2017年12月15日金曜日

ちょっぴり、ジェラシー



先日、仕事場で、
引退する方の、お別れ会がありました。

その方は、
とっても、やさしいおじさんです。
フィリップといいます。
私の働く学校で、去年くらいから、
用務員のようなお役を、していました。
定年退職。

その、お別れ会というのが、
シンプルで、シンプルで、
フィリップのやさしさが、ただよっていました。
とても、私には、まねできないです。

もともと、フィリップが、
ぜひ、お別れ会をしたいから、と
提案してくれたのだそうです。

火曜日の、夜、
授業を終えた教師たちが、
集まってきました。
授業のない人も、わざわざ、やってきました。

職員室のテーブルに、
フィリップが、用意したお皿をならべています。
小さくほぐした、なまのカリフラワー。
プチトマト。
ニンジンの、細長く切ったもの。
ビーツ(お庭でとれた)の、煮たもの。
サラダ菜。

それをつける、チーズクリーム。
パテ。パン。
奥さんが焼いたお菓子、などなど。
たくさん。
そして、ワイン。

そして、フィリップと奥さんの、静かなふんいき。
ただ、それだけです。

それが、ものすごく、心地よかったです。
(その分、これから、
さびしくなるなぁ、という気持ちがふえましたけど)

私だったら、
これぞと、こってしまうでしょう。
こったアペリチフを用意して、
気をきかせようとして、ピリピリしてしまうかもしれない。



フィリップは、静かで、
やさしい目をしています。
学校で、困ったことがあると、私はすぐ会いに行きます。
解決しないのに、もう、フィリップに話しただけで、
解決したような気持ちになります。
別に、大したことないや、と思えてしまいます。

そんな用務員のおじさんが、いなくなるというのは、
ほんとうに、さびしいです。

きのうは、庭の、これこれという花を苅ったよ、と、
写真を見せてくれたり。
きのうは、孫たちが、遊びに来てたよ、と、ぽろっと、
話してくれたり。

これからは、
毎日、時間ができるから、
庭仕事と、大工仕事を、楽しむ予定だそうです。

そういえば、
庭仕事と、大工仕事をかねているお店なら、あります。
なんだか、とてもシンプルで、
ふつうの趣味に、見えます。
そのシンプルさは、
私には、うらやましいです。

フィリップのそばにいると、
なんでもが、シンプルに思えてしまいます。
きっと、
ふつうの、淡々とした人生を、生きてきたんじゃないか、と
思ってしまいます。
ほんとうは、ちがうかもしれないですが、
そんな感じがしてしまうのです。

私とは、ちがうな、
ちょっぴり、うらやましい、と思いました。

そして、
これからは、
心が、ざわざわするようなことがあったら、
心の中で、フィリップを思い出せば、
ほっとするかもしれない、と思いました。


きょうも、訪ねて来てくださって、どうもありがとうございました。


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