅力にとりつかれています。
絵を見るのも、やはり、海に、目がいってしまいます。
たしかに、こういう色の、海は、あります。まさに、そうです。


ここの海水浴場は、波がなく、どちらかというと、湖のようです。
静かです。

ちょっぴり残念です。
波の音、波にゆられること、
波をながめること、を、
楽しみにしていたのですが。

そのかわり、と言ってはなんですが、
水が、とても透明です。

水泳ゴーグルをつけて、泳いでいたら、
手のひらくらいの、小さな魚が、少しばかり見つかりました!

きれいなこと。
しっぽの方に、黒いたてじまが、あって、
とってもおしゃれです。

しばらく、いっしょに、泳いでみたのですが、それが、とても楽しい。
ただ、
あたりまえですが、
私は、息つぎをしなくてはならないのです。
その必要がなかったら、もっともっと、深くまで、ついていくのに。

海底を見ると、
ぼうぼうと、イネ科の草のような、海藻が、たくさんはえています。
海底は、思ったよりも、でこぼこしていて、
じつに、いい景色でした。

今。海のとりこになっていますので、
海べで読む本は、
「海底2万マイル」。


むし暑くて、日差しの強い、島の風土は、久しぶり。
日本の海水浴を、思い出します。

日本の磯料理があったら、いいのにな、と、ちょっぴり、ないものねだりをしたくなります。

みなさん、この島には、休養に来てらっしゃるようです。
みなさん、海べでのんびりしてらっしゃいます。
私には、ちょっと、静かすぎるというか、静かな海べをながめていても、
船の旅とくらべてしまいます。
船に乗って、どこかに行きたくなります。

ちょっぴり、島流しにあったような気分です。

きょうも、おつきあいくださって、どうもありがとうございました。

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2016年7月28日木曜日

貨物船の旅「なかなか忘れられない、出会い」




貨物船の旅で、見たことです。


船の上には、
オフィサー(士官)と、クルー(乗組員)、あわせて27人の男性が乗っていました。

乗客は、ドイツのお年の男性と、私2人だけ。
ということは、女性は、私だけです。
それに、伝統的には、船には、女性は乗らないものです。

もちろん、今では、女性が受け入れられているのです。
でも、自分のキャビンから、
食事におりていくときなど、ふと、不思議な気分になります。



さて、
船乗りさんたちと、お話しする機会もありました。

背は高くなく、
ちょっぴり、いばった歩き方をして、魅力的な目をした、キャプテン。
無骨な、ものの言い方をするのですが、実は、いろんなことに、ものすごく気を配っているのが、わかります。

私が、ル・アーブルでおりる、数日前から、
船をおりたら乗る、タクシーの迎えの心配までしてくださいました。

船がいつ、港に着くのか、予想がつかないのに、私の帰りのタクシーのことまで、考えてくださっている。

ホテルに滞在するのが、ふつうの観光旅行だとすれば、
私の、貨物船旅行は、ホームステイのようなものだったかもしれません。

もうひとつ、
キャプテンと、最初に話した時、
ドジって、恥ずかしかったことです。

私の英語は、あまり上手ではないです。
それに、船に関する単語は、ほんのちょっとしか、知りません。
(だいいち、日本語に訳されていても、それが、何なのか、よくわからなかったりします)

最初の日、もう一人の乗客と一緒に、船の中を、見物したいと思いました。
エレベーターの中で、キャプテンと出会ったので、
「あぁ、ちょうどよかった、今、キャプテンズ ルームに、見学に行きたいと、思っていたのです」と言いました。

私は、キャプテンというのは、最上階の舵取り室に、いつもいて、たえず、舵を取っているものだと思っていました。舵取り室って、なんというのか、まぁ、よくわからないので、「キャプテンズ ルーム」なんて、言ってみました。

一緒にいた、もう一人の乗客も、「そう、そうなんです」なんて、相づちを、打ってくださって。

そうしたら、キャプテンは、戸惑いを完全には隠せずにも、
胸をはって、
「キャプテンズルームは、プライベートルームです!」と、おっしゃる。

「?」

えっ。
まさか、キャプテンのキャビンを、見物に行こうと思ったのではないのです!

