今週は、家に職人さんが入っていました。
とてもやさしい、ペンキ職人です。
ですので、気分はいいですが、
家の中に、どなたかがいる、というのは、
なんとなく、疲れます。
がんばって、仕上げてくれましたので、
終わりました。
すっかりきれいになって、
家の中が、静かになりました。
おまけに、
週のあたまには、ハチの巣のモンダイ。
これまた、
職人さんに、来てもらわなくてはなりませんでした。
「アジアハチ」と言われているスズメバチです。
アジア人の私は、その名を聞くたびに、
なんとなく肩をすぼめてしまいます。
はちみつのハチをダメにしてしまうので、
モンダイあり、です。
そんなハチが、
うちに大きな巣を、せっせと作り始めましたので、
すぐに、
退治してもらいました。
その働きぶりは、
熱心でした。
働きバチ、と言いますが、
本当に、せっせと、よく働いて、
ものすごく短い時間に、
ものすごい巣を作ってしまいました。
連絡をすると、専門家が、
すっ飛んで、来てくれました。
これを退治すると、ごほうびに、
お金をくれる、という市もあるくらいです。
なかなか、深刻なモンダイです。
フランスでは、どこでも、
はちみつを作る人が多いです。
その方々の困りようは、前から聞いていました。
なるほど、
アジアハチの働きぶりは、すごいです。
さて、そんなことも、
一件落着〜しましたので、
ずっと、書こうと思っていたことを、
書きます。
今年は、
船に乗っての旅に、出られませんでした。
ですが、
まるで、航海に出たような気持ちになった本があります。
それは、
「無人島に生きる16人」*という本です。
これは、実際にあった漂流記です。
私の考えでは、
ジュールベルヌの「15少年漂流記」よりも、
おもしろかったです。
感動ものです。
なんともおおらかで、
賢くて、
強くて、
思いやりたくさんで、
素晴らしい体験です。
読んでいると、すっかり元気が出ます。
だまされたと思って、読んでくだされば、
わかります。
おまけに、
タダです。
素晴らしい旅行をした気分になります。
今では、水道からは、飲み水が出てきて、
「湯水のごとく使う」と言ったりします。
ですが、その「湯水」さえもなければ、
どうするか。
そんな苦労を、知ったあとでは、
コップ一杯のお水が、ものすごくおいしくなってしまいます。
それが飲めるだけで、
ものすごくうれしくなってしまいます。
それから、
船長さんの、易しさ、強さ、が、
かっこいいです。
こんなリーダーがいてくれたら、と思います。
島に着いたら、すぐに、
こんなルールを決めました。
・島で手に入るもので暮らす
・出来ない相談は言わない
・規律正しい生活をする
・愉快な生活を心がける
愉快な生活を心がける、というルールも、
これまた、素晴らしいです。
心に残ったのは、
夜の見張り番に、月夜の晩は、
若い者は、当番にあてがわない、というルールでした。
理由は、
若者は、まだ心が強くないから、
一人で月をながめていたりすると、
気が沈んでしまったり、
故郷が恋しくなる心が出たりするから、というようなことでした。
それを、
老年の、強い海の男が、
気づかってやっていたことです。
なるほど、月夜の晩には、
詩人が、たくさんのうたを歌っています。
月夜の晩には、そういう気持ちになるのです。
そういうことがわかる海の男は、
かっこいいと思います。
それが、うまく成功して、
無事、日本へ帰ってこられた時は、
私も、もう、涙がポロポロこぼれます。
さて、
それが、タダで読めるというのも、
おかしなことです。
おかしいですが、
事実です。
私も、船に乗る前は、
電子リーダーに、わんさこら本を積み込みます。
その時に、
著作権が切れてしまった本は、
タダになっていることに気がつきます。
すると、
日本の古典や、
現代のものでも、夏目漱石、志賀直哉、と、
名作が、タダになっています。
スーパーで、
たまに、
巨匠ピアニスト、リヒテル大先生のCDが、
ワゴンセールで、
2ユーロくらいで売られていたりすると、
そこまで極められた、ピアニストとしてのご苦労や、
その才能を考えて、びっくりします。
胸が、痛くなったりもします。
それと同じで、
文学の名作が、これほどタダになっていて、
好きなだけ読めるというのは、
ありがたいですし、
ちょっと、わびしく感じます。
そして、
それならばもう、ぜひ、どんどん、
読ませていただいて、
あなたのご苦労は、むげにいたしません、
という気持ちになります!
おとなりのへいの上から、
オレンジの花が見えてきました。
つる科の植物です。
うちまで登ってきてくれます。
おとなりのマルチーヌさんが、天国へ行ってしまって、
2年目になります。
そのオレンジの色は、
マルチーヌさんが、好きで、
口紅にも、そんな色を、よく選んでいました。
花の色を見て、
また彼女のことを、思い出します。
日本は、
まだまだ暑いようです。
日本の方も、そうでない方も、
どうぞ、お大事におすごしください。
きょうも、ありがとうございました。
*「無人島に生きる16人」
日露戦争、第一次世界大戦に従軍し、商船学校教授・東京商船学校校長を歴任した須川邦彦による冒険実話。「少年倶楽部」に1941(昭和16)年から翌年にかけて連載。明治32年、帆船・龍睡丸は太平洋上で座礁し乗員16名は無人島に上陸。飲み水を確保し、火を起こし、海亀の牧場を作り食料を確保するなど様々な知恵を出し助け合いながら生き延びる。そしてその年の12月末、救出され無事祖国の土を踏むのだった。1999(平成11)年に「本の雑誌」で「漂流記ベスト20」の1位に選出された。
(レビューより引用)↓
「4.愉快な生活を心がけること。
特に4番が大切で、多くの人は困難に直面すると楽しさや豊かさを探し出すことは大変難しく、
むしろ嫉妬や悲しさに押しつぶされそうになりますが、明治の海の男達は違います。
それぞれが、心を磨き立派にほがらかに、お互いの生活が少しでも進歩し、良くなるように知恵を出し合い、
ただの一日もいやな思いをしないで過ごします。
生還する最後の中川倉吉船長の言葉と小笠原老人の言葉は感動で、
人間の知恵、技術と文化は強い心にあるものだと感動させられます」
特に4番が大切で、多くの人は困難に直面すると楽しさや豊かさを探し出すことは大変難しく、
むしろ嫉妬や悲しさに押しつぶされそうになりますが、明治の海の男達は違います。
それぞれが、心を磨き立派にほがらかに、お互いの生活が少しでも進歩し、良くなるように知恵を出し合い、
ただの一日もいやな思いをしないで過ごします。
生還する最後の中川倉吉船長の言葉と小笠原老人の言葉は感動で、
人間の知恵、技術と文化は強い心にあるものだと感動させられます」
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