2020年3月25日水曜日

蜜のような時間を、味わう


くる日も、くる日も、家にこもっています。

春ですし、
お天気がよいですし、
仕事に行かなくてもいいですし、
外を歩いていても、空からおそわれることもないですし、
お料理を、ゆっくりできますし、
あたふたしなくてすみますし、
自由勝手に、本を読んだり、
テレビを見たりできますし、
職人さんや、アーチストにとっては、
こんなに、静かな、いい時間は、
ないと思います。

ウイルスの件さえなければ、
こんなに、いい時間は、ないです。


もっとも、
楽しみにしていた、今週末の
ヒップホップのパーティは、おじゃんになりました。
毎週通っている、
ヒップホップのクラスにも、
行けません。
今年から、ハウス専門のクラスに行っているのです。
ヒップホップのジャンルのひとつです。
これが、また、おもしろいのなんの。

それがなくなって、
ツマラナイ!

こういう「家こもり状態」になってからは、家で、
ひとりで、トレーニングをしています。
でも、
30分もすれば、あきてしまいます。
お仲間と一緒に、トレーニングをする予定も
立てていたのに。

今なら、たっぷり時間があるから、
トレーニングにも行けるはずです。
ふだんは、
仕事があるから、
なかなか行けないバーに、
一緒に踊りに行こうよ、と声かけたくなります。

ねぇ、
残念だねぇ、
この時間、もったいないねぇ、と
「文字で」話し合いました。

そんな中にも、
ひとつ、
すばらしいことが、あります。

外出許可は、どんどんきびしくなっています。
ですから、
毎日、ドキドキしながら、
「散歩」が禁止になっていないだろうか、
政府のサイトを調べます。

あぁ、大丈夫。
一日、
一回、
一時間だけ、家から
一キローメートルの、はんいで、
体を動かすことをする、のは、
許されています。

私は、許可証を手書きで書いて、
胸ポケットに入れて、
外に出ます。

最初は、歩いていますが、
だんだん、小走りになってしまいます。
理由は、
flâner(ぶらぶら歩く)というのは、
禁止されているのです。
ですから、
なんとなく、小走りになってしまう。

小走りといっても、
速さは、歩いているのと、大してかわりません。
もしかすると、
歩いているのよりか、おそいかもしれません。
「ぶらぶら」走っています。
ぶらぶら歩くのはいけないけれど、
ぶらぶら走るのは、いいのか、

きかれても、答えはよくわかりません。


ロワール川沿いにおりるのは、禁止されましたから、
めずらしく、
橋の上を、行きました。
ほとんど人がいません。

お日さまが、さんさんと照っています。
風は、冷たいけれど、
日ざしが、おいしい。
遠くで、カーン、と教会の鐘が聞こえます。
川のザーザーいう音も、きこえます。

気持ちがいいです。
目から、
耳から、
肌から、
動かす体ぜんぶから、
蜜を味わっているような感じです。

ぶらぶら走りながら、
ほとんど、進まない走り方で、
私は、
(おいしい、おいしい)と心の中で、
ひとりごとを言いながら、
橋を、二周、横断しました。

家の近くで、
こんなにさわやかで、
すばらしい時間がすごせるなんて、
と、めずらしく思いながら、
家に、もどりました。

きょうも、読んでくださってどうもありがとうございました。


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2020年3月22日日曜日

禁断の、ロワール川


ゆうべは、
外出禁止令のもと、ダンスをしました。

フランスでは、毎晩、8時きっかりに、
窓をあけて、拍手をすることになりました。
医療に携わる方々に、ありがとうの意味を、
あらわすのです。

そして、きのうは、
金曜日。
拍手だけではなくて、
音楽を、9時までのあいだ、ながす、
という情報がありました。

私は、
ヒップホップの音楽を、ながすことにしました。
みなさんの心が、おだやかになって、
温かくなるような。
(中でも、ハウス系をえらびました)

