2017年2月12日日曜日

やはり血筋は、あらそえない



きのうは、一日仕事のあと、
用事あって、いなか道を車で、だーっと走りました。

畑の緑の色、
暮れていく空の色、
のぼる月のオレンジ色、
なんとなく赤っぽい、準備中の枯れ木、

などなど、
冬でもない、春でもない、
この中途ハンパな季節のほどあいが、
実にステキです。

でも、私のカメラでは、この色は出そうにありません。
絵の具で、表現できたらいいのに、
と、
自分が絵描きでないことが、悔やまれます。


ところできのう、待ちに待った、念願の、
和風呂の入り初めを、しました。
仕事にでる前、30分しか余裕がなかったのですが、
大急ぎで、お湯につかって、
出てきました。

もう、うれしくて、幸せで、
たまりませんでした。

ところが、そのあとです。
かなりしばらくしてですが、
仕事中に、
何とも言えない、感覚がやってきたのです。

もう何十年も感じたことのない、感覚です。
なんだか、カゼをひきそうな、
といっても、別にノドが痛いわけではなく、
チョッピリ、ぞくぞく寒いような、感じです。
ぼんやりくたびれた感じ。

そして、
はたと、聞こえたのは、
父の声。

「湯冷めするぞ」

アッ、
しまった、と思いました。

そういえば、
そうなのです。
日本では、病気になると、
まず、お風呂には入りません。
入れるようになるのは、かなり元気になってからです。
(うちでは、そうでした)

そうでした。
お風呂に入るときは、
そんなふうに、ちょっと神経をつかっていたのです。

ですが、フランスでは、
カゼをひいたりすると、すぐ、
お風呂に入って、体をあたためて、さっぱりしましょう、
と言われたり、

お産のあとでも、病院では、
体にいいから、
なるべく早いうちに、シャワーを浴びましょうと、
看護婦さんが手伝ってくれたりしました。

そんな感覚で、
いつも、シャワーやバスタブを使っていたのです。
それが、
あの和風呂を、使って、
体が思い出しました。

あったかくなった体に、
そのまま服を着て、仕事に行ってしまったのです。
そういえば、もう暑くて暑くて、体がほてっていました。
そのあとです。
あの感覚が来たのは。

そういえば、

寝しなにお風呂は、いいけれど、
体をさましてから、布団に入るように。
そうでないと、
布団をはいでしまって、カゼひくから。

なんていう父の声が、
思い出されます。
みなさんのお宅では、どうだったのでしょうか。
うちの父は心配性だったから、
あれは、気にしすぎだったのかもしれないですけど。



ところで、無事、カゼはひかないですみました。
そして、またまた、けさ、
お風呂に入りました。

すると、
お湯を湯船に、はねかえさないようにかける、とか、
立ち上がって、お湯を体にかけない、とか、
タオルや頭は、湯船にいれない、とか、

銭湯でおそわったお作法を、
体が覚えているのに、気づきます。

何年たっても、私の体が忘れないです。
それどころか、
もしかすると、
私の祖先が、
何世代も銭湯に行っていたのだとすると、
もう、これは、
遺伝子のレベルで覚えているのかもしれません。

それにしても、
手桶でお湯をくんで、
肩からざーっとかける時の音や

木の手桶をタイルの床に置くときの、
やわらかい「コン」という音が、
ほんのちょっと湯殿にひびく、あの感じは、
なつかしいこと限りないです。

お風呂、バンザイ!と言いたくなります。
そして、
いくらフランスの生活に慣れても、
やはり血筋はあらそえない、
やっぱり私には、日本の古い歴史が流れてる、と、
ちょっぴり、力強く思ったりしました。

きょうも、読んでくださってどうもありがとうございました。
↓ クリック応援していただけたら、うれしいです。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

2 件のコメント:

まめゆう さんのコメント...

おめでとうございます❗
お風呂、ついに完成ですね❗

「湯冷め」というのは、日本人独特の感覚なのでしょうか?やはり、お湯に長く浸かるという入浴方法だからなんでしょうか?ウチでは、今でも「そんな事してると湯冷めするよ~」なんて言いますよ。

お風呂、満喫して下さいね~(^^)

Chiyo さんのコメント...

まめゆうさん、こんにちは!

はい、
長い道のりでしたが、やっと、お風呂にたどりつくことが
できました。

湯冷め。
やっぱり、そういう言い方するのですね。今でも。
なるほど、
日本独特のものかもしれません。
それを、フランスでの初湯で、即やってしまったのです。

これから、そんなお風呂のお作法も、
少しずつ思い出してくると思います。
お風呂の遊びも。
手の水デッポウとか、
たたんだぬれタオルに石けんをぬって、裏がわから息を吹くと、
泡がすごく出てくる、とか。


コメント、どうもありがとうございました。