それでも、ちょっとギャグな誤解は解けて、舵取り室に、行かせてくださいました。
ちょっぴり、恥ずかしかったです。

でも、そのあと、いろいろ話す機会があって、よかったです。


フィリッピンの、コック長さんは、
元は、モールス通信などをする仕事をしていたそうです。
川崎汽船に勤めていたことがあって、日本の海のことを、とてもよく知っていらしゃいます。

私が、お茶を飲んでいると、ミカンをむきながら、そばにきて、

もう、7ヶ月も、家族と会っていないし。あきあきしてきちゃった。
僕らは、仕事があるけど、
あなたは、毎日、毎日、キャビンと、食堂を行き来するだけで、さぞかし、退屈なことでしょう、

と、言われる。
(ボディビルディングをして、筋肉モリモリなのに、とってもやさしい声で、話をなさる)

でも、私は、答えます。

まさか、とんでもない。
上げ膳、据え膳で、
毎日、海と、空を見て、ただただ、時間をすごすなんて、
こんな、ぜいたくなことはないです!

でも、よく考えると、
出稼ぎで、家族を離れて長いこと、
仕事をなさってるフィリッピンの方々のことは、
やっぱり、不公平に、思えます。

なんといっていいやら。
どう考えたらいいのやら。



などなど、
船乗りたちのことを、書き出したら、
一冊の本ができそうなくらい、です。

でも、きょうは、このへんにします。
読んでくださって、どうもありがとうございました。

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2016年7月26日火曜日

貨物船の旅 「優しい、船乗りたち」



貨物船で、出会った、船乗りのはなしです。


機関長さんのことを、書きます。
この方は、いつも、船の底の方にある、機械室で、仕事をしています。
とても背が高く、大きく、やさしそうな顔をしています。

私は、機械室を、見せてもらいたく思っていました。
理由は、祖父が、同じく、機関長だったからです。残念なことに、戦争中、海で亡くなりました。私は、会ったことがありません。

機械室に行ってみて、おじいちゃんの仕事場を、想像してみたかったのです。

船乗りさんたち、港の出入りで、忙しく、ストレスも多いのに、申し訳けないかな、と思いつつ、お願いしてみましたところ。

お疲れのところ、
やりくりして、私のために、短い見学を、オーガニゼーションしてくださいました。下士官の方に連れられて、船の下の方に、おりていきました。



エンジン室は、暑くて、音がうるさかったです。
エンジンは、大きく、ピカピカにみがかれていて、美しいといえば、美しい。大聖堂のよう。
中に入るのに、みなさん、土足からうわばきに、はきかえています。どこもかしこも、きれいにそうじが行き届いていて、ほこりも、油の一滴も、ありません。

ただ、機関長さんと話をしてみると。

大きくて、がっしりとした機関長さん。
「来世には、船乗りになりたいです」という私に、
ものすごい勢いで、

「お勧めしませんよ!」と、おっしゃる。

来世、って言ってるのに。
機関長さんの、心からの悲鳴が、聞こえてしまったようでした。

「もう、25年間この仕事をしてきたけど。もうたくさん!人生から、切り離されちゃっている。3ヶ月海に出て、3ヶ月陸に上がる。人生が、3ヶ月ごとの切り身みたいに、なっちゃってる!」

