2017年8月12日土曜日

ちょっぴり、気まずい(貨物船の旅)



一週間の、貨物船の旅。

3度の食事は、士官(オフィサー)の方々と一緒でした。

今回は、ウクライナのオフィサー10人と、
下働きのクルーが、フィリッピン人13人。

大きな船に、23人の船乗りと、私たち乗客2人だけ!




↑ 食事は、士官の食堂でいただきます。

船の上では、いつ何かおこるかわかりませんから、
だらだらと、話すヒマがありません。
みなさん、わりあい簡潔に、早口で、話されます。
(と、きいたことがあります)

そうですねぇ、
ええと、
たとえば。

なんていう話し方は、あまりないです。

たたた、っと、
用件が、とんでくるような、話し方です。
聞かれたり、
答えが出たり。

何か、お願いすれば、
2分後くらいには、結着しています。

と、
そういう早口ですから、
それも、ウクライナなまりのある、英語ですので、
ちょっと、わかりにくかったです。
私の英語能力は、かなり、おぼつかないのです。

もうちょっと、気軽に、おしゃべりしたかったのに、
と、
私の英語レベルが、うらめしかったです。


↑ 前菜や、スープ

食事は、メスルームとよばれる、こじんまりとした食堂で、
士官の方々と、ご一緒しました。
私たち乗客2人は、
丸いテーブルが、わきにあって、そこで。

すると、
士官の方々と、一緒にいるようで、
一緒にいない、という感じになります。
お仕事中の、みなさん、食事中は、休憩時間です。
母国語の、ウクライナ語で、お話しています。

私は、夫と、フランス語で、話します。

すると、
会話が、別々になります。
それも、いいですが、
でも、やっぱり、おしゃべりしたいですし、
でも、じゃましたくないですし、

でも、なんとなく、
注目の的になっているようで、
なっていないようです。
目を合わせていなくても、なんとなく、
お互い、見ています。

だいたい、乗客なんていうのは、めずらしいはずなのです。
もしかすると、
「いったい、どんな変わり者なんだろう」と、
質問してみたくなっているかもしれませんし、

退屈しのぎに、なにか、しゃべったりしたい、とも
思っているかもしれません。
その逆かもしれません。

それが、よくわかりません。
いつも、だから、緊張してしまいます。
それに、テーブルがはなれていては、
大声をださなくては、話ができない。


プラス、英語のききとりができない、という
私の壁(?)も加わって、
私は、食事中は、ちょっぴり、気まずかったです。


ですので、
船長さん、
ワインは飲むか、と聞いてくださったり、
サバをたくさん釣ったから、と自慢げに話してくれて、
それが、お料理に出たときは(上の写真)、
うれしかったです!

ワインは、今、港にいるうちは、
検査があるかもしれないから、ダメだけど、
出航したら、出せますよ、と言ってくれたり。

私は、気まずくて、緊張しているせいか、
なんだか、ピントのずれたことを、
ダラダラとしゃべってしまって、
あとで、恥ずかしく思ったりしました。

ほんとに、「気まずい」のは、苦手です。



船長さんは、そのあと、一週間もたってからですが、
ジブラルタル海峡で、
一晩、停泊できる、とわかったとき、
一緒に釣りをしましょう、と誘ってくれたのです。
まぁ、楽しそう!

楽しみにしていたのですが、
結局、残念なことに、
停泊中、アンカーリングができなくて(という、技術的な理由で)
釣りはできませんでした。

ですが、
なんだか、
私たちを楽しませようと、
一生懸命にやってくださったような気がします。

なぜ、そう思ったかと言いますと、
その前にも、
避難訓練というのがあったからです。
下士官の方に言わせると、そんなのは、
なかなか、やらない、ということだったのですが。

そして、
そのとき、
私たちに、
「みんなは、船中を駆け回っていますが、
あなたたちは、ここにいて、見てなさい」と。

何かと思って、最上階のデッキで待っていると、
しばらくして、

「ほら、みててごらんなさい。
これから、船のまわりに、虹が見えますよ。
上にかかる虹じゃなくて、船のうしろに」と。



たしかに、虹が見えます。
わきの方で、だれかが、消火の訓練をしているのです。

それを、上で見てなさい、と
船長さんが、私たちに言ってくださったのは、
やっぱり、きれいなものを、見せてあげよう、と
プレゼントしてくれたんじゃないかと、
私は、思ってしまいました。



書き出すと、
士官や、クルーのメンバーとの、
短い、密度の濃い、いろいろなやりとりは、
たくさん、あります。

食事だけは、気まずいですが、
階段で、出会ったり、
ジムで、出会ったり、
操舵室においで、と言ってくださったり。

また、書きたいと思います。



これが、その、船長さんです。
ふだんは、Tシャツに、バミューダです。

ですが、
入港、出港のときは、
アイロンの、ばっしりときいた、シャツに、
黒いステキな、くつの姿で、とてもカッコいいです。

たまに、
下士官が、へまをしたのか、よくわかりませんが、
そういうときは、
ものすごく大きな手ぶりで、
大きなジェスチャーをして、
文句を言います。
それが、大きく、低い声なので、迫力あります。

でも、すぐに、ふつうのきげんにもどって、
フォッフォッフォ、と笑ったりします。
絵に描いたような、ひげの船長さんです。

また、
書きたいと思います。

きょうも、読んでくださって、どうもありがとうございました。


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