できるだけ、夕ご飯を、早く、軽くして、
時計とにらめっこ。
待機します。
8時ちょっと前に、
スピーカーを、つける。

さあ。
8時の鐘がなりました。
窓をあける。
いつもの、向かいのお姉さんが、
拍手をはじめます。
今まで、なにもしなかった隣の人も、
拍手をしています。

私は、拍手をするひまは、ありません。
スピーカーで、音楽をスイッチします。
軽く、
「うわぁ」という、びっくり声がします。
ボリュームを調節します。

「きょうは、バルコンのお祭りですよ〜
音、強すぎないですかぁ?」
ときけば、
向かいから、何か、きこえます。
私は、音楽のせいで、ききとれません。
夫にきくと、
「すっごくいい、と言ってる」と。
安心して、にやっとしています。
(はじめ、夫は、このアイデアに
気乗りしてなかったのです。
近所迷惑になる、と思って)

音楽がはじまれば、
こちらのものです。
身をまかせて、
踊ります!
きょうは、独りで踊ってるより、
楽しい。
ひさしぶり!


開けた窓のそばで、
自分のうちの中で、踊ってるのです。
夫は、どこかへ消えてしまいました。
私は、明かりも弱くして、
独りで、踊ります。
たまに、外のあかりがつくと、
踊っている自分の影が、壁にうつります。

自分の影を相手に、踊るのです。
でも、きょうだけは、
なんだか、みなさんと一緒に踊った気持ちでした。

お隣さんたちの窓は、
ずっと、開いていました。
人の影は、たまに見えたり、消えたり。
みなさん、踊らないみたいです。
もしかすると、
8時のニュースに、つきっきりかもしれません。


さて、
けさもまた、朝早くに、散歩に出ました。
寒く、風の冷たい朝でした。
人は、ほとんどいないですし、
気持ちも、ちょっぴり緊張しています。
そのせいなのか、
ふだん歩くところを、
なんとなく、私は小走りするようになってしまいます。

エネルギーが、ありあまっていて、
ふらふら歩くだけでは、足りないようにも、感じます。
もしかすると、
私は、「ジョッギングをする人」に、
なりつつあるのかもしれません。
そんな日が、くるなんて、
走ることが好きでなかった私には、びっくりです。

そして、
家に帰ってきますと、
夫が、
「川沿いに行くことが、禁止された」
と、言ってきました。

フランスのみなさん、
公園は、閉まり、
市場でおしゃべりもダメ、
ということで、
海辺や、川岸であつまる人たちが、多いのだそうです。
お気持ち、よくわかります。
セーヌ川沿いには、たくさんの人が集まるでしょう。

ここロワール川は、人がもともと少ないです。
だから、禁止しなくても大丈夫だと思います。
でも、
お天気がよくなって、
週末など、
もしかすると、あぶないです。
大勢の方々、家族、お友だち、と
あつまるおそれがあります。

ですから、
やはり、禁止した方がいいと思います。

私は、
どこでもいいです。
ちょっとだけ、お散歩ができれば、
あとは、文句言いません。
規則は、だんだんきびしくなってきています。
がんばれ、フランス人!

フランスのみなさん、
世界中のみなさん、
元気でいらしてください。

きょうも、
読んでくださって、ありがとうございました。


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2020年3月21日土曜日

今夜は、ダンスパーティ



このまえの日記では、
「絶対に外にでない方がいい」と書きました。
でも、
私は、朝早くなら、だれもいないだろう、と
思いました。
散歩をするのが、毎日のクセになっています。
それがなくなるのは、
ほんとうに、つらい。

なんとかならないか、と、
思いました。
外出許可書をプリントしました。
特別許可がおりる項目のひとつに、
「ひとりで、住まいのそばで、
体を動かすことにつながる移動」というのが、
あります。

そこに印をつけて、
サインをして、
外にでます。
朝はやくだから、
たぶん、大丈夫!


私がアップする写真には、
あまり人間が登場しませんから、
この写真をお見せしても、
いつもと、
なんの違いもありませんでしょう。
ですが、
ほんとうに、人は、少ないです。

ジョッギングをする人、
犬の散歩をする人、
仕事に行く人。
ちらほら。

行って、帰ってきて、
合計、12人くらいの人を見ました。
たったの12人。

それも、
人が目にはいると、
すぐ、私のセンサーが稼働して、
「避けよ」と、いいます。
そして、
3メートルも、4メートルもぐるりと
避けます。
あちらも、避けます。
まるで、フォークダンスを踊っているようです。