と言うのです。
もう、陸に上がる、と決めたそうです。

「若いころはね、野心があって、高いところを目指して、いろいろがんばるものなんだよ。でも、もう、たくさん。もっと、イージーな生活にしたい」と。


見学は、終わりました。
案内係りの、下士官の方に、
「機関長さんっていうのは、海を見る機会はないのですか?」と聞いてみると、

ないそうです。だから、肌も、日焼けしないで、真っ白だそうです。給油のある時は、何日も、徹夜で、見張りをする。なんとも、とてもハードな仕事そう。




この機関長さんは、おしゃべりの時は、いつも、やさしく、人の話をよく聞いてくれました。

やさしい、といえば、チーフメイトという、士官の方も。

この船の、「お母さん」にあたるような人、に見えました。

下士官が、おくれて朝食をとっていると、
「あ〜らま、今の若いもんは!」なんて言って、優しくさとしています。でも、その下士官が、何も言わずに、ニコニコ、食べ続けているのを見ると、チーフがどんなに、優しい人だか、想像できてしまうようです。

私が、夕食のデザートを、みながいなくなっても、ゆっくりいただいていたら、
「甘すぎますか?」と心配してくれたのも、このチーフメイトです。このお菓子はね、トルコのでね、と説明してくださいました。

ある会話の中で、「あぁ、私のワイフも、同じようなこと、言ってましたよ」とおっしゃる。ふーん、こんなに女性的な優しさを持っていらっしゃる方も、ワイフをもってらっしゃるのか。びっくり。すると、その女性は、どんな方なのだろう、と、妙なことに、感心してしまいました。



きょうは、やさしい船乗りたちの、話でした。きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。

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2016年7月25日月曜日

パイロットのペンには、ロマンチックな意味が(コンテナ船クルーズ)































貨物船の旅は、もう終わって、一週間たちます。
でも、まだまだ、書きたいことはあります。

たとえば。

港を出る時は、必ず、地元のパイロットが、
船に、乗りこんできます。

私は、
キャプテン、つまり船長さんというのは、
どんなところでも、船の舵取りをするのだと、思っていました。

でも、港の出入りは、
地元の、パイロットという職の人が、
船に乗りこんできて、舵をとるのです。

港の水底のことや、潮のことを、よく知っている人。
その人にまかせます。

その人たちは、けっこうリラックスしていて、
仕事をしながらも、
缶ジュースを飲みながら、おしゃべりしています。

その間、キャプテンは、少しはなれて、
すべてを、見守っているようにみえます。
ちょっと、せかせか、ピリピリしているよう。
毎回、港を出る時、入る時というのは、
とても緊張する時のようです。

たとえば、ドイツ、ハンブルグ港を出る時、
エルベ川は、あまり深くないので、
航海に、神経をつかうと
士官の一人が、おしえてくださいました。

ところで、
「パイロット」といえば、私はてっきり、
飛行機を操縦する人だと、思っていました。

ですが、
思えば、
「水先案内人」という、よび名が、
パイロットのことであることも、
どこかで、覚えたような気もします。

「水先案内人」なんて、
なんと、ステキな、よび名なんでしょうね。

そういえば、
パイロットの万年筆のことを、思い出します。

万年筆に、
パイロット、つまり、水先案内人、だなんて。
とっても、ロマンチックに思えます。

そんなステキな、よび名を、
思いついたなんて。

その方は、
このエレガントな、船の動きを知っていて、
ペン先に、そうなりますように、と、
願いをこめたのかしら。

(私には、そうみえます)

船の動きを見ていると、
それはそれは、実にエレガントです。
ゆっくり、確かに、進んで行きます。

そして、
うしろには、白い線をきれいに描いています。
ぎくしゃくする、ということはありません。

なるほど、きっと、そうにちがいない、
などと、

そんなことを、思いながら、
あけても、くれても、
船が泊まっていても、走っていても、
私は、海をながめていました。


ハンブルグ港は、海ではなくて、川(エルベ川)にあったのでした。
それを下って、海に出ていく途中です。


ロッテルダム港で。わが貨物船に、給油に来た船が、作業をおえたら、
くるりと方向を変えて、




さっさと、行ってしまいました。

きょうも、ここまではるばる訪問してくださって、ありがとうございました。
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2016年7月24日日曜日

人生設計を、間違えたかもしれない(コンテナ船クルーズ)



貨物船の旅をおえて、
もう、しばらく日がたちました。

でも、なかなか、
その強い印象から、ぬけだせません。
海、空、星、船乗りたち。
こんなに、美しいものが、世の中にあるなんて!

