2016年6月30日木曜日

心のゆれる、おやつ会

ハンドメイドのお店

私のつとめる、音楽学校では、
ほんとうは、来週はじめまで、授業があります。
ですが、試験も、発表会もおわりました。
もう気分は、夏休みです。

それで、今週は、
夏休みの宿題を出したり、
おしゃべりをする、おやつ会の週にしました。

毎年、そんなふうにしています。

ふつう、学校でおやつ会があると、
子どもたちが、おやつを持ってくるようです。
でも、35人の生徒さんくらいのおやつなら、
私一人で、まかなえそうですし、
ちょっと、かわったおやつにしたい、と思い、

私の大好きな、お茶と、
アラブのお菓子、ロクムを、もっていきます。
(フランスで、手に入ります)

バラ味のロクムが、特に、おいしいと思います。
口に入れると、おなかまで、
ぐ〜っと、よろこびが入ってくるような心地です。

それを、生徒さんたちに知ってもらおうと思って。

アラブの湯のみと、急須も、持っていきます。
すると、めずらしさも手伝って、
生徒さんたち、
喜んでくれるのでは、と期待しているのですが。

きのうは、2回ある、おやつ会の、1回目でした。
ロクムが好きな人、
クッキーの方が好きな人、
お茶が好きな人、
まぁ、それぞれでした。

そんな中、ちょっと、心が動いたことがありました。

おしゃべりをしていて、
一人、中学生の男の子が、
残念そうでした。
このクラスで、ロクムを知って、
このお菓子を、大好きになった男の子です。

今回も、ロクムのたっぷりはいった大きな箱を
2つも、持って来てくれました。
ニコニコしているのですが、
時間になっても、
ぐずぐず、なかなか席をたちません。

そして、
音楽を続けるかどうか、
迷っている、と言っているのです。
どうやら、やめたいような、雰囲気です。

私も、残念ですが、
本人が、やめたいのなら、しかたありません。
今まで、ちょっぴりやる気がうせたことも、
何度かある、男の子です。

無理に、ひきとめても、しかたないと私は思います。
そして、いろいろ話していると、
彼の、デリカシーが、伝わってくるようです。

ピアノがいやなのではなくて、
義務のソルフェージュがいやだから、と言うのです。

だったら、
ソルフェージュを、一年間お休みにしてもらえば、
とりあえず、ピアノは続けられますよ。

と、伝えても、

それもそうだが、
やっぱり、ピンポンにも魅力あるし、
ハンドボールもやりたいし、
でも、ピアノも続けたいし、
なんて言っています。

ははぁーん。

きっと、
もうピアノは、やめる、と決心しているのかもしれません。
でも、
私にむかって、
「ピアノやめます」
とは言い出せないのかもしれません。

今年も、例年のように、
ルクムのおやつ会に、来てくれて、
ただ、ただ、
お名残惜しそうに、しています。

中学生の、男の子の心の中が、
ゆれているのが、伝わってくる感じです。
さよなら、って言いきれない感じです。

私も、困って、
じゃぁ、ピアノは一年間、お休みっていうことにしましょう、

と、あわてて「妥協策」をうみだして、

「じゃ、またね。いつでも戻っておいで。
とりあえず、いいバカンスを!」

と、
お互い、すてきなバカンスを願い合いました。

そして、
もうひとつ、
私は、はっとしたことがありました。

今まで、
義務のルフェージュが、いやだから、と
ピアノを、やめていった生徒さんたち。

もしかすると、
ほんとうは、
「ピアノ、もうあきました」と、
私にむかって、言えなかったのかもしれません。
ソルフェージュのせいに、しただけかもしれません。

よくわかりません。
いずれにしても、
生徒さんたちの、デリカシーが伝わってくるような、
そんな気持ちがします。

そういうことに、なかなか気のつかない私。
それでも、
今さらでも、気がついたんだから、まぁ、いいか。
と、思いました。

ちょっと、心のゆれ動いた、おやつ会でした。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。
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