「ボンジュール」と言うときもあります。
私は、避ける時に、
笑顔になってしまいます。
「別に、あなたを避けてるのではない」と
言いたくなってしまうのです。


きのうも、きょうも、
とても、よい天気。
春うらら、というステキな日和です。
この、SF小説のような、ウイルスの心配さえなければ、
私にとっては、
最高に幸せな時です。

静かで、
時間もたっぷりあって、
家にとじこもっていてもいい、なんて。
職人さんや、アーティストだったら、
苦にならないどころか、
ありがたい時間であります。

***

ところで、
おとといから、私は、
毎晩8時に、窓をあけて、
拍手をします。
フランス全土で、やろう、と、
だれかが提案したのです。

医療に携わっている方々、
つまり、「戦士」に、ありがとうを言う意味です。
もっとも、今のところは、
私の住んでいるところでは、
むかいの人と、私だけしか拍手しません。
テレビでは、パリなど、
大きな町では、たくさんの人が一斉に拍手をして、
ありがとうを言っているのが、見えます。
見ているだけで、
その、みなさんの気持ちが伝わってくるようで、
心が動きます。
涙がうかんでしまいます。

それから、
別な情報によりますと、
フランスでは、
今晩、金曜の晩、8時から9時まで、
窓をあけて、
音楽やダンスをすることになっています。
DJは、バルコンから、
音楽を奏でるそうです。
これも、
医療にかかわる「戦士」さんたちを、
ねぎらう気持ちをあらわすため、です。

私も、中庭に出るか、
窓からか、
音楽をちょっぴり大きめに鳴らして、
踊る予定です。
規則をまもるのが、ちょっと苦手な人が、
フランスには多いような気がしますが、
こういう企画をするのは、得意なように思います。
楽しみです。

きょうも、読んでくださって、ありがとうございました。


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2020年3月17日火曜日

フランスは、戦争状態


ゆうべ、ふたたび、
マクロン大統領が、
テレビをとおして、国民に話しかけました。
とうとう、国境はふさがれました。
そして、市民は、ふらふらと外に出られなくなりました。

「戦争状態である」、と
はっきり言っていました。

ということは、
戦士たちは、
お医者さんたち、ということです。
医療にかかわる、すべての方々です。

マスクも足りない、きびしい条件のもとで、
危険に身をさらして、
働かれる方々。
ほんとうに、戦士です。

ホテルは、国に使われ、
タクシーも、国のために使われることになりました。

会ったことのない、
祖父のことを、思い出します。
商船にいた祖父が、
戦争の終わりの方で、
海軍にのもとに、働くことになったおじいちゃん。


フランスでは、
地方によっては、病院は、
パンク状態に、なりつつあります。

それは、
どの人を救おうか、
この人は、見込みがないから、
切り捨てなくちゃ、と、
そういうチョイスをしなくてはならない人々がある、
ということです。
つらい、つらいチョイスです。
その場にいる方々の気持ちを思うと、
やりきれないです。

お医者さんの、友人も、
ふだんは、のんびり仕事していますが、
今回は、
ものすごく、大変です。
戦争にとられる、そういう雰囲気です。


さて、
外出禁止は、きょうのおひるからです。
私は、その前に、
ロワール川に、散歩に行ってきました。
でも、
人は、少なく、
もし、たまに出会っても、
よけながら、遠回りに、すれちがいます。

私は、なんだか、やりきれなくなって、
ちっとも、楽しめなくて、
小走りで、家にもどってきました。

ゆうべ、マクロン大統領は、
外出禁止でも、
スポーツをするために外へ出てもいい、と
言っていましたので、
「うわぁ、粋なことを言うなぁ」と、
思っていました。
これから、ジョッギングをはじめようかしら、
と、ぼんやり考えていました。
けれども、

やはり、専門のお医者さんの話をきけば、
「絶対に外に出ないのが、良い」
ということでした。

いくら、つらくても、
家にこもっているのが、いいと思います。
それが、戦士さんたちを
サポートすることになると、思います。

まったく、
おかしな、思ってもいなかった状態に
なってしまいました。
ちょっと、信じられません。
日本では、こんなにきびしい制限をしなくても、
よい方に、向かっているというのに。

 不安な気持ちで、
毎日戦ってる方々に、ありがとう、と
エールを、送ります。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。