船乗りになればよかった、
人生設計をまちがえた、と、
なかば、本気で、思っています。

上の写真は、貨物船に乗るため、
やっとの思いで、
ドイツの、慣れない港の、
コンテナターミナルに、着いた時のものです。
うれしかったこと。

タクシーは、ここまで入れません。

コンテナゲートで、手続きをすると、
シャトルバスに、乗せてもらいます。
なにしろ、コンテナ船は、とてつもなく大きいのです。
どこが、船の、入り口だか、
バスの運転手さんも、地図を見て、さがしていました。

さて、
この、のぼりはしご。
ギャングウエィ、といいます。

トランクのサービスは、ないのです。
一人で荷物をもつことになって、
このはしごを登れなかったらどうしよう、と心配していました。
ですので、なるべく、トランクは、軽くしました。

でも、
雨の中、私が着いたら、
士官の人が、
上に向かって、大きな声で、なにか言ってから、
荷物を、もってくれました。
あぁ、よかった。

はしごには、あみの保護がなされています。
足の下をみると、
あみの、むこうに、黒い海の水が、
ぴちゃぴちゃと、動いているのが見えます。
あぁ、落ちたら、アウトだな、と思います。


そして、大きなしきいをまたいで、
船の中にはいると、こんな、風景です。
白くてきれいな、がんじょうなドアがたくさん。
そして、ペンキや、重油のにおい。
これを、見ただけで、
「ああ、来てよかった!」と思ってしまいました。

そんなふうに感じる方は、
たぶん、なかなかいらっしゃらないでしょう。
でも、私は、そう感じるのです。
だから、やっぱり、
私は、人生設計を、まちがえたように、思えてしまうのです。
船乗りになれば、よかった、と。

中央の白い建物に、人間が生活しています。


長い船の、まんなかあたりに、
9階建ての、うすっぺらい建物があります。
その、7階が、私のキャビンのあるところです。

私にあてがわれたキャビンは、
3つも窓があって、ステキでした。
そのほか、この建物の中には、
娯楽室、図書室、ジム、洗濯室があります。
どこでも、好きなところを、まわっていいですよ、と
言われました。

(でも、テレビ、インターネット、電話は、つながりません)

舵取り部屋(操縦室?)にも、行きました。
そこは、建物の、最上階です。
そのわきにある、デッキ(甲板)は、
私の一番好きなところです。

何しろ、ながめがいいのです!
それに、風にあたっているのは、気持ちがいい。
操縦室から、見ているのとは、ちょっとちがいます。
海や空と、一緒になっている、という感じが、するのです。

デッキにいて、風にふかれて、
フードにくるまっていると、
何度か、オフィサーの方々が、
「中に、おはいりなさい」と、言ってくださいました。

操縦室は、神経をつかう、仕事の場所です。
ですので、
私は、ちょっぴり、遠慮しているのです。
そこに、いらっしゃい、とオフィサーが招いてくださるのです。

だから、とてもありがたいことなのです。
でも、
やっぱり、
風にあたって、海をながめるのは、楽しすぎます。

風が強すぎて、あぶないから、
という時もありましたが、
そうでなければ、
私は、たいていデッキに、いました。

海も、空も、
どれだけながめても、あきないです。

たき火や、ろうそくの火が、おどるのを見ていると、
あきないで、長いことながめてしまいます。
まるで、催眠にかかったようです。
それと、似ています。
(そうなるのは、私だけでしょうか?)