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フランスも、あぶない


きのう、日曜日は、たいへんいいお天気でした。
とてもめずらしく、
自転車などを出してきて、
ロワール川そいで、サイクリングをしました。
サイクリングはともかく、
草の緑の色が、とってもすてきでした。

スポーツジムに、行かれなくなってしまいました。
閉鎖されてしまいました。
特に、ボデイジャムという、ダンス系のスポーツは、
これがなくては、生きて行けない、と思うほどです。
3度の飯より好きです。
それが、しばらくなくなる、ときいて、
もう、残念でしかたありません。

それで、「自習」することにします。
ひとりでやるダンスは、あまり楽しくありませんが、
youtube先生をつかって、
なんとかしようと、考えています。
たいして好きでない、自転車を出してきたのも、
そのせいです。

木曜日のゆうべ、
大統領マクロン氏が、学校を閉鎖する、と
発表したとき、私はうれしく思いました。
そうするのが、早い解決になる、
大事をのがれられる、と思い、
ずっと、そう願っていました。

そして、
土曜日の夜、
たいした前ぶれもなく、
首相のフィリップさんが、
商店、レストラン、バーなど、
生活に絶対必要というのでないものは、
閉鎖する、と発表しました。
「見ているに、フランス人は衛生の規則を、
もっと守らなきゃ。だから、きびしくする」
ということでした。

それをきいて、
ちょっぴり、暗い気持ちがおそってきました。
お店や、レストランが閉まる?
街中は、どんな雰囲気になるのかしら?

そして、
次の日曜の朝、
いつもどおり、朝市へ行けば。

いつもの、農家の人たちが、
とびきり新鮮な野菜の前で、なんだか、あたふたとしています。
荷物も、あまり準備ができていません。
どうしたのかと、きいてみれば、

けさ、閉鎖令が、出たため、
混乱がおこったのだそうです。
しばらく、けんかのような問答がつづき、
結果、この日だけは、許されましたが、
次の日からは、
閉鎖ということです。
とても悲しくなりました。
みなさんも、とても悲しそうです。
スーパーはよくて、なんで朝市はダメなの?と。

とれた野菜は、どうなってしまうの?
農家の方々の、生活の糧は?

そして、私は、もうしばらくは、
新鮮な野菜が食べられないことになります。
スーパーの、
よくわからない野菜しか、買えなくなります。

スポーツがなくなり、
新鮮な産地直送の野菜がなくなり、
私は、すっかり、迷子のような気持ちです。


ロワール川そいには、
若い人も、お年寄りも、たくさんの人が、
久しぶりの日ざしがうれしい、という様子で、
散歩していました。
レストランにも行けず、
友人の集まりも、あまりやらない方がいい、ということです。
これから、しばらくは、
こうして散歩する人が、ふえるかもしれません。

いつもと違う生活をして、
いつもと違う風景を楽しめるかもしれません。

よくわかりませんが、
地方によっては、外出禁止という話もあります。
もしかすると、
このロワール川地方も、外出禁止になるかもしれません。
そうなると、かなりつまらない生活になりそうです。

しばらくの、しんぼうです。
いくら大変でも、
必ず、終わりがあると、思い出しては、
いつものロワール川を、倍くらい、注意深く味わったりしました。

きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。

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2020年3月13日金曜日

「多聞」さんの梅



先日、
たいそう、うれしいメールをいただきました。

3年ほど前に、
ブログに訪ねてきてくださった方です。
フランスの梅干しの件で(そのページ)
おたずねいただきました。

その「多聞さん」という方が、
また来てくださいました。


*****

久々にうれしくブログ拝見いたしました。

しばらくご無沙汰だったのでどうなさったのかなあ、、と時々思っておりました。
最近日本に行く機会があり、梅の木(南高梅)をスーツケースに忍ばせて無事帰宅。
そんなこともあり、Chiyoさんのことをふっと考えたところのブログ記事アップ、うれしく拝読いたしました。
最近の断定感のある他の方々のコロナ関係のブログ記事に「なんだかなあ」と思いつつこれが世の中の流れか、
と思っていた私ですが、Chiyoさんの断定をさけ迷いながら流れに身をまかせる感じが、かえって新鮮で心地よかったです。

実は主人の転勤で数年間○○で暮らすことになりました。また帰ってくるので自宅はこのまま。梅も地植え済です。帰仏時には大きくなってるといいなあ、、、
日本で暮らすのは15年ぶりなので、フランスではなかなかできなかったことに挑戦して大事に過ごしたいと思っています。
日本でもChiyoさんのブログ記事、楽しみに読ませていただきます!