3度の食事は、オフィサー(士官)の方々と、一緒でした。
といっても、
士官の方々は、仕事が忙しくて、
15分くらいで、食べ終えて、あとは、煙草を吸いに、
どこかへ、行ってしまいます。

食事は、とてもおいしかったです。
フィリッピンのコックさんが、
毎日、毎日、ちがうメニューを考えて、
心をこめて、作ってくださいました。

スープ、お肉数種類、付け合わせ、サラダ、チーズ、デザート、フルーツ。

野菜と、お豆、フルーツの種類の多さに、びっくり。
それにひきかえ、
うちのごはんは、なんて貧弱!と、反省してしまいました。

(バランスのとれた、すばらしい食事のおかげで、
私は、ちょっぴりスマートになって、帰ってきました)

チーズケーキから、
バックラバーという、トルコのお菓子、
手焼きのパンまで、
みな、ホームメードです。

このコックさんは、
私がよく、お茶を飲んでいるのを見て、
お茶の友に、ビスケットを、お持ちしましょう、
と、言ってくださいました。
そのあと、
クルーが、こっそり、
フルーツがたっぷり入った、かごと、
ビスケットの詰め合わせを、キャビンに届けてくれました。

まぁ、うれしい!
こんなふうに、
ちやほやされて、実にうれしかったです!
ふだんの生活で、
こういうことは、めったに、おこりません。



士官の食堂は、オフィサーズ-メスルームとよばれます。
そのメスルームには、カレンダーがぶらさがっていて、
今日が、何日なのか、
赤いわくで、示されるようになっています。
それを見ると、
ちょっぴり、囚人が、壁に、日にちの印をつけるのを、
思いうかべてしまいます。

オフィサーも、
下働きのクルーも、
みな、
家族とはなれて、数ヶ月間もの仕事をしているのです。

私の世話をしてくださった、スチュワードさんは、
ゆかいで、楽しい人でした。
でも、すぐ、会話が、家族のことになってしまう。
もう、7ヶ月も家族と会っていない、と。

出会った、船乗りたちのことは、
また、書きます。

さて、画像はいまいちですが、
夕食後、キャビンからとったものを、アップしてみます。
あほうどりが、数羽ほど、
こうして、
船といっしょに、いつまでも飛ぶさまが、
何とも、けなげで、静かで、ふしぎだったのです。

いずれ、夜になるのですが、
陸に帰るわけでもなく、
いったい、どこに行くのでしょうか。


 


では、きょうは、このへんで。

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2016年7月22日金曜日

貨物船の旅は、予想以上にロマンチック

フランスのお船です。キャビンには、広いサロンと、寝室、バスルーム。

しばらく、ごぶさたしておりました。

実は、貨物船の旅にでるため、
ハンブルグへ行っていました。
そこから、オランダ、ベルギーの港を経て、
フランス、ル ハーブルへもどってくる、という行程です。
ハンブルグ港。出港日の朝、遊覧船で、自分の乗る船を見に行きました。
















それが、
コンテナ船の旅というのは、
予想以上に、すばらしかったです。
出航に、遅れがでたり、
旅も、予定より長くなったり、と、
ふつうの旅とは、ちょっと違います。

第一に、
船が水の上を走っている時も、
港にとまっている時も、
船は、いつもゆらゆらとしています。
その、心地いいことといったら!

夜、床に就くときも、
その「ゆらゆら」にゆられているというのは、
ゆりかごのようです。

あまりに、心地よくて、
ゆりかごの時代を通りこして、
おかあさんのおなかにいた時、
ゆらゆらと、ただよっていた、
その安心感を、思い出してしまいました。
(という、気分になってしまいました)

一週間ほど、ゆらゆら。
朝も、昼も、夜も。
そのあと、陸にあがったはいいけれど、
陸の生活に慣れるのに、時間がかかってしまいました。

このすばらしさを、ぜひ、ご紹介したいけれども。
いったい、どこからお話していいのやら。

海。
空。
水平線。
毎回、違う色。

航海中も、停泊中も、
いつも、きこえてくる、
やさしいエンジンの音。
まるで、合唱のついたオーケストラの音のよう。
それが、
ハ長調で。

一般の方は、気になさらないでしょうが、
ハ長調のトーンというのは、概して、
明るく、すなおで、正直そう。

いつもきこえてくる、
心が、おちつく音。

建物の最上階9階にある、舵取室わきのデッキ。
ながめはいいです。風も強いです。

船といっしょに、いつまでもいつまでも飛ぶ、あほうどり。
遊んでいるのか、
人恋しいのか。

ざくざく散らばっている、星。
天の川。

初めて見た、沈む月。
沈むお日様と同じように、オレンジ色になるなんて。

たくさんの船も。
小さくても、ぼろくても、大きくても、ぶかっこうでも、
船は、みな、エレガントな動きで、
ゆっくりと、確かに進んで行く。

その、すてきなこと。


そして、
船乗りたち。

とてつもなく大きな船に、オフィサーとクルー、あわせて27人。
乗客は、お年のドイツ男性と、私2人だけ。

毎日、3度の食事を、ご一緒させていただいて、
船乗りの生活も、ほんのちょっと、
ながめさせて、いただきました。

別に、船乗りたちだけが、特別すばらしいというわけではありません。
陸と同じの、人間です。
ただ、家族からはなれて、何ヶ月も仕事をしているからか、
人恋しいのか、
ほんのちょっと、お話するだけで、
心が伝わってくるようでした。

なんだか、
古くからの、知り合いのような、
おしゃべりもしました。
仕事のこと、
家族のこと、など。
港の出入りには、地元のパイロットが舵をとります。
遠く、右端に見えるのがキャプテン。
静かに見守っているようにみえます。

そんなわけで、
陸にあがってから、3日間は、
エンジンのコーラスの音が、そら耳で、聞こえていました。
そして、
土酔い、というのか、
地面がゆらゆらと動いている感覚が、
3日も4日も、ずっと、とれないでいました。

それに、陸にあがって、がっかりしたことがあります。
船の上で、印象を、ブログ用に、いくつも書き留めておいたのです。
そして、陸にあがって、
インターネットがつながるようになったら、
すぐに更新しようと思っていたのです。
ところが、私のミスで、下書きは、消えていました。
がっかり!

まぁ、それはしかたないとして、
ほんの少し、写真をアップします。

たぶん、
また来年、コンテナ船の旅をしたいと思います。
今度は、もうちょっと長い旅にしたいです。

今回は、
ちょっぴり海が荒れていた時もありましたが、
それでも、船酔いにならなかったので、うれしいです。
それに、
少しくらいなら、酔ってもいい、という気持ちです。
それにひきかえ、ステキなものが、ありすぎるからです。

また、
ステキだったことを、ブログに書きたいと思います。

きょうは、ここまでにします。
読んでくださって、どうもありがとうございました。

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p.s.

私の乗った船は、「ベンジャミン -フランクリン号」という、とても大きなコンテナ船でした。French Asia Line 1という、ヨーロッパとアジアを結ぶ航路を、行き来しています。そのほんの一部を、乗せてもらいました。たいていの貨物船は、4人ほど、一般の人を乗せてくれるそうです。

2016年7月7日木曜日

ハンブルグで、船が遅れる


今、ハンブルグ港にいます。
ほんとうは、ゆうべ、
貨物船に乗るはずでした。
が、船に、遅れが出ました。
もう一泊して、待機中です。

きょうの午後には、乗れそうです。
船は、かなり近くまで、来ているようです。

船が今、
どこにいるか、
どういう速度で、航海しているか、
喫水は、どの高さか、
(つまり、
船はどの程度、荷物を積んでるか)
など、

一目で、わかる、アプリがあるのです。
私はそれを見て、
しばらく前から、自分の乗る船を
たどっています。
楽しいです。

私にとっては、
もう、ほんのちょっと、
航海は、始まったようなものです。

さて、
一般の人が、
貨物船に乗るというのは、
例外的なことのようです。
ここハンブルグの事務所に、電話しても、
なかなか、らちが、あきませんでした。

何度も連絡して、
やっと、きのう、書類の準備が、
整いました。
待合時刻、場所も、やっときのう、
決まりました。
ホッとしました。

それまでは、
何時に、どこに行けばいいのか、
尋ねても、人によって、答えがちがっていたのです。
ドキドキ、ハラハラしたこと!