*****


ということです。
多聞さんは、
しばらく日本で、ご生活の予定。
楽しそうですね。
その間、フランスの梅の木は、ぐんぐん大きくなって、
花を咲かせて、
いい香りを出して。
フランスにお帰りのころには、
フランス梅干しも、実現するかもしれません。
楽しい先行きです。

その、すてきな設定を想像していましたら、
百人一首を、うるおぼえで、思い出しましたので。

「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ梅の花 
あるじなしとて春な忘れそ」

メッセージを、ありがとうございました。
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学校閉鎖で、ヒマすぎになる


ゆうべ、マクロン大統領が、
テレビを通して、国民に話しかけました。
ウイルス伝染について、です。
それによると、
学校は、閉鎖になるということです。

さて、
私の勤める音楽院は、学校なのか、
まだ、よくわかりませんが、
たぶん、閉鎖になると思います。
これからしばらく、
数週間は、私はヒマになってしまいます。

でも、
閉鎖になってよかった、と思います。
フランスの人口は、日本の半分くらいなのに、
感染した人が、日本の倍くらいある、というのは、
不思議です。
なにか手を打ってほしい、と思っていたのです。
こうすれば、
ここロワール地方の、一般の方も、
あぁ、今、ちょっと大変な時期なんだな、
外出を控えよう、と
考えを変えるかもしれません。


閉鎖になった方がいい、と思っていたのは、
働かなくてもいいから、という怠け気持ちもありますが、
毎日毎日、
みんなで同じピアノをさわって、大丈夫なのかという心配が、
理由です。
それから、私は、路面電車で通っています。
それも心配です。

ここロワール地方の方々は、けっこうのんびりしています。
チュッチュッと、あいさつのキスをし続けている人も多いです。
ですから、
私は、
授業ごとに、生徒さんに手洗いのお願いをして、
ピアノのキーを消毒して、
窓をあけて、空気を入れかえます。
生徒さんは、けっこうちゃんとしているようです。
キスなんて、してません、大丈夫です、と
みなさん、言っています。

一方、大人といえば、
私のまわりには、およそ呑気な人が多いです。
バーやクラブに踊りに行こう、とか、
コンサートに行って来た、また行こう、など。

これから数週間、
私はヒマになりそうですが、
できたら、クラブにも踊りに行きたいのですが、
やっぱり、それはまずいと思います。
残念です。
家で、しぼんでしまいそうです。

呑気といえば、実は、私もそうです。
呑気というより、
「なせばなる」というような、強引な気持ちかもしれません。
スポーツジムで、ボデイジャムを踊ったり、
みなさんとかなり近い所で、スポーツをしています。
なんとなく、あぶないような気もするけれど、
スポーツをしている方が、
体力もつきますし、抵抗力もつくような気がするからです。
これからもしよう、と決めていたところです。

けれども、マクロン大統領の、
学校閉鎖のはなしをきいてからは、
やっぱり、スポーツジムはしばらくやめようと、
いう気持ちになりました。
残念です。
なにか、別な手を考えます。
家で、ひそかにyoutube先生とスポーツをする、とか。

学校閉鎖は月曜から。
きょう金曜日と、あす土曜日は、
まだ学校は、あいています。
変ですが、
私は、勇ましく学校に行きます。
路面電車はやめて、車で行くことにします。

このことで、
いろいろお困りの方は、たくさんあると思います。
そのことを思うと、
何か、私にもできないか、と思ってしまいます。

私にできることといったら、まず、
なるべく家で、ひっそりしているのが、いいのかもしれません。
子どもを預けられなくて、困っている人がいたら、
うちに預けてもらってもいい、と思いました。

早く、コントロールできるように、なりますように。

きょうも、読んでくださってどうもありがとうございました。


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2020年3月12日木曜日

フランスのおさかな(オンブルシュバリエ)