とはいっても、
ハラハラしながらも、
港の、はしけで、行ったり来たりする船を見ているのも、
とても楽しいです。


私は、ドイツ語ができませんので、
英語で
「あまり強くない、小さめのビール」をお願いすると、
それはそれは、おいしいビールが、
出てきました。

みなさん、昼でも、晩でも、
ビールを、よく飲んでらっしゃる!

それに、
みなさん、なんとなく、
機嫌がいいような、気がします。
ビールを飲んだから、
私が、一杯機嫌で、
そう感じたのかもしれません。

でも、やっぱり、
フランスとくらべると、
ここのみなさん、笑顔が多いように感じます。

クックックック、ケラケラケラと、
おもしろそうに、
いつまでもいつまでも、笑う子どもも、
2度、聞きました。

あぁ、子どもの笑い声って、
心地いいなぁ、と、
体に染み込んでくるように、
感じました。

実は、最近、
こういう声を、聞いていなかったな、と、思いました。

お土産やさんも、いくつかありました。

遠い昔、
江の島で、見たような、
貝がらの詰められた、カゴも売られていました。

そのころの私のような、小さな子どもが、買うのかな、と
なつかしく、かわいらしく、
思いました。


それでは。
今度こそは、
「行ってまいります」。

みなさまも、しばらく(5日間くらい)
ごきげんよう!

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2016年7月6日水曜日

電車、飛行機、船にのって、そして帰ってくる

きょうは、旅に出ます。
 貨物船にのるのが、目的です。

まずは、電車で、パリに。
次に、飛行機で、ドイツはハンブルグに。
そして、ハンブルグ港で、船を待ちます。

そして、フランスの港まで、船に乗って、戻ってきます。
そこから、電車で、わが家にもどる予定です。

船にのるのが、目的です。
まぁ、こんなふうに、
「のりもの」にのる、旅というわけです。

ちょっと、ドキドキ。
家族のみんなを、置いてきちゃったから、
なんとなく、寂しくもあります。

では、行ってきます。
もうすぐ、飛行機にのります。
これから、数日間は、電話も、
インターネットも、使えないようです。

では、みなさん、また、近いうちに!

お元気で、おすごしください。

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2016年7月3日日曜日

だめな母親



ゆうべは、長女と一緒に、ダンスを観てきました。
とあるダンススクールの、発表会です。
モダンジャズ、バレエ、ヒップホップなど、
いろいろなダンスを、楽しめました。

ただいま里帰り中の、長女は、
バレエを習っていたことがあります。
そのせいか、
プログラムの中でも
バレエになると、
特に、注目しているように思えます。

すてきなホールで、
きれいなチュチュを着て、
ライトをあびて、
あごをちょっと上に向けて、
得意げに踊っている、バレリーナたち。
キラキラ輝いています。

それを見るたびに、
私の胸は、チクリとします。
となりにすわっている長女のことを、思います。

彼女は、こんなすてきな発表会で
踊ったことがなかったからです。

きっと、
こんなふうに、踊りたかっただろうと思います。

でも、
長女がバレエを習っていたころは、
こんな大きな、すてきなダンススクールはなかったし。

でも、ちょっと無理をすれば、
遠くの、バレエ教室に、連れていくこともできたけど。

それをしないで、
こじんまりとした教室に、行かせていたのです。
すぐ近くにあるから、便利、
というのが、理由です。
いい先生だったし。

でも、生徒さんの数が少なかったから、
発表会だって、古い教室で、こじんまりと、でした。
「晴れ姿」も、蛍光灯の下で、かなり地味でした。

だから、
私の胸は、ちょっと痛みます。
「ちょっと無理して」遠くの教室に連れて行けば、
よかったかな。

親というのは、
なんでも一番いいものを、子どもにあげたい、と
願うのかしら、と思いました。
少なくとも、私はそう思う。

だけど、実際、子どもたちに、あげられたものは、
ちゃちなものばかり、のような気がします。
「あぁ、私って、だめな母親」と、
悲しくなります。

でも、まぁ、いいか。
私は、
自分の精一杯を、やったんだから。


けさ、
ツイートで、ある方が、
東京「としまえん(豊島園)」の写真を、のせてくださいました。
夏の豊島園といったら、
私にとっては、なつかしい思い出ばかりです。

遠い、昭和のころの思い出です。

母も父も、仕事で忙しくしていました。
でも、夏休み、ということで、
母が、友人にたのんで、
豊島園の「一日フリーパス券」というのを、
借りてきてくれました。
ほんとうは、その方の会社の、社員慰安用の、パスでした。
それを、子どものために、と、
貸してもらったようです。

それを持って、
私は弟をつれて、自転車で、豊島園まで行きました。
朝から、いろいろな乗り物にのりました。
なにしろ、フリーパスを持っているのです。
うれしくてたまりません。

思いっきり、たくさんのりました。
いっきに乗りすぎて、
お昼にならないうちに、乗り物酔いでしょうか、
ふらふらしてきました。
弟と2人で、げらげら笑いました。
それでも、もう、くたびれて乗れない、というところまで乗りました。

そして、早めのお弁当を食べて、
午後は、プールで、たくさん遊びました。

そんなすばらしい券を、借りて来てくれた母。
忙しいのに、借りて来てくれて。
あの時だって、
子どもたちに、いい思いをさせてあげたい、と思って、
一生懸命だったのだろうなぁ、と

とても、なつかしく思い出しました。

いつも、ぶきっちょな母です。
私も、ぶきっちょです。
母娘、口げんかばかりしています。

でも、きょうは、
そんなことを思い出しては、

私は、
母親からも、
いろいろなものを、
もう、じゅうぶん、もらっているんだなぁ、
と、
あらためて思って、胸があたたかくなりました。



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2016年7月2日土曜日

ほんとうに死ぬ、ということはないのかもしれない



先日、実をたくさんつけた、
わが家のビワの木のことを、書きました。
種から育てた、ビワの木です。
日本で食べた実の、種からです。
ちょっぴり、自慢の木でした。

今年は、
これでもか、というほど、たくさん実をつけてくれました。
ただ、ちょっと元気がなかったので、
ちょっぴり心配していたのです。

でも、でも、
やっぱり、枯れてしまいました。
町中の、塀のそばに植えた、ビワの木。

なにか、わけがあるのでしょうか。
20才なんて、木としては、若いのに。
あっさり、枯れてしまったです。

とっても、残念。
枯れた木は、まだ庭のすみに、立っていますが、
その姿を見るのは、
ちょっとつらいです。

私にできることと言ったら、

よく生きてくれたね、
日本から、はるばるやってきて。
ありがとうね、
ステキな、葉っぱ、
おいしい実、
ありがとうね、

と、
いたわることぐらい。

枯れるということが、わかっていたのかどうか。
今年は、とてもたくさんの実をつけてくれたです。
小さい実で、
種は、一人前に大きくて、
食べるには、めんどくさかったですが、
とっても甘かったです。
種も、たくさんとれました。

種は、一部、お酒につけました。
来年あたり、
夏バテしそうになったら、飲む薬になるはずです。

のこりの種は、蒔くために、とっておきます。

枯れることがわかっていたから、
こんなに、実をつけて、
子孫を残そうとしたのかもしれません。

いずれにしても、
私は、のこりの種をだいじに、とっておきます。
この木だって、私のまいた種からうまれたのです。
私は、また、まこうと思います。
これから、たまに、まいては、
苗を、育てて、
ふやそうと思います。

元気な苗は、もっと大きく育てて、
庭の地面に、植えかえます。
そして、また、大きな木になると思います。

もう一本の木




というわけで、
枯れてしまったビワの木は、
やっぱり、生き続けているようにも、思えます。

と、
そんなふうに考えてみることが、
ゆいいつの、なぐさめです。

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