ウイルスのせいで、
あまり、街中をぶらぶらするのは、やめることにしています。
たまに行くレストランにも、
このごろは、行っていません。

なんとなく、退屈なので、
何をするかというと、
考えるのは、おもに食べ物のことです。
おいしいものはないか、と
いつも、考えています。

朝ご飯は、このごろパンはあきてきたから、
日本食にしよう、と思いつきました。
さて。

おみそしる、
ごはん、
うめぼし、
納豆、
つけもの、
ゆでたまご、

そして、
何か、お肉か、さかな、を。

まずは、塩鮭がいいと、思いました。
もちろん、ここフランスでは、
そういうものは売られていません。
ネットで調べてみると、海外に住む方が、いいレシピを
のせてくださっています。
塩さえあれば、それ風のものを、家庭でも作れそうです。
さっそく、市場の魚屋へ行きました。

いつもの、養殖のサケを買おうと思って、
店の前で、順番を待ちます。
すると、私の前の女性が、
オンブルという魚を買うか、買わないか迷っています。
身はピンクとオレンジの中間、
3枚におろして、売られています。
初めて出会った、魚です。

ずいぶんおいしい魚だけれど、
う〜ん、どうしようか、買わないつもりだったけど、
やっぱり、おいしいから、買う!と
衝動買いのような買い方をなさっています。
それで、
私も、興味をもったので、

「いったい、どんな味がするんですか?
マスみたいな感じですか」

と、たずねてみれば。
その答えに、ちょっと、たじろいでしまいます。


「いえいえ、マスなんかより、ずっとおいしいです。
脂は、のってないし、
味も、もっと弱めだし」

ええぇ?!
脂がのってるから、おいしい、というのが、
ふつうなのに。
それに、
味が弱め?
風味はないんですか?
なんのために、お魚食べるんですか、
と言いたくなります。
やっぱり、ここは、お肉の地方なのかしら、と
場違いな気持ちがします。

ちょっとむこうからは、
サバのおろしたのを買おうとして、
「骨、あるんですか」と、まるで子どものようなことを、
尋ねているのが、聞こえてきます。
「だいじょうぶ、少ししかありませんよ」
この地方では、
骨のある魚は、ほんとに人気がないようです。

味がおいしくなかった、という文句はきいたことありませんが、
こないだの切り身には、骨があった、という文句は、
けっこうよく、聞きます。

それに、
売れ残りのサバを、3枚におろしたのなんて買わないで、
それより、あっちの方にある、入荷したての、
まるごとのサバを買った方が、
生きが良くて、おいしそうですよ、と言いたくなります。
でも、
これまで、見ていて、
サバを丸ごと買う人は、いません。
私しか、いません。
みなさん、3枚におろしてもらっています。

こういうとき、あぁ、私は外国にいるんだな、と
思い出します。


塩鮭用のサケと、
それから、その脂がのっていなくて
味が弱くておいしい、という不思議な魚を、
買って帰りました。
オンブルシュバリエという、立派な名前です。

味が弱いのは困った、と思いましたので、
ちょっと塩とお砂糖をふって、
しばらく、冷蔵庫に入れときました。
夕ご飯に、グリルで焼きましたところ、
たしかに、品のいい、
すっきりとした、舌触りのよいお魚でした。
スイスの湖などでとれるそうです。

脂は、たしかにのっていませんが、
バサバサして困ることもありませんでした。
こちらの人は、
おいしいソースを作るのでしょう。
私は、おしょうゆを、さっとかけて、
いただきました。
とっても、おいしかったです。

きょうも読んでくださって、
どうもありがとうございました。



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2020年3月6日金曜日

くつの形は、逆三角形(ミニマリストシューズ)


先日、
長いこと疑問に思っていたことが、
解消されて、たいそう、すっきりしました。

いつも、不思議におもっていたことがあります。
それは、くつの形です。
私の足をよくみると、さかさ三角形のかたちをしています。
アヒルの足のようなものです。
指を動かして、広げてみれば、
ほとんど、アヒルに近くなります。
平泳ぎをするときも、そういう形にして、
ぐいぐい、水を押しているつもりです。

ところが。
くつというのは、
たいてい、その逆のかたちをしています。
すてきな、パンプスなど、
前は、丸かったりとがったり、
前にいくほど、狭くなります。

家にかえってきて、
フランスですから、まぁ、そのまま土足でいてもいいですけど、
たいていは、家においてある、サンダルや、下駄にはきかえます。
あぁ、と、ほっとします。
足が、「やったー!」と、
よろこんでいるのがわかります。


くつをはく、というのは、
逆三角形のものを、
ふつうの三角形の入れものに、いれるような気持ちがします。
もし、ヒールがあれば、
前の方に、重さがいきますから、
それは、ほとんど、ジョウゴにいれられている気持ちです。

けれど、
では、実際のはなし、逆三角形のくつというのは、
どういうものなのか、と想像してみても、
そういうのは、見たことありません。
もしあったとしても、
アヒルの足にくつをはかせたような、
あまり、おしゃれではないように、思えます。



それが、先日、
ある人のお話をきいて、「ミニマリスト」というスタイルの、
ラニングシューズを手に入れたのです。
それが届いて、
足をいれたとたん!

あ!
私の足の形が、尊重されている!

と、思いました。
フランス語で、
「足の指、扇型」doigts de pied en éventail
という表現があります。
「リラックスして、バカンス気分」とでもいうような意味です。
まさに、それです!

あぁぁ!
やっと、私の足は自由になりました。

それが、一番上の写真に見えるくつ、です。
そして、
こういう種類のくつの目的は、
くつをはいているのに、
はだしの感覚がすることです。
なるほど、
石畳や、草も、足の裏に感じられます。

遠い昔、昭和時代、
小学校の時、
うんどう会といえば、
地下足袋、というのでしょうか、
一回限りの、足袋を買ってもらって、走りました。
そういう感じです。


ミニマリストシューズ。
うれしくて、
すぐに、家の中ではきました。
その日は、足のすねが、ちょっと疲れました。
次の日も、足の骨や筋肉がびっくりしていました。
いつも使わない部分を、使っているのかもしれません。
何年間、使っていなかったか。
自分の体なのに!

今では、これをはいて、散歩に出かけます。
今朝のロワール川は、くもりでしたが、
小さな花が、みごとでした。
苔たちも、ステキでした。

きょうも、読んでくださって、
どうもありがとうございました。


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2020年3月3日火曜日

ウイルスのリスク



きのうも、きょうも、
雨と風が、強いです。
たまに、晴れにもなります。かなり明るいです。

そういう時は、外に出て、
買い物をすませたりします。
外へでると、
いつもとちがって、風がふいていて、
空気がおいしい。
日ざしが、まぶしい。
まるで海辺にいるようです。

ところで、おとといは、
ウイルスのせいで、パーティーに行かれなくなりました。
がっかりです。

別に、行ってもよかったのです。
けれど、まず、
「うつるかもしれないから、人ごみに出ない」、という考えが、
浮かびました。
そうなると、もう、
楽しいパーティーも、そわそわして、気がかりで、
ちっとも楽しくないような気がします。

それから、
その日にかぎって、春独特の、花粉アレルギーのように、
なりました。
ティシューを手からはなせない。
そんなので、出席したら、他の人が心配するかもしれない、と
思いました。
むだに、心配させては、申しわけない。

もし、マスクなどをしたら、
ギョッとされると思います。
フランスでは、めったにマスクをしませんから、
そういう出で立ちで、出席したら、
私のまわりには、人がいなくなると思います。
きっと、ウイルス保持者と、まちがわれます。

それで、
2メートル半径くらいの、空間ができるのではないか。
マスクなしで、ティシューだけでも、
1メートル半径くらいの、穴があくのではないか。

そんなことを、考えているうちに、
行かない方がいい、という考えに、かたよりました。
あぁ、つまらない。
せっかく楽しみにしていたのに!

私が、うつされるかもしれない、という心配と、
まわりの人が、私にうつされる、
とムダに心配してしまうかもしれない、という心配。

2種類の心配をして、
結果、私は楽しみをのがしてしまいました。
うつされてしまうかもしれないので、行けませんとは言いづらかったので、
まわりの人にムダな心配をかけるのがおっくうですので、欠席します、と
いう私のメッセージに、

いただいたお返事は、
ひたすら、私の具合を心配してくださり、
またこの次に。どうぞ、お大事にしてください、ということでした。

かなり、がっかりの土曜日でした。
パーティのあとも、みなさんお元気そうなのを見て、
やっぱり、行けばよかった、と、ちょっぴり思います。
でも、やっぱり、行かない方がよかったかもしれません。
わかりません。